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転生魔王の復讐革命  作者: 月輪林檎
魔王として聖女として

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47/60

別の街へ

 翌週。シャルロットは、ラスティーナを連れてアコニツムを出ていた。その理由は魔族の集落に向かうためという事もあるが、表向きは他の街を見て慣れる事にあった。そういう名目で、マザー・ユキムラも許可を出している。学園都市セントレアに行った時に困らないようにという意味合いがある。

 シャルロットは、ラスティーナが運転する車に乗り込んで移動する事になる。外には魔物がいるが、車で速度を出して入ればある程度は振り切れる。そして、そもそも近づいてきたところでシャルロットの魔素補給に使われるだけなので問題がない。

 車に乗ったシャルロットは窓から顔を出して、見送りに来たリーシェルに挨拶していた。マザー・ユキムラは、仕事があるため見送りには来られない。


「それじゃあ、行ってくるね」

「気を付けてよ? 他の街はアコニツムと同じとは限らないし、まだ教会の問題はあるかもしれないから」

「うん」


 やはり魔王だと分かっても、リーシェルにとってシャルロットは妹である事に変わりない。こうして送り出すのも少し心配が残る。だが、ここで送り出さない訳にはいかない。それはシャルロットの夢に関わる事だからだ。

 シャルロットの夢を阻害する事をリーシェルは良しとしない。だから、ここはラスティーナに全てを任せる事になる。


「ラスティーナさんもよろしくお願いします」

「はい。お任せ下さい」


 シャルロットは、顔を引っ込めて窓を閉めていく。そして、ラスティーナがアクセルを踏み、車が進み出す。シャルロットとリーシェルは、互いに手を振り合った。

 そうしてリーシェルが見えなくなると、シートに身体を預ける。


「ラスティが車を運転できるとは思わなかったな。練習したの?」

「一応、人間の街に溶け込むために免許を取ってあります。色々と疑われないように、街の外まで出られる免許を取っていますので、呼び止められても問題はありません」


 ラスティーナが人間の街に溶け込むためのものが免許証だ。ただし、ラスティーナは長く生きている。そのため、何度か免許証を他の街で作り直すという事をしていた。名前もある程度変えているが、今は本名のラスティーナで登録している。

 免許証があれば、こうして車を運転する事もでき、身分証明にもなる。そのためにラスティーナは免許をしっかりと取っていた。久しぶりの運転となるが、危なげなどは一切ない。


「そっか。そこら辺の抜かりはないって事ね。まさか、こんな形でアコニツムを出て他の街に行くとは思わなかったなぁ」

「マザー・ユキムラからの提案ですから、こちらも驚きました。ですが、このおかげで、魔族の集落にいける範囲が広がります。それもシャルロット様がアコニツムからいなくなっているという事が不審がられないという状態でです。これはシャルロット様にとっても、嬉しいことかと」

「まぁ、そうだね」


 街の出口に向かい、マザー・ユキムラから預かっている許可証を出して門を開けて貰い、アコニツムの外に出た。


「ここから次の街であるフリージアに着くまで数時間掛かりますので、お休みになって頂いても構いません」

「ん? まぁ、眠くなったらね。今は勉強しないと」

「酔わないようにだけお気を付け下さい」

「は~い」


 シャルロットは、セントレアの学校に合格するために試験勉強をしながら道中を楽しんだ。周囲に薄く魔素を広げた状態にしているので、近づいてくる魔物は即座に潰されていた。

 途中でトイレを挟んだりしながら、五時間ほどで隣街のフリージアに到着する。車を店に帰して、ホテルの部屋を取る。この辺りは、ラスティーナが進めていくので、シャルロットは一緒について行くだけだった。


「二週間部屋を取りましたので、この街の観光及び近くの魔族の集落に向かうには十分かと」

「うん。それじゃあ、今日はゆっくりしようかな。ラスティは?」

「少し連絡をしておこうかと。それと情報を集めて参ります。特に教会関係の情報を調べておこうかと。こちらの動きを阻害されると厄介ですので」

「ああ、そうだね。お願い」


 イグナイア枢機卿が動いてくれているという事はあるが、まだ教会がどこまで掌握出来ているかは分からない。この街にシャルロットを妨害するような何かが残っている可能性がある。

 シャルロット自身が動くよりも、ラスティーナが動く方が適任である。


「それじゃあ、私は勉強しておこうかな」

「勝手に外に出る事のないようにお願いします。魔素で探せますが、危険がある事には変わりありませんので」

「は~い」


 ラスティーナが情報収集をしている間に、シャルロットはしっかりと試験勉強をしていく。

 四時間程集中して勉強をしていると、ラスティーナが帰ってくる。


「おかえり。どうだった?」

「ひとまず教会関係の問題はなさそうです。教会の信用も落ちていますね。大分大胆に腐敗部分を切り落としているようです」


 ラスティーナの報告に、シャルロットは一つの心配が生まれた。


「うちは大丈夫?」


 シャルロットがしている心配は、マザー・ユキムラとリーシェル達は大丈夫なのかという事だった。


「はい。信用が落ちる原因が、やはり腐敗部分であるため、しっかりと教会としての仕事を行って信用を稼いでいるマザー・ユキムラとリーシェルさんは問題ないと思われます」


 この信用の低下は、やはり腐敗していたという現実が大きくなる。そうなると、一切腐敗部分のないアコニツムの教会は、何の心配も要らなかった。だが、教会自体への信用が低下しているのは事実であるため、若干不安要素は残る。アコニツム外の人からどう思われるかが問題となる。


「そっか。それじゃあ、今日は寝よう。明日は観光して、明後日に集落に行こうか」

「はい」


 ラスティーナの報告を受けて、予定を決めたシャルロットは、予定通りに行動するために動き出した。

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