【浅田那岐の一日】
読んでくださっている方ありがとうございます。
今回は一応ヒロイン(笑)の1日を書かせていただきました。
私、浅田那岐の1日は一杯のコーヒーから始まる・・・とか一度でいいから言ってみたい。
実際、私の1日はこの一声から始まる。
「おはよう、遅刻するぞ。」
そう言って私を起こしてくれたのは、お母さんでもなくお父さんでもなく晋助くんだ。晋助くんとは家が隣で幼なじみ。お母さんとお父さんは仕事で早く家を出て行くので晋助くんが私を起こしに来てくれるのだ。勿論お互いの家の鍵は二人共持っているので何があっても安心だ。
「はあ、だるい。」
「寝てたら遅刻!起きろ。」
「おはよう、晋助くん。でもあと五分・・・。」
布団の中に潜り込んだら、布団を取られてしまった。5月だけどまだ少し寒いこの時期になんて鬼なことをしやがるんだ・・・。しかたがないので私は晋助くんに朝ごはんを作ってもらっている間に学校へ行く準備をする。
朝ごはんを食べ終え、腹が膨れた私は眠くなってきてうとうとしていた。そんな私をたたき起こして家を出る。正直、学校まで行くのに徒歩20分もかかるから行く気も失せる。晋助くんはため息を付きながらも私の手を引っ張って学校へ連れて行く。いやぁいつもありがとう。
「おはよー、那岐っ!」はい、おはよう佳奈。
「おはよう、浅田。」はいはい、おはよう御坂くん。
「おっはー!!那岐!」はいはいはい、おはよう茜。
「おはよう浅田ちゃん。」はーいはいはいはい、おはようおはよう須賀くん。
皆、私が教室に入ってくるなり一気に挨拶をしてきた。ありがたいんだけどね、ちょっとビビる。
「・・・うん、皆、おはよう。」
一人ひとりに挨拶するのは非常にメンドクサイことなので、まとめてみた。うむ、我ながらなかなかな発想だ。二酸化炭素の排出量も減るし地球にやさしい。ま、心のなかでは一人ひとりに挨拶したから許しといてくれや。
HRが終わって、1限目が始まろうとしている。確か社会だったかな。
・・・ラッキーだな。社会の江藤は新任の女の先生で授業を進めることに必死だから私達の方にまで気が回っていない。つまり、安心して寝れる、ということだ!((どやぁ
なーんて、1人で机につっぷしていると誰だっけかなこいつ・・・みたいな人が話しかけてきた。誰だっけなぁ・・・あ!倉沢何とかって奴だ。思い出した。何で話しかけてくるんだろう。
「那岐ちゃん、~~がね~~で、~~~だったんだよ。凄くない?」
ごめん聞いてなかった。何が凄いのかよく分からなかったわ、ごめん。でもねむいんだよね~。
私は倉沢くんに何も返さずぼーっと窓の外を見た。そうすると、いつの間にか倉沢くんの姿は消えていた。ま、いっか。授業始まるし。
え、ここどこよ?保健室?不思議に思ってキョロキョロしてると誰か来た。
「あ、起きたんだな。那岐。」
「晋助くん?」
何で私は保健室にいるの?と聞くと
「お前、一時限目ずっと寝てて先生が『具合悪いんじゃないの!?誰か保健室に連れて行ってあげて!!』とか言うもんだから連れってってやったんだよ。で、起きたら授業に戻ってくるかなと思ったら、お前昼まで戻ってこねぇんだから、心配して見に来てやったんだよ。」
「何かごめん。で、ありがとう。」
「ま、いいから。お昼食いに行くぞ。皆待ってる。」
「分かった。行く。」
保健室の先生に一言告げて、出て行く。
教室に戻ると、皆笑いながら迎えてくれた。お昼を食べるメンバーはいつもと変わらない。朝、挨拶をしてきたメンバーだ。
「浅田ー、お前いい感じに授業サボっただろ(笑)」
「違うよ、御坂くん。サボったんじゃなくて先生のご好意を受けただけだよ。」
と即答すると茜、佳奈が吹き出した。
ゴホゴホと咳き込みながら笑っている。なかなか面白い図だ・・・。
「浅田ちゃんさ、ホントすることなすこと面白いわ~(笑)」
「そんなことはない。どちらかと言うと須賀くんのオネエみたいな喋り方の方が面白い、と思う。」
その言葉にまた茜と佳奈、更に御坂くんまで笑い出した。「ひ、酷いわ!」と須賀くんがふざけて言うので皆、もっと笑った。まぁ、本当のことだからしかたがないよね。うん。バカバカしくて呆れることもあるけど、私は意外とこの時間が一番好きなんだよな~。男女でお昼を食べるのって幸せなことだと思う。ていうか、その前に私みたいな奴を受け入れてくれる事自体がありがたい。
そんなこんなで時間は過ぎていきもう、あっという間に放課後。あ、勿論5,6限目は授業に参加したよ。だるかったけど、超絶だるかったけどね。もう、だるすぎて『ダルダルサンダースプラッシュ!!』とか叫びそうだったよ。しかも、6限目の数学では先生に当てられるし、最悪だわ・・・。まあ、頭は悪い方ではないので答えられるのだけれども((どやぁ
それにしても遅いな―、晋助くん。そう、私は今、教室で晋助くんを待っているのだ。何か、先生に呼び出されているらしい。早くこないと此処で寝てしまいそうだ。あ、まぶたが重くなってきた・・・。おやすみ、と自分の中で告げた次の瞬間ガラっと教室のドアが開いた。
「晋助くん・・・、遅い・・・よ。ってあれ?」
入ってきたのは倉沢くんでした。晋助くんじゃないのか、なーんだ。もういい一眠りしてやる!!と思い、机に突っ伏したら、足あとが近づいてきた。それは勿論さっき教室に入ってきた倉沢くんだった。
「やほー、那岐ちゃん。元気ー?」
「え、あ、はい。」
「そかそかー。あ、そうそう今度の体育祭のことなんだけどねー?コレが・・・・で、アレが・・・だから・・・しなくちゃいけないらしいよ!」
「え、あ、はい。」
「それじゃー、また明日ってことで。ばいばーい。」
「え、あ、はい。」
倉沢くんは話す分話して教室から出て行った。まるで、台風のようだったな・・・。というか、何話してたんだろ。眠すぎて何も聞いてなかったわ。まいっか。あれだよねー、倉沢くんって少しウザ・・・ゲフンゲフン。失礼なことはいっちゃ駄目だね、うん。
「遅れて悪い。帰るぞ。」
自己完結をしていたところに、丁度晋助くんが入ってきた。もう、待ちくたびれたよ。
親は仕事を夜遅くまでしているので、私は家に帰っても1人。だけど、こんな私が自ら料理をするわけでもない。でも、お腹も減る。そんな時、どうするか。それは勿論、晋助くんにつきってもらうの一択だな!そう、いつもいつも私の食事係は晋助くんなのだ。あ、お礼はしているぞ?勉強教えたり・・・勉強教えたり・・・勉強教えたり・・・ね。だからいいと思う、きっと。
ま、あとはいろいろ(お風呂とか、課題とか)してから就寝、っと。
はあ、だるい。
___________________________浅田那岐の1日 終了
誤字脱字がありましたらご連絡下さい。
まだまだ寒い日は続くので風邪には気をつけましょうね。