表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生魔王の復讐革命  作者: 月輪林檎
魔王として聖女として

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

40/44

今後の調査

 シャルロットは、ラスティーナが見た窓の外を見る。そこからギリギリ見える場所に教会の人間がいるのが分かる。


「顔は見た?」

「通り道にいたので。こちらが魔族である事には気付いていないようでした。それと私がシャルロット様の親戚であるという情報もないようです。そう言った質問もされませんでした」


 ラスティーナは通り道に教会を見ている男を見て、即座に教会の人間だと察していた。服装がそもそも教会のものだからだ。

 そして、その目的もある程度察している。ここに来て、教会に執着する理由は一つしかないからだった。


「そっか。ちょっと面倒くさいんだよね。あの手この手で教会に引っ張り込もうとするから。私を入れる事で何かしらの利益を得るみたいでさ。結局教会に入る利益だけを求めてるみたい」

「殺しますか……?」


 ラスティーナは据わった目で外を睨む。確実にシャルロットに迷惑を掛けており、いずれ害を為す可能性すらあると判断したため、犯罪を起こされる前に仕留めるのが一番なのではと考えた。

 更に言えば、教会の人間は聖剣を作り出した者達とほとんど同じと考えているために有能な人物以外は処分して良いとも考えている。シャルロットを保護し、ここまで育てている事もあり、マザー・ユキムラとリーシェルへの評価は高い。


「駄目。物騒な事を考えないの。確かに、今は煩わされてるけど、どうせ時間が経てば諦めるでしょ。この力を持ってるのは、私一人とは限らないし」

「確かにその通りではありますが、聖女の力を有する人は基本的に教会に入っています」

「理由は?」

「様々です。親が売る。教会から利益を得る。騙される。感銘を受ける。教会の理念に共感する。こういったところでしょうか。教会本部の上層部に引き抜かれる時は、大体教会の理念に共感する形が多く、教会にいるよりも外に出て民を慮る聖女となります。外で見る聖女は、大体この形です」


 長年人間達に紛れて、情報を集めていたラスティーナは聖女を目撃する事もある。目撃する聖女は基本的に外で奉仕の活動をしている姿だった。人間に慕われるのも納得できる姿だが、情報を集める内にその他にも聖女がいる事を知った。

 シャルロットは、その情報の中で一つ気になるものがあった。


「教会に引き籠もる聖女もいるの?」

「はい。教会に引き籠もり、より有り難みを分からせ、寄付金を多く納めた者が聖女の力による癒しなどを得られるようです」


 この条件にシャルロットは嫌な表情をする。シャルロットとしては、対価を支払うという行為自体は納得出来る。しかし、多額の寄付金を寄越せと要求しているのは、何かが違うと感じていた。


「うへぇ……その一員にされるのは嫌だなぁ……」

「あくまで、私が調査した際の結果ですが」


 ラスティーナが調査した際の結果を話していたが、その調査も大分昔の話になる。そのため現在も同じなのかという問題は残っていた。


「まぁ、そこまで変わらないでしょ。あの人達の言動から考えてもね。教会の人間が、全員マザーみたいな人なら良いのに」

「同感です。聖女としては働かないにしても、聖女の力は有効に使いたいですね。ですが、一つだけ注意しなければいけない事もあります」

「ん?」

「キティルリア様の状態で聖女の力を使ってはいけないという事です。人間が有する力を魔王様が使うというのは、シャルロット様に近づく大きな手掛かりになります」

「ああ、魔素と聖女の力。その二つを持つのは、私一人だけだもんね」


 今回の騒動で、シャルロットに関する情報はどんどんと広がっていく。聖女の力を持つという事はそういう事だ。どれだけアコニツムの街の人間がシャルロットに気を配る事が出来ても、アコニツムにいる人は街の住人だけではないため、完全に堰き止める事は出来ない。

 そして、その中には、シャルロットが魔素を操るという事も含まれると予想される。元々シャルロットはそういう面で多少名が知られてもいたからだ。


「そもそもそこそこ魔素の方の情報は出回ってると思うけど、教会の人達はそれで良いのかね? 魔素を使って追い出した時、かなり怯えてたし、そんな簡単に受け入れない可能性もあると思うんだけど」

「魔素を持つ人間というのが大きいかと」

「ああ、結局魔族じゃないっていうのがね。魔族に呪われた悲しき少女とかで属性を付けて、売り出すつもりなのかね?」

「その可能性は大分高いかと」


 断片的に聖女の力を持ち、魔素を操るという情報を得た隣街の教会が、本部に認められるために勧誘しに来たというのは簡単に考えられる。

 だが、そう簡単に引き渡すとは限らない。本部の出入りがあるという事を利用して、そこで預かりシャルロットの境遇や魔素を持つ理由などに脚色を加えて、悲劇のヒロインとして売り出し、ある程度の利益を貪ってから引き渡そうと考えているとも考えられた。

 欲深な人間が所属して、そんな事を考えているとすれば、教会にとっても大きなイメージダウンとなる。


「念のため教会の方を探りますか?」

「お願い。あまり深入りはしないように」

「かしこまりました」


 深入りしてラスティーナを失う事は避けたいため、そこは念を押していた。


「教会の実態を探って、聖女の在り方に関しても変えていけたら、魔族との共存に繋がるよね」

「そうなる可能性はあります」

「教会の外の聖女として活動してみようかな」

「顰蹙を買う事になってしまうかもしれませんが、今後の調査次第では有りかと」

「ラスティの調査が終わるまではのらりくらりと躱して、いつも通り診療所とかの手伝いをしてるかな。魔素の補給はラスティがいないと許可が出ないだろうし」

「はい。なるべく早く終わらせます。定期報告はメールにて」

「あっ、こういう時に使えるのか」


 シャルロットは、改めて便利な時代になったものだと携帯電話を持って感心していた。

 ここからは、ラスティーナの調査が終わるまで日常を送りながら勉強をしていく事となる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ