冒険者ギルド
現在。私は、フィリアと王都に来ていた。
「姫様、どこに行かれますか?」
「うーん」
正直、昼飯を食べるにはまだ早いため何をするか悩んでいる。
「冒険者ギルドに行ってみませんか?」
「冒険者ギルド?」
冒険者ギルドだって!?───ファンタジーと言ったら定番の冒険者ギルドがこの世界にはあるのか。
少し深呼吸してから返事をする。
「行ってみましょう。冒険者ギルド」
「案内するので着いてきてください」
私はフィリアの案内してもらい冒険者ギルドへ向かう。
室内に入ると受付嬢らしき人が───
「冒険者ギルドへようこそ!」と話しだした。
「本日はどのような御用ですか?」
先程の受付嬢が私たちに声をかけてくる。
「この方の冒険者登録をしに来ました」
「そうでしたか。手続きをするので少々お待ちください」
しばらく待つことになったため、私たちはギルド内にある定食屋で時間を潰すことにした。
「美味しそうなものばかりですね。フィリア」
「ギルドの定食はかなり人気があるみたいですよ」
「是非、食べてみたいものです」
「アルマ様の好みに合うか分かりません」
「きっと合いますよ。カツ丼だろうとカレーライスだろうと寿司だろうとウェルカムです」
「食べられるといいですね───自分で稼いだお金で」
「フィリア。ご馳走してくれないの?」
「もしかして、私にご馳走してもらうつもりだったのですか?」
「そうよ!」
「アルマ様ったら幼稚ですね」
「私は6歳よ!お金なんて稼げないわ」
「稼ぐためにここにいるんですよ?」
「あのね?フィリア。人間には一生に一度しか経験出来ないことがあるの。確かにお金を稼ぐことも大事よ?でも後で振り返った時、思い出がないとつまらないでしょう?」
「確かにそうですね。思い出は酒のつまみになるとも言います。なら、登録は辞めておきますか?」
「誰も辞めるとは言ってないじゃない」
「アルマ様」
「なによ?」
そう聞き返すと笑顔で「言葉遣いがなってませんよ」と言われた。顔は笑っているのに目が笑っていないのはなぜだろうか。
「あとどれくらいで終わるか聞いてきます」
そう言ってフィリアは席を離れてカウンターへ向かって行った。