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転生魔王の復讐革命  作者: 月輪林檎
魔王として聖女として

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52/60

今後の方針

 ホテルに戻ったシャルロットはベッドに身を預けていた。


「ラスティ、そっちはどうだった?」

「怪我人は問題ありません。私の魔素もバレていません」

「それは良かった」

「襲撃犯の正体が教会の教徒であるというのは本当なのでしょうか?」

「警察の調べだから何とも言い難いけど、ここで嘘を付く必要はないから、本当なんじゃない。寧ろ、私は納得したけど」

「私もです」


 こればかりはラスティーナも同意見だった。

 無差別な襲撃であれば、怪我人やラスティーナも狙う。だが、シャルロットの行動を制限する目的以外で、他の人を狙わなかったという事はシャルロットを狙った襲撃である事は間違いない。

 そして、シャルロットが恨みを買うような事をしている訳がない。何故なら、シャルロットはアコニツムから外に出ていないからだ。

 それらを総合して考えれば、ラスティーナでも簡単に予想できる。


「シャルロット様は魔素と聖女の力を持つ。聖なる存在である聖女が、魔族の力を保有しているなどという事は到底受け入れられない。そんな教徒がいてもおかしくはありません。ただ、ここまで過激な行動に出るという事が驚きです」

「行動力?」

「それもありますが、魔法の威力が高いというのもあります。それだけの力を保有する者が襲撃に加わっていた。それだけの力を得ているという事は、それを鍛える事が出来る場所に身を置いていたと考えられます」

「学校は?」


 鍛える場と聞いて、シャルロットが真っ先に思い付いたのは学校だった。


「学校だけであのような力を手に入れる事が出来るのであれば、この世界の人間は、過去の魔族と同程度の力を得ます」

「まぁ、そこまでの力を持つ人間はそうそういないね。なるほど。ラスティが言いたい事が分かった。雇われ?」

「教徒である事には変わりないかと思います。雇われで動くにしてもきな臭い依頼になると思うので、ほとんどの人は見向きもしないでしょう。それこそ裏に落ちていなければ。あそこまでの魔法の使い手ならば、引く手あまたのはず。態々裏の世界に落ちる理由が分かりません」

「殺したいだけじゃない? 魔族の中にもよくいるでしょ?」

「一番厄介な存在ですね。確かにあり得ない話ではありません」

「となると、ラスティが一番言いたい事は、下手したらかなり組織だった行動かもしれないって事だよね?」

「はい」


 それなりの訓練を受けられる場所に所属していた。それはもしかしたら軍などかもしれない。そんな人材が複数人いるという事は、所属していた場所からごっそりと抜けてきたとも考えられる。

 そんな組織にいたとなれば、新しく組織を作るためのイロハなども知っている可能性が高い。シャルロットの聖女的な側面を利用して事故を引き起こしおびき寄せ、集団で攻撃して圧倒する。

 攻撃の際の躊躇いのなさや聖剣の受け渡しなど、しっかりと連携などが取れている側面も十分にあった。


「滞在期間を伸ばさせたのには、私をここに置いて、相手の組織を外に出さないため」

「ここで決着をつけようとしているのかと。正直なところ、さっさと出る方が、外で死体を処分出来るので楽なのですが、上手く立ち回れば」

「キティルリアが介入する事が出来る」

「はい」


 ラスティーナは、この状況を有効活用出来るのではないかと考えていた。それは、シャルロットではなくキティルリアの介入だ。人間達が聖女を殺そうとしている。そこに介入して、人間達の争いを止める。それがキティルリアの平和路線を更に強調する事に繋がるかもしれない。

 だが、これにはまだ懸念があった。


「でも、シャルロットが魔族と通じているって事にならない?」

「可能性はありますが、シャルロット様を守るという事は聖女を守るという事にもなります。私達魔族の恨みは、特に勇者と聖女に向けられます。魔王が守りにいくという事には意味があります。

 また、今回の目的は人間を殺そうとする組織への制裁です。放っておけば、他の聖女への被害も懸念されますので問題はないかと」


 シャルロットの懸念は確かだったが、それ以上にメリットもあり、そもそもシャルロットだけの被害で済む話とも限らないため、利用する価値は十分にある。


「折を見て行動しようか。ここには魔素で身体を作って寝かせておけば良いし」

「はい。そう簡単にスタッフも入って来ないでしょうから問題ないと思います。後は聖剣ですね。話は聞いていますが……」

「折ったよ」


 シャルロットがそう言うと、ラスティーナは瞠目してから目を閉じ、手を組む。聖剣の材料にされた者達への祈りだ。


「あの聖剣は出来損ないの聖剣でした。シャルロット様であれば問題ないとは思いましたが、まさか折る事まで出来るとは」

「やっぱり? 聖剣にしては、魔素への切れ味が悪すぎると思ったんだよね。新しめの聖剣かな?」

「はい。あの感覚はそうかと。回収出来なかったのは痛いですね」

「警察がそこにいたからね。こればかりは仕方ないよ。多分聖女の力があれば、魔素を断ちきる力を無効化出来る。そこから先なら魔素で強化した手刀で折れるよ」

「憎き聖剣を打破する方法がまさか作り手である聖女の力だったとは……聖女の力により作られたものが聖女の力により壊される。皮肉ですね」

「本当にね」


 シャルロットはため息をつきながらも、聖剣を打破する方法を手に入れている事に内心嬉しさも覚えていた。


「しばらくはホテル内で過ごしましょう。私は外で情報収集をしてきます。シャルロット様は、何があっても来客は全て断ってください。私以外中に入れないようにお願いします」

「了解」


 今後の予定は、基本的に待ちの姿勢となる。シャルロットが狙われている以上、表を歩くことは出来ない。ラスティーナが相手の情報を集めて、キティルリアが動ける条件と状況を作り出す事が必要だった。

 それまでは待つ事しか出来ない。

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