新イベントと目標の世界
そんなこんなでやってきました冒険者ギルド!
途中でドナドナされかけたけど無事脱出!思ってた以上に魔法が使いやすくて助かるね!
早速受付で登録して冒険者の証であるメタルプレートーー身分証明みたいなものだねーーを貰い、近くの狩場に行こうかと思っていると、男の人が文字通り転がりこんできた。
「ピロトミアーを、止めて…くれ……ウイルスで…魔獣…………を……」
男はそこで力尽きる。
これはアレか。ストーリーイベント発生か!(ゲーム脳)
みんなが固まる中、1人の男が倒れている彼に近寄る。
「待って!」
……あ、つい止めちゃった…。みんなもこっち見てくるし。説明しなきゃダメだよねぇ。
「えーと、その人ウイルスって言ってたじゃん?下手に近づくと危ないと思うんだよ」
「確かに危なぇな。ありがとな嬢ちゃん」
「じょ……いや、どういたしまして」
中身がアレだから嬢ちゃん呼びは結構恥ずかしいんだけど……我慢か。
「でもよ、このままってぇのもマズイよな?ーーっ!?」
「あ、……ガぁ…ァァアァァァアアアァッ!」
「え…ええっ!?」
倒れてたのにいきなりでっかくなって……魔獣化?暴走っ!?
あ、さっきのセリフはそういう事か。
「とりあえずコイツを止めるぞ!ウイルスも解らんから極力近づくなよ!」
「「「おうっ!」」」
「遠距離攻撃使えるヤツは前でろ!」
手際いいな〜。
さて、私も動きますかー!
「私もやるよ」
「おう!助かるぜ!」
1歩前に出て片手を上げる。
イメージは動きを止める程度の弱めの電撃。どっちかって言うと電気ショック的な感じっ!
「ガァッ!?」
「今だっ!」
魔獣(仮)が仰け反った隙にいくつもの魔法が叩き込まれる。
「どうだ…?」
見た限りそこそこ強い魔法をいくつも喰らい、元々弱っていた身体は限界を迎えたようで。
「……少し、小さくなるんだな」
絶命した魔獣(仮)の身体にはもう禍々しいオーラはなく、一回り小さくなって、悪趣味なことに人っぽい姿へと戻っていた。
「これじゃ、罪悪感満載じゃん。最後の最後に人にもどるなんて」
「あのまま魔獣なら敵を倒す。で割り切れるんだがな」
どうやらおっちゃんも同じ意見らしい。やっぱり殺人ってイメージ持っちゃうよね、これは。
::::::::::
その後、回収屋とかいう人たちが来た。やっぱりあの人の事いろいろ調べるみたい。
そんな作業を横目に見ながら、ギルドにあるテーブルの一角でおっちゃんに話しかける。
「おっちゃん。ピロトミアーってどこ?」
「まだ俺はおっちゃんなんて歳じゃねぇよ。行くのか?」
「うん。まだ冒険者になったばっかで身軽だし、このままは嫌だから」
「止めはしねぇが、あの街は異質だぜ。外とあんま関わらねぇし、変な研究してるっつー噂もあるしな」
「噂じゃなかった」
おっちゃんの声にかぶせる様に早口でそう告げる。
「だから、何やってるのか気になるし、あの人みたいな被害者をこれ以上作らないためにも、行くよ」
「……冒険者は自由だ。何者にも縛られることなく、自分のしたいことをする……そんな言葉があってな」
ここで語り入るのね。まぁいいけど。
「今となっては自分の、そしてこの街の人の生活の為に危険な魔獣を狩ったりするヤツらばっかだが、元々は冒険者はホントに冒険するヤツらの事だった。未開拓地、危険区域、そんな危ねぇトコばっかだ。
オレは出来なかったが、嬢ちゃんならできそうな気がすんだよ」
「ありがと」
「あぁ。きっと嬢ちゃんならピロトミアーの裏暴いて、未発見のもの見つけて、大活躍してくれそうな気がすんだ」
立ち上がり、一枚の紙をくれた。
広げると、どうやら地図っぽい。
「オレもさっきみてぇなヤツを増やしたくねぇからな。頼んだぜ」
「もちろん」
そして、ガッチリを握手を交わす。
ーーのはいいんだけど
「これの見方教えてくれない?」
「せっかくいいこと言ったのにそれかよ!」
ひとまずは 序章〜完〜 かな?