雨降りの喫茶店 来ない人を待つ
待っている 待っている‥あの人は来ないけど
待ち合わせだ場所だった喫茶店 いつも通りのコーヒーにケーキを注文する
外の風景 窓辺の風景は雨が降って 道行く人が色とりどりの傘を差して 雨に濡れる花のようにも見えた
あの人は来ない‥ 昔は遅刻の常習犯の彼がお詫びにおごってくれるの常だったのだけど
だけど‥雨降りのある日 子供を庇ってトラックが彼を‥
だから‥もうあの人は来れない
雨降りのこの喫茶店 思い出
記憶の中では いつも楽しそうに笑う彼の姿が目に浮かぶ
思い出ばかり あの人の姿は記憶のまま 年を取ることもなく やがて薄れてゆくのかな そんなことさえ考える
ああ、まだ雨はやみそうにない