神と俺
俺の前に突如現れた黒い豚のような人間、それはなんとあのブルースの帝王P.P.キングなのであった!そして彼はおもむろに言葉を発した。
「やあ、元気ビンビンかな?」
……ああ、神は確かにそう言ったんだ、俺に向かって。いいかい、今俺の目の前には黒くて大きくて極太の神P.P.キングがいて、ものすごいアホくさいことぬかしてるんだよ!ちょっと本人確認してみようか?
「え、あなた、キングさんですよね?あの、アーティストの……」
「ん、そうだよ。私はアーティストのキングだ!スリルイズバーンとか歌ってるかも」
「す、すげぇ!俺、あなたに憧れて音楽やってるんですよ!!あなたのようなブルースマンになるために!」
「ギャハハ、マジで?それは素晴らしいことだね。つまり最高にビンビンってわけだ」
「いや、ビンビンの意味がよくわからないですけどでも、ここで会えて本当によかったです!っていうかキングさん、ここどこなんですか?」
「ん?少年は自分が今どこにいるかもわからないのかい?こりゃまた、傑作ビンビンだねぇ~、ンガァーハッハッハァー!!」
「笑わないでくださいよ、キングさん。俺、なんだか混乱しててって、あれれ、もしかしてこれ夢?そうか、これは夢だ!そうだよ、俺とミヤビが死んだのも、こんな変な世界にいるのも、キングさんに会ったのも全部夢なんだ。そう考えればすべていい感じだぞ」
そう考えた俺はなんだかホッとして。よかった、さあ早く起きて愛すべき日常に戻ろうと考えていると……。
「残念だけど少年。君は間違いなく死んでるよ。だってここ地獄だから」
キングの言葉に驚いた俺は鬼の形相で振り返る。嘘だと言って欲しかったから。
「そんなかわいい顔するな、少年。私がビンビンに興奮してしまいかねないぞ?」
俺の太ももが彼の小指ってくらい体格の違う人を興奮させたくない俺は普通に戻った。
「ふ~~。少しだけ時間をくれないか?気を鎮めたいから」
「待たせて悪かったね。さて、じゃあ帰ろうかな」
「待ってくださいよ!俺が死んでるってどういうことか説明してください!」
「ん、ああ、別に構わんよ。だがそれは次回だ!いいねっ。」
「わかりましたっ!」
スピッツの若葉と椿屋四重奏の幻惑を聴きながら今回は書きました。久し振りに書いたので正直あれかもしれませんね。