王女、前世の記憶を思い出す
6年後。
第六王女アルマは前世のことを思い出していた。
「ここ……どこ?」
確か私は女神様にスローライフを送りたいと伝えたはずだ。
こんなに立派なところが山小屋とは到底思えない。
考え込んでいるとメイドが部屋に入ってきた。
「姫様!」
そう言ってから彼女は廊下に出て大きな声で「姫様が起きました!」と叫んだ。
私の部屋には次から次へと人が押し寄せてくる。
「目が覚めたんだな!」
まず最初に来たのは私の父と母。
父の服装を見て気になったので質問する。
「お父様、もしかして国王ですか?」
「あぁ、そうじゃ。忘れてしまったのか?」
「すみません。ちょっとうる覚えで」
「無理もありませんよ」
すると医者らしき人が私の前に現れる。
「あなたは1ヶ月程、眠っていたんです。記憶が曖昧なのも仕方ありません」
「1ヶ月も寝てたんですか?」
我ながら驚いてしまう。
「そうなのよ」
クロノアが心配そうに言う。
「でも、こんなに元気に話せるなら問題ないですね。今日1日様子を見て安静にしていれば明日からは元通りの生活に戻れますよ」
「そうか」
その言葉を聞いて安心した国王。
「良かったわね」
「ありがとう」
国王が医者に感謝を伝える。
「大丈夫です。これが私の仕事ですから」
医者は部屋を去っていった。
「とりあえず、今日はこの部屋で安静にしていなさい」
「分かりました」
私は1日、この部屋で休むことになった。
「スローライフはどこに行ったのよ」
アロマがスローライフを満喫出来る日は来るのだろうか。
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