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転生魔王の復讐革命  作者: 月輪林檎
魔王として聖女として

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フリージアの観光中

 集落全体への挨拶と集落の補強なども済ませたキティルリアは、ラスティーナを連れて、フリージアに戻った。森でしっかりとシャルロットに戻っている。

 そうしてホテルまで戻ったシャルロットは、椅子に深々と座って息を吐く。


「ふぅ……取り敢えず、説得成功」

「はい。多少揉めると思いましたが、想像以上に揉めましたね。あそこの集落は、昔に人間の悪行を聞かされた影響なのか人間嫌いが強いのですが、さすがに未来の話をされたら折れました。そこはしっかりと集落の長である自覚を持っていたようです」

「まぁ、そこは助かったね。ラスティーナも説得ありがとう。初対面の私よりもラスティーナの言葉の方が響きやすい感じかな。それにしても、直接会った事がある訳でも、直接危害を加えられた訳でもないのに、人間嫌いが定着するっていうのは問題だね。

 私の次に魔王になった魔族達が親にいるとかだったら話は別になる気がするけど。実際どうなの?」

「そういう集落はありますが、魔王自体が基本的に聖剣によって葬られているので、子孫が残っていないという事もあります。私達が向かう集落は基本的にそこに当てはまりません」

「いや、せっかくこうして色々な機会を貰えているわけだから、そこの集落にも行こう。フリージアの近くにはないの?」

「はい。ありません」

「なら、取り敢えず良いか」


 こうしてマザー・ユキムラより、アコニツムから遠く離れる許可を得た事もあり、シャルロットは自分に対して好印象を持たないであろう集落にも積極的に訪れる事にした。

 先の集落で説得が成功したという事もあるが、今後様々な魔族に出会っておく事が、重要となる。勝手な行動をされないようにするという牽制も込めて、しっかりと挨拶をしておこうと考えたのだ。


「それでは、ひとまず後二日程フリージアに滞在し、次の街に向かうという方針で宜しいでしょうか?」

「そうだね。経験を積むって名目だし、そこまで長居しなくても、目を肥やすためって考えて色々回るって言えば、ある程度の説得力はあるしね」

「はい」


 シャルロットがすぐに街を移動していては、経験を積み、目を肥やすという目的を果たしたとは言い難い。この点から突かれる事を避けるために、念のため後二日外出して過ごす事になった。

 翌日は、近くの喫茶店や本屋などを回ってアコニツムとは違う点などを確認して回った。それと同時に魔王に関する情報がどこまで広まっているのかなどを周囲の人達の会話から探っていくという形なので、そこまでの情報は集まらない。だが、隣街で魔王が出たという事もあり、そこそこ話題にはなっていた。

 その話題もそこまで悪いものはない。


 魔王が現れたが、アコニツム内での暴動などを止めた。

 これまでの武力のみの魔王とは違う。

 平和を訴えていたが、それが油断させるものかもしれない。

 実際に人助けをする魔王だから、本当に平和を訴えている。


 このような内容が大半を占めていた。シャルロット達の狙い通りではある。まだ懐疑的な意見もあるが、実際にそういった意見がない方が怖いとも言える。

 そうして翌日。フリージアの細かいところを見て回ろうという事で散歩をしていた。


「さてと、明日は別の街に行くけど、レンタカーだっけ? あれはもう申請したの?」

「既にしてありますが、予約をしてあるだけです。予定を延ばす事は可能ですので、急な病気……まぁ、あり得ませんが、そういったものにも対応出来ます」

「私達は、魔法で簡単に治せるからね」


 他人の身体を治すとなれば、難易度は跳ね上がる。しかし、自分の身体を治すのなれば、その難易度はかなり下がる。ただし、これはシャルロットやラスティーナのような魔法に長ける者の意見であり、普通の人は自分の治療すらも難しい。


「人間はもう少し魔法に傾倒しても良いと思うんだけど」

「科学が発展しているおかげで、薬などの治療方法が確立しています。調合の方が万能性などと同時に難易度が下がりますから」

「万能性がいいのにね」

「同感です」


 人間達が魔法を極めない事に不満を持つシャルロットとラスティーナの耳に大きな音が響き渡ってきた。その音は物と物が激しくぶつかり、ゴムが強く擦れるような音だった。

 それはシャルロット達の傍で起きた事故だった。次々に玉突き事故が起き、シャルロット達の方にも車がスピンしてくる。

 シャルロットとラスティーナは即座に魔素を出して車の動きを止める。


「ラスティ、自力で人を運び出して」

「かしこまりました」


 魔素は人には見えない。だが、魔素を持つ人間と知られているシャルロットならまだしも、ラスティーナが魔素を使っているように見えるような事は避けなければいけない。

 それをラスティーナも承知しているため、シャルロットが引き千切った扉から内部の人を自分の手で救っていく。


(魔素が見えてくれればマシなんだけど……取り敢えず、交差点から車を移動させて、内部の人を救出する)


 方針を即座に決めたシャルロットは、魔素を使って車を移動させる。交通事故が起きた交差点の中央から車を取り除いていく。この間も新しい車は来るが、さすがに事故が起きているのが見て分かる場所に突っ込んで来る馬鹿はいない。停止線よりも前で止まり、状況を確認していた。

 車を移動させた後は、シャルロットも内部の人の救出に加わる。他にも通行人などが救出に加わっていたため、怪我人を一箇所に集めるのはスムーズに進んだ。


「救急車は?」

「まだ少し掛かるかと。重傷患者の治療はしてありますので、命を失う者はいないかと思われます」

「そう。それはよか……」


 シャルロットが安堵した瞬間、大きな魔力の昂ぶりが起きた。シャルロットがそちらを向くと、大きな火の球が車に迫っている瞬間だった。

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