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1-20.今後

食事後、冒険者の3人と色々話していたが、いい時間になってきたということで、3人はお風呂へ向かった。入れ替わりでリンカとレティが食卓についている。村長は眠いからと自宅に帰って行った。


「―と言うわけで、私は教会の命令でアストフ村近辺の異常の調査と、聖霊石の強化のためにやってきたのです。」


レティが改めて自己紹介してくれた後、アストフ村にやってきた理由について説明してくれた。特殊な魔物の発生など何かしらの異常事態が発生した際には冒険者に依頼をすることが多いが、どうしても報酬が前提にあるため適切なランクの冒険者を呼べないことがある。そういった場合には教会から聖女やそれに類する立場の人間が派遣されるようで、今回はそのケースだそうだ。


なお今村にいる冒険者3人はあくまでも商人のジョンの護衛依頼を受けてやって来ているだけで、意図的に村の異変調査の依頼は受けていないらしい。アストフ村への恩義に報いるためということで、ただ働きするつもりだそうだ。ちなみに領地お抱えの騎士団が事態解決に動いてくれることもあるそうだが、残念ながらなかなか辺鄙な村まで来てくれることは少ない。


「先ほどルカさんからお話を伺った限りでは森は落ち着いてきているようですが、数日様子を見なければなりません。一先ずの所明日は冒険者の皆様と森に入ろうと思っています。」


薄々感じていたが、この世界における聖女は自分の足で調査に乗り出すアクティブなタイプの聖女のようだ。


「ヒロさんは明日、どうするんですか?」


リンカに尋ねられハッとする。今までとかけ離れた1日による疲労のせいか、聞いている話の現実感が薄いからかすっかり思考が停止していた。


「明日は……、ゆっくりさせてもらいたいと思います。」


「そうですよね!ゆっくりお休みになってください。もし食べたいものとかあれば遠慮なく言ってくださいね!親友の命の恩人ですから!」


エド達と話して少し落ち着いたがまだ今日の出来事が脳にこびりついている。色々とあったがボーっとしてしまう一番の要因はやはりこれだ。気持ちの整理をする時間が多分もう少し必要なんだと思う。


「ところでヒロさんは今後については決まっておいでですか?教会の仕事の一つとして勇者のサポートがございまして。」


「まだ本当にそうするか分かりませんが、王都?を目指そうと思っていました。勇者マニュアルとやらで王都にある大教会に行けば力を貸してくれると言われたので。」


「なるほど、であれば私がご案内できるかもしれません。先ずはカセント町まではご一緒することになるでしょう。その後は教会の仲間に引き継ぐことになるかもしれませんが。」


昨日まではそのつもりだったが、正直今日の出来事を踏まえて若干揺らいでいる。何故なら―


「あのさ、レティ。ヒロさんって絶対に大教会に行かないといけないのかな?ずっとアストフ村に居てもらうことは……。」


そう、選択肢としてここに留まるという案もある。勿論危険を冒してでも助けてくれる人というラベルが貼られてしまいそうなのはいただけないが、村長であれば上手いことやってくれそうな気がする。それにこの村は駆け出しの冒険者が訪れるような村ということなので、比較的危険が少ないのではないかと考えられる。であれば、永住するかは兎も角、暫くここで暮らすのも悪くないのではと思っていた。


「本人の意思を尊重する方針なので、もしヒロさんが望むのであればここで生活を続けていただいても構いません。ただ私個人としては勇者であるあなたがこの村で平凡な生活を送るのには少し嫌悪感を覚えますが。」


「……レティ?」


「別に教会の所属になって欲しいわけではありませんが、騎士でも冒険者でも少しでも勇者として貢献して欲しいという思いがあります。」


「でも勇者が特別強い訳ではないって……。」


先ほどまでの長風呂である程度打ち解けていたのか、空気が変わったレティに臆さずリンカが質問を投げる。


「ええ、リンカが言う通り勇者だから特別剣が上手いとか特別な魔法が使えるとかは無いと言われているわ。でも一つだけ決定的に違う所があるでしょう?」


「……死なない……。」


そう、勇者マニュアルを書いた人は普通の人と変わらないということを必死に伝えようとしてくれていたように感じたが、冷静に考えるまでもなく絶対的に違う。違うのはそれだけだと言っても大きく違う。


「例えば冒険者。丁度最近活躍している冒険者パーティの中に勇者だけのパーティがあったりするわ。実力は他の冒険者達と特別違う訳ではないけれど、稼ぎは大分良いそうよ。死なないのをアドバンテージに未開のダンジョンとかに積極的に挑戦できるからね。」


確かに死なないのは命を元手に稼ぐ冒険者においてズル同然だろう。実際に「死」を受け入れられるかは人によるかもしれないが、リスクなしで冒険者活動ができるようなものだ。極端な例を上げれば回復アイテムも持たず最低限の武器で突撃するようなゾンビアタック的な戦法も有りかもしれない。


「いずれにしろ私は数日アストフ村に居ますので、どうするかじっくり考えてください。リトピス教会はあなたの選択を尊重します。」


重くなってしまった空気に耐えかね、一つ返事をした後、寝室に向かうのだった。


中々話を進めるための話は書くのが大変ですね。

書きたいシーンを結ぶための間の部分で、

ちゃんとしないと話が飛んじゃうから頑張らないといけないけど、書いててそこまで楽しくないと。

これは読んでても面白くないのでは?と思ったり。


ま、色々言いながらも今週も更新できた自分、偉い笑

書きたいシーンを書けるように来週の自分も頑張れ~


さて、ほんとはもっと淡々と今後の流れを整理する回にしようと思っていたのですが、

書いてて詰まらな過ぎて、つい次章で書くはずの「勇者が冒険者になったら」がちょい出ちゃいました。

他にも色々と「リスポーンする勇者だったら」というものがあると思います。

が、ここで書くと後で本編で書く内容がなくなるので終わりにしまーす。

また来週!


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