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転生魔王の復讐革命  作者: 月輪林檎
魔王として聖女として

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56/60

犯罪組織壊滅

 魔素で感じ取れる相手を片っ端から気絶させていったキティルリアは、次の行動を考えていく。


(後はまとめて外に出すくらい……)


 キティルリアがそう考えた時、キティルリアは自分の魔素が斬られたのを感じた。その方向に向かってキティルリアは歩いて行く。その場所は、広い空間となっていた。

 その中央に白銀の剣を持った男が立っていた。


「その姿。お前がアコニツムに現れたという魔王か」

「その剣……聖剣か? 一市民が持つにしては大層なものだが?」

「これをそこらの聖剣と同じだと思うな。かつて、魔王を何度も死に追いやった死に追いやった聖剣だ」


 男が言っている事は、間違いではない。キティルリアから見ても、その聖剣はシャルロットを襲った短剣とは比べものにならないものだった。だが、キティルリアはもう一つ分かる事がある。


(あの聖剣とは比べものにならない。本当に聖剣の増産は不可能だったという事か。真っ向から戦えば、厄介だが、真っ向から戦わなければどうとでもなる。問題は使い手が、どの程度の腕前か)


 キティルリアは男の周囲に魔素を集中させた。男は魔素に気付くこと無く、周囲を囲まれていた。


(そこまでの腕前はないか)


 キティルリアがそう思ったのと同時に男が動く。真っ直ぐ突っ込んで来る男に対して、キティルリアはその場から動かない。

 男がキティルリアの魔素を無警戒で踏んだ瞬間、足元から魔素が男に絡みつく。その直後に男は聖剣で足元を斬る。


(なるほど。戦い慣れはしている感じか。なら、こうかな)


 男の背後に魔素を集中させて突き出す。男は魔素が身体に触れた瞬間に身体を捻って背後に聖剣を振るった。多少身体が削られるが、貫かれるよりはマシだ。こういう点は戦い慣れしているという事がよく分かる。


「はっ! 魔王つったて、このていっ……!?」


 キティルリアの魔素に対処出来ている事で昂揚していた男は、次の瞬間身体中から生じた鋭く熱い痛みと喉を駆け上がってくる鉄の臭いと味、失われた右側の視界に混乱する。


「魔素による攻撃がその一回だけで済むと思ったのか? それは油断を誘うための一手だ。戦い慣れてはいるようだが、それは魔物相手のようだな。魔素に長けた魔族、特に魔王を相手にするなら、周囲全てに警戒しろ。初代勇者と呼ばれたあいつなら、そもそも軽率に地面に広がった魔素へと踏み出さない」

「何……を……」

「それと閉鎖空間で魔族と戦うな。外よりも魔素を広げる範囲が狭くて済む分、魔素の密度は高くなる。分かるか? お前達は相手の事も理解せず、これまで勇者が聖剣を携えて勝っているというだけで、優位に立っていると勘違いする」


 キティルリアはそう言いながら、男の右手を魔素で絞り上げて骨を砕き聖剣を手放させる。そして、男の頭を掴んだ。


「さてと、この一連の記憶は消させてもらう。それとしばらく眠れ」

「く……そ……が……」


 その言葉を最後に男の身体が二、三度痙攣する。そして、力が完全に抜けた状態になったところで、キティルリアも魔素による拘束を解いて、男を地面に転がしつつ、傷を癒していく。

 ここで殺しをしてしまえば、キティルリアの印象も悪くなる。相手が悪人だからといって、簡単に殺して良いとはならない。


「相手が一人の分、こっちの方が戦いやすいな。さて……」


 キティルリアは、男から視線を外して聖剣を見る。


「確かに、大分古い聖剣だ。だからこそ、破壊しないと」


 キティルリアは足に魔素を集中させる。意識して聖女の力を発動出来た事はない。だが、聖剣を壊すには、聖女の力を発する必要がある。


(聖女の力……癒しの力……それを足に集中する。出ろ……出ろ……出ろ……)


 キティルリアが意識を集中させていると、段々と足に金色の光が纏わり付いてくる。これが聖女の力である事は一目瞭然だった。


「出来た……ふん!」


 キティルリアは、身体強化も施して勢いよく聖剣を踏みつける。短剣よりもかなり抵抗があるが、聖女の力により聖剣の力を削ぎ落とし、魔素でコーティングし強化した足により、聖剣が砕け散る。


(自然と出るよりも弱めの力だけど、何とか発動は出来た。何度か引き出していたから、段々と身体が慣れて来ていたって事か。ひとまず聖剣を破壊出来たから良しとしよう。他の構成員は……)


 キティルリアは、魔素を広げていき情報を獲得していく。


「ひとまずこれで全部か。こいつらを一箇所に集めておいて、警察に突入させるか」


 キティルリアは、マンホールから外に出て、マンホール周辺の草を一気に刈り取る。マンホールが完全に剥き出しになった事で、出入口が分かり易くなった。

 軽く狼煙を上げるかと考えたキティルリアだが、その前に遠くからサイレンが響いてきた。


「ラスティが情報を流したのか。いや、あの人が情報を提供した方があり得るか」


 キティルリアは空を飛んでその場を去る。ある程度の高さになってから姿を消す。こうすることで、こちらに向かってきている警察にもキティルリアの姿を見せる事が出来る。

 キティルリアがいると、色々とややこしい上に、警察がキティルリアに友好的とも限らないため、今はこれが最善策だった。

 ここからの諸々の調査は、ラスティに情報収集をして貰いつつ、警察に任せる形となる。捜査のスペシャリストであり、この街の治安維持のためにこうした経験は積んで貰わなければいけない。

 何でもかんでも魔王が解決して終わりではいけない。ここはまだ人間の街なのだから。

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