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実技試験
私は今、試験官のナーシャと戦っている。
「あなた、強いわね」
「ナーシャさんこそ。少し見くびってました」
お互いを賞賛する私たち。
「でも、実戦でモンスターと戦えるレベルではないわね」
「そんなことないですよ。まだこれからです」
「私には限界そうに見えるけど?」
「こんな低レベルな戦いで限界なんてこないですよ」
「言ってくれるわね。なら、あなたの本気を見せてみなさい」
「ここからが本番です」
先に仕掛けたのはナーシャだった。
高速の移動術式《瞬足》で私の目の前に迫ってくる。
「早いですね───」
「今まで見切られたことは無いわ」
「今までは、ですよね?」
「あなたの瞬足は早いのかもしれないです。けど見失うほどではないですよ」
「まだまだよ」
「そろそろ自覚してください。上には上がいることを」
その後も私はナーシャの速さを見切り続けた。
「あなた、何者なの?普通の人間とは思えない」
「世の中、知らない方がいいこともあるんですよ」
そう伝えるとナーシャは「合格」とだけ口にして部屋を去っていった。




