プロローグ
初めまして!瑠璃川です。
個人のサイトから転載しています。
訂正後の文章なので所々違いますが、本筋はずれません。ずらせません。
頑張りますので、応援よろしくお願いします。
マモノというのは、恐ろしい存在だ。
憎しみ、悲しみ、恨み、妬み......それらから、やつらは産まれる。
人はあまりにも無力だった。やつらを産み出しておきながら手なずけることも、対することもできず、怯えるだけ。
マモノはそんな人々を襲い、喰らう。
そして人の死は、新たなマモノを産みだした。
マモノを葬ることができるのは、この世界で「ヤタの民」と呼ばれる人間だけ。
だが、そんな並外れた力を持っていたとしても所詮は人。感情もあれば、寿命もある。
そう。結局はマモノに怯えるそれと、大差ない。
「万物を開き、務めを成す」
これは、マモノという“恐怖”と対峙する彼らに贈られた、最高の誉め言葉だったかもしれない。
否、人々が“恐怖”を忘れるためだけの生け贄であると、彼らを差別するための言葉だったのかもしれない。
残念だが、私はその答えを知らない。
だが私にはわからなくても、同じ「ヒト」ならばきっと答えを導き出せるのかもしれないな。
―――もし、人に戻れる日が来たなら......私にもその答えが導き出せるだろうか?