02:StartInG memoRIal aNOthers
第2話。かなり短めです。
最後の方は考察のような形になっていて面白くないかもしれませんが……
スクリーンに映し出された映像は凄惨なものだった。
青白い肌の人外___もしくは、人智を超えた力を有する人間が、一方的な虐殺を行っていた。
願い乞え。それが我等の糧である。
狂った台詞とともに鮮血が舞い散り、スクリーンはブラックアウトした。
「…殺られるなぁ……御愁傷様」
スクリーンを見つめていた少年は、特に何も感じないといった様子でただそう言い捨てた。
他人が殺されていく映像を見て悲しめと言われても困る…。まるで、そう語るかのように、ただ、無表情で。
もしも少年が正義の如き心を持ち合わせていれば「罪の無い人を殺すなど、許すまじ!」とでも言って出動するのであろうが___残念ながら、少年はそんな殊勝な心は持ち合わせていない。
その様子はまだ好奇心に満ち溢れた青春真っ只中の子供のものではなく___何か擦り切れてしまったような、感情の起伏の乏しい廃人のようなものである。
此処に非ず。
そんな言葉が似合いそうな少年は暗転したスクリーンの電源を落とし、つまらない、と息を吐いた。
果たして何処がつまらないのか。むしろ、焦るべき状況では無いのか。
きっと少年にとって現状とはその程度のものなのだろう。取るに足りない、一瞬で変えられてしまう___そんな現実。
(だが…このままでは暇だしな…)
ギーコ、ギーコと椅子を揺らし、軋む音を聞きながら少年はゆっくりと考える。
暫く椅子を揺らし続け___ピタッと示し合わせたように軋む音が止まる。
少年はニタリ、と笑った。
「舞台に役が足りないなら___増やせば良いじゃない♪」
善は急げ。
これで序章は終わりとなります。次からは本編、本格的に戦い等を進めていこうと思います。
今回は物語が短いので少し余談を。
実は序章の裏タイトルは『ORIGINS』となっています。タイトルを見てください。
第1話は『StaRtING memOrIes』。
第2話は『StartInG memoRIal aNOthers』。
その大文字の部分を並べ替えると…ORIGINSとなります。
こういう仕掛けは面白いと思うので、裏タイトルを作る回はこんな感じにしていきたいなーと思っています。内容は勿論ですがこういうところでも楽しんでいただけると幸いです。
誤字、脱字、間違った文法表現がありましたらご一報下さい。
本編からも末長くご愛読宜しくお願い致します。