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転生魔王の復讐革命  作者: 月輪林檎
魔王として聖女として

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突然の襲撃

 迫る火の球に対して、シャルロットは即座に魔素で壁を作り出す。そうして自分への直撃を避けたが、周囲の車に直撃する。事故を起こしてガソリンが飛び出したものもあるが、中にはしっかりと残っている車もある。

 飛び散ったガソリンにも引火し、空気が一気に膨張。炎と衝撃が周囲に撒き散らされる。

 それを予見していたシャルロットは、怪我人達や周囲に止まっている車を魔素で保護し、被害を最小限に抑えた。


「ラスティ!」

「高速道路です!」


 シャルロットは反射的に顔を上に向ける。そこには黒い外套に身を包んだ何者かが複数人立っていた。


「何あれ? 変人?」

「犯罪者集団である事は間違いないでしょう」


 黒外套の一人が一気にシャルロットの懐に飛び込んできた。それに対して、シャルロットは一切驚きもせずに魔素で壁を張る。

 それにより視認性が悪くなるが、黒外套が懐から短剣を取り出すのは確認出来た。


「駄目です!」


 別角度から見ていたラスティーナがそう叫ぶ。その言葉を受けて、シャルロットは即座に黒外套から離れるように飛び退いた。同時にシャルロットは信じがたいものを目撃する。それは、自分の魔素が僅かながら斬られた光景だった。


「聖剣……」

「ちっ……」


 攻撃が通じていない事もあり、黒外套は後ろに下がっていく。


「逃がすか……!!」


 シャルロットは魔素で黒外套を捕獲しようとしたが、その前にシャルロットにいくつもの魔法が飛んでくる。シャルロットは即座に魔素で身体を覆う。視界を遮られ、どんどんと魔法が着弾するため、シャルロットは魔素による防御を解く事が出来ない。加えて、他にも怪我人達を守るために魔素を張っているというのもある。


(ラスティもさりげなく魔素で防御を固めてくれてるとはいえ、相手は聖剣持ち……油断は出来ない)


 魔素の感覚から、背後に人が回ってきた事に気付いたシャルロットは、背後に向かって風の刃を飛ばす。しかし、風の刃は誰にも当たらなかった。


「何……ラスティ! 怪我人を運んで!」

「はっ!」


 ラスティーナは、周囲の人達と協力して最低限の治療をした怪我人達を背負い運び出していく。シャルロットが自由に戦うのであれば、この場に怪我人がいる状態は良くないと考えたため、すぐにシャルロットに従った。

 シャルロットは魔素を薄く広げていく。そうして周囲にいる人達を完治しながら自分の壁にしている魔素も解いていく。

 黒外套達はラスティーナ達を追う事はなく、シャルロットを囲んでいた。つまり黒外套達の狙いは最初からシャルロットだったという事だ。


「構ってあげたいのは山々だけど、怪我人の治療をしたいんだよね。さっさと失せてくれる?」


 問答をする事もなく、黒外套達はシャルロットを襲ってくる。シャルロットは魔素を防御ではなく攻撃に利用する。魔素を砲丸のようにして、黒外套達の腹部に叩き込む。

 不可視の砲丸が縦横無尽に飛び交うため、一気に形勢が逆転していた。聖剣を持つ一人は何とか対抗しようとして、シャルロットに向かって突っ込んで来る。その黒外套をシャルロットは魔素で縛り付ける。

 そして、聖剣を回収しようとしたところで、黒外套達が突然周囲の建物に魔法を放っていった。普通の人間に対して使うにしても過剰な威力の魔法を建物に当てれば、どうなるかは明白である。


「ちょっ! 馬鹿じゃないの!」


 シャルロットは一気に魔素を広げて、建物内を感知しつつ、怪我人の救助と軽い治療や倒壊しそうな箇所の補強をしていく。治療も挟む事もあり、シャルロットから金色の光が発せられていく。それだけの重傷者がいるため、治療への意識もしっかりと割かなければいけなかった。

 それらに意識を向けるため、黒外套達への攻撃が緩む。

 それを好機と見た黒外套の一人が、聖剣持ちから聖剣を取り、シャルロットに突っ込んでいく。


「死ねぇええええええ!!」


 救助や治療などに集中したいシャルロットは苛立ちを隠さずに手を手刀の形にして聖女の力を持った魔素で包み込み、身体能力を強化して聖剣の腹に叩き付ける。


「うるさい!!」


 シャルロットの手刀により、聖剣がへし折れる。聖剣の刀身が宙に舞い、黒外套は目を点にした直後、顔面蒼白になっていく。決して折れるはずもなく、魔素をも断つ聖剣。それが折れた。

 あり得ない光景に信じたくないという気持ちが頭を占めている。その思考のせいで、目の前まで来ているシャルロットの拳に気が付くのが遅れる。殴られた直後、今度は魔力による衝撃波が襲い掛かり黒外套は吹っ飛んでいった。


「せ、聖剣が……」

「魔素を断つはずだろ……何で魔素に負けるんだ……」


 戦意喪失した黒外套達が項垂れていくのを見て、シャルロットは全員に死なない程度の雷魔法を放って気絶させていった。このあたりの手加減は、魔王時代に身に着けているものだ。長らく使っていないので、調整をミスする可能性があったが、今回は成功していた。

 そこにようやく警察と消防が到着する。


「こ、これは……」

「この人達が襲撃してきた。さっさと連れて行って! 建物は魔素で支えてあるから、中に入って救助してきて! 火消しももう終わってる!」

「はぁ? あ、いや、分かった。感謝する」


 警察が黒外套達を拘束して連れて行き、消防隊が救助のために建物に入っていく。そうして、救助が完了した後に、シャルロットは魔素による支えを外して少しずつ崩落させていく。

 後はフリージアの人達が直すため関わらない。


「ひとまず終わりか……重傷者を並べて! 病院までは確実に持つように治療する!」

「こっちだ!」


 シャルロットの宣言を聞いた救急隊の一人が手を上げる。怪我人の数が多く救急車の数が足りなくなり、その場での治療をしていた人員だった。

 シャルロットは重傷者達の元に向かい、数と状態を確認する。


「八人で全員?」

「ああ、他は既に危険域が出ていた。君がやってくれたんだろう?」

「ちゃんと治療出来たようで良かった。ひとまず命を繋ぐ」

「頼む」


 シャルロットは即座に治療に入る。アコニツムでの経験が活き、素早く重傷者の治療を完了させていく事が出来た。その際、常に聖女の力が漏れ出ていたので、フリージアでもシャルロットは聖女としての実績を積む事になった。

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