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テイク6 【ズバリ言っちゃってもいいですか? 駄目でも言わせて頂きますが 1】

ユウキです……。

最近まーちゃんが、結界張って近付けんようにするとです……。


ユウキです……。

最近『風呂やトイレを覗かれてる気がする』とかって因縁つけられました……。


ユウキです……。

道に迷って探偵役降ろされたのを俺のせいにせんといてください!


ユウキです……。

ユウキです……。

ユウキです……。


乗っけからちょっと愚痴ってみる。

最近のこの女の振るまいが余りにも酷すぎるのだ。

いつぞやの迷惑メールの件もそうだが、とにかく麻里愛に不利なことが起こるとなんでも俺のせいにされてしまう。


神様、あんたのご利益が生きた人間限定じゃないならば、是非俺を救い上げてやってくれー!!










なにやら嫌な予感がする。

とてつもなく嫌な予感がする。

今日の麻里愛はなんとバラエティーに出演、その番組というのが……、超ぶっちゃけ占い番組【ズバリ言っちゃってもいいですか?

駄目でも言わせて頂きますが】なのである。


普通のお姉ちゃんならこきおろされるのを適当に聞き流し、笑えないギャグを笑って聞き流し、そして、生き方のアドバイスを真剣に……、聞き流していればよいのだろうが、麻里愛の場合はそうは行かないと思われるのだ。


この女、過去の出来事も、家族構成もどちらも凄まじく後ろ暗い。

その上麻里愛自身もかなり喧嘩っ速いと来ているからもう、ほぼ間違い無く一波乱も二波乱も有りそうな気配なのである。


人は必ず開けてはならないパンドラの匣を持っているという。

普通はこの匣を開けることは極力避けるものであるが、この番組はあえてそれを開けることを旨としているのだ。


麻里愛さん……、陰陽など発動しなければいいのだが……、とても心配だ。









某テレビ局内の撮影スタジオ。

沢山並んでいるテレビカメラを、撮影スタッフが必死に操り飯の種にしている。


まず左手から、司会を務めるアイドルユニット【シュツルム】の連中。

そして番組の顔、霊能アドバイザー河山寿春。

さらにゲストの門倉麻里愛。

そして、俺……、ってそれ、かなりヤバイ気がする。

なんと言っても相手は霊能者だ。

間違い無く見咎められてしまう。

まあ、俺に話題が集中すれば、麻里愛が生放送中に陰陽の秘術をお茶の間に披露する確率は極めて薄くなるのだが……。


さっきから気になっている。

寿春はどのタイミングで切り出してくるのだろう。


ヤツは間違い無く気付いている。

さっきからかなり怪訝そうに飛ばしている俺への目線が何よりの証拠だ。


寿春が少女のようなつぶらな瞳をシュツルムの連中へと向け、

「えーっと、何から始めればいいですか?」

と問うた。


てめぇの番組で何から始めるのかとは何事だと心の底から思ったが、なにぶん今日は【とにかくよた話に終始してくれと一生に一度のお願いをしたい日】ワーストワンに輝く日である。

かえって好都合だ。


シュツルムのリーダー小山一彦が意味有り気に不適な笑みを浮かべて、

「あなたがそう訊いて来るということは……、なんか居るということですね?

かなりとんでもないのが……」

と切り返してきた。

どうやら霊が取り憑いているゲストが来た時のお約束の行動らしい。

しかも、悪霊が……。



《……終わった……》



俺はいったいどうなるのだろうか。

霊能者と云うだけあって、除霊能力は確実に有るだろう。

《あぁ、神よ……、哀れな佐野勇気にどうか救いの手を……》




〈続く>

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