取り巻きとの戦い
「アロマ様、手続き終わりましたよ......あれ?」
ソフィアが食堂に戻るとそこにはアロマの姿が無かった。
「姫様がいない.....」
ボソッと呟いてソフィアはギルド内を探し始める。
***
ギルドでソフィアが私を探していることを知らない私は、冒険者数名を結界に取り込んでいた。
「ソフィアが戻ってくるまでに片付けないとね」
「ソフィアって、綺麗な名前だなぁ」
冒険者のうちの1人が私の出した名前に反応して話しかけてくる。
「そうでしょ?私も素敵な名前だと思うけれど....あなたたちみたいな野蛮な人にその名前は呼んで欲しくないかな」
「なんだぁ、つまりお前は俺より強いって言いてぇのか?」
「当たり前でしょ?」
「冗談にしては面白い」
そう言うと取り巻きに視線を移して合図を送る。
取り巻き2人が正面と背後から襲いかかってくる。
武器は2人ともオノのような物。
アロマは避けることも出来たが自身の拳に強化魔法を施し、武器を破壊。
その光景を見た3人は流石に驚いている様だった。
「どれだけ身体強化すれば武器壊せんだよ.....」
「......化物だ」
取り巻き2人は戦意喪失している。
「まさか.....コイツらがこんなすぐにノックアウトされるとはな。驚いたぜ」
「私とあなた達の間に差がないとでも思ってたの?」
「普通じゃねえよ。お前.....何者だ?」
「どこにでもいる冒険者志望の女の子よ」
「お前みたいなのがどこにでもいたら世界がおかしくなっちまう」
「それもそうね───」
私は、あえて言葉を止める。
そしてお互いに向かい合い、武器を構えた時、戦いの火蓋は切られた。