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1-14.小休止

ちょいと期間が開いてしまったが投稿です!

年内に1章終わらせたいと思っていたが無理ですね、ごめんなさい。

もうちょいペースを上げたい…。

◆◆


「お風呂、ありがとうございました。気持ち良かったです。」


「そいつは良かった。あんたにやった装備もボロボロだったから、もしや傷だらけだったかと思ったが大丈夫だったかい?」


「ええ。それこそまさにポーションのお陰で怪我は大体治っていると思います。」


村長が優し気な表情で尋ねてくれた。


「ところでだ。あんたに貸した剣はどこだい?」


眼光が鋭くなった村長に、思わず背筋が伸びる。剣は洞窟でゴブリンと戦っていた際に折られてしまっていた。


「皮の装備はともかく、剣はいい値段だからねぇ。さて、どこにあるんだい?」


お風呂に引き返したくなるような寒気を感じるが正直に打ち明ける他ない。…と悲観的に考えていたが、よく見れば村長の口元には薄っすら笑みが浮かんでいる。さては弄られているだけかもしれない。だとしても壊されてしまったのは事実なので正直に話すことにする。


「実は洞窟でゴブリンと戦いまして…。その時に壊されてしまいました。すみません。」


「ほぅ、ゴブリンか。武器が壊れちまったのは分かったが、倒せたのかい?」


洞窟で拝借した剣を思い浮かべる。あの時は必至でそれどころではなかったが、まるで墓標のように立っていたのを思い出し、それこそ不味かったのではと考えるも過ぎた話だ。


「洞窟の中に剣が刺さっていて。それをお借りして何とか倒せました。」


「ふん、結構やるじゃないか。ところで洞窟って言うとごつごつした岩山の所のかい?」


「えっ…!?はい。」


洞窟の場所を確認してきたということは、やはりあの剣は何かしら意味があってあそこにあり、村長は知っていたのかもしれない。


「村長~!さっきの剣手入れし終わったぞ~!」


宿の入口からエドの声が響く。剣を抜身のまま宿に持ち込んでいいのか分からず、取り敢えず玄関に置いておいたことを今更思い出す。


歩き出した村長の後を追えば、一仕事を終えいい汗をかいたエドが剣を片手に待っていた。


「すっご…。」


先ほど自分が振るった錆びついていた剣と同じものとは信じられないほど綺麗に磨かれた刃が目の前にはあった。思わず感嘆の声を漏らす。


「冒険者なら武器の手入れは必須スキルだからな。朝飯前さ!」


「で、実際の所は?」


村長が意地悪な目で尋ねれば降参とばかりにエドが苦笑いする。


「あんな錆びた剣が砥石だけでこんなになるなんて初めてで、やってるこっちが怖くなったくらいだよ…。あれは鍛冶師でも匙投げるレベルじゃねーか?」


「まぁその剣は錆びにくくする魔法的な処理がされていたはずだからそういうもんさ。正直十数年間洞窟に放置されていたものだからどうなるかあたしも半信半疑だったがね。」


「あぁ~、そういう剣があるってのは聞いたことあるな~。けどなんでそんな大層なものがここに?」


「その剣はカシィが冒険者時代に使っていた最後の剣さ。Aランク一歩手前の冒険者だったからそりゃあ業物さ。」


「うゎっ、カシィさんの剣だったのか!?いいなぁ~」


子供が親におもちゃを欲しいと直接口にしないまま買ってもらおうとするような雰囲気で村長にアピールしている。やっているのは大人の男だが。


「ヒロ、念のため後でリンカにも聞いてみるがこの剣はあんたにあげるよ。今回の剣のお礼さ。丁度いいものが出てきて良かったよ。」


横から駄々をこねだしそうな気配を感じつつ、スルーを決め込んだ村長に倣って黙殺する。


「良いんですか?そのぉ、大変貴重なものみたいですし…。」


「まぁ気付いていると思うが昔墓代わりに埋めといたもんだ。でも、あくまでもこれは剣さ。使える奴がいるんだったらその方がいいだろう。それに娘の親友を救ってくれた勇者様への貢ぎ物と言えばあの男は喜んで渡してくれるだろうさ。」


冗談めかして村長は笑いかけてくれる。


「おいエド。丁度今日あんたが泊ってる部屋の壁に鞘がかかってるだろ?あれがこの剣のやつだから、ついでに見といてくれ。」


「へ~い」


「あんたがもっと早く来てくれていればな、来たばかりのやつにゴブリンと戦わせるなんてことは無かったんだがなー。」


「はい、了解しました!」


やはり村長は子供(大人)の扱いがよく分かっているようだ。

早速走っていったエドを見て村長は笑みを浮かべる。

婿息子の教え子という関係性なので、もしかしたら孫を揶揄うような感覚だったのかもしれない。


丁度その時だった。慌ただしい足音がすると思えばリンカがやってきた。


「はぁ、はぁ…。っおばあちゃん、ヒロさん、ポーションが完成して今先生がジルの所に向かっているところです。できれば一緒に…。」


ここまで全力で駆けてきたのだろうリンカが息も絶え絶えに状況を説明してくれる。


「よし、分かった。行くぞ、ヒロ。」


無言で頷く。


「では私はシン君とエドの子守でもして待っているよ。彼女のことをよろしく頼むね。」


騒ぎを聞きつけたのかシンを寝かしつけていたジョンが部屋から出てくる。


「あっ、そっか、シン君は…?」


「なに、明日になって元気になった姉と会えればどうでもいいだろう。今はぐっすり眠っているらしいからそのまま寝かしといてやろう。」


村長の言葉にリンカと頷けば3人でジルの家へ向かって行った。

話の流れとしては間違いなく必要な1話だったと思うけれど、何か物足りなさを感じてます。

多分今までの話の整合性を取るための1話で、自分の中で新しいことがほぼ無くテーマみたいなのが見えないまま書いてしまったからですかね?


ゲームや漫画とかでも日常パートよりもストーリが進行するところの方が基本好きなので、やっぱりそうかも?

書きたいことは色々と先まであるはずなのに、作中時間が進まない~な感じでした。


次話もそこそこで投稿したいので、お楽しみに!

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