グラッセ
目があって
触れて
とける
それは
指先で撫でる
モーメント
胸を
するりと
抜ける声
桃の
口許に浮かぶ
罪悪感
あなたに
触れて
とける
震える手に
命を懸けると決めた
あの夏よりも
重く
沈み込む
想い
どうしても
とけない
魔法があったら
にげる
つかまる
とける
もう一度触れて
泣くのは
誰か
呼ぶ声がして
起き上がると夜
ああ、またやった
視えない
触れられない
とけない
お前は誰だ
何者だ
知らないはずだ
骨髄うねる
稲穂に揺られ
なんにも憶えていないのか
虚ろなふりを
続けてまでも
許せるものか
そんな魔法を