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勇者の再解釈  作者: 氷上 栄紀
序章
1/16

プロローグ ~最後の勇者~

例えば、伝説の剣は抜けないまま魔王を倒したことで勇者と呼ばれたエルフと旅をした者。

あるいは預言者の気の迷いで勇者となり魔王を倒した者。


古今東西、様々な勇者がいますが、勇者とはいったい何なのでしょうか?

何をもってその人は勇者であるとされるのでしょうか?

この作品を通して、皆さんにある勇者像に少しでも衝撃を与えられたらと思います。

「どうしてとどめをささない⁉」


天井が吹き飛び月明かりに照らされる玉座の間にて、最後の一人となった男が問うてくる。

玉座に腰掛けた私も満身創痍だが、間違いなく勝ったのは私だ。

実力差はなかった。天はどちらの味方もしなかった。

ではほんの少しの意志の差がこの結果に繋がったのだろうか。


「お前は何のために剣を取った。」


いつも最後にはこれを問うと決めている。

自分が何のために戦うか再確認するために。お前達とは違うと言い聞かせるために。

今にも崩れそうな玉座から、火の海となった城下町を眺めつつ答えを待つ。


「誰かが涙を流すことが許せなかったからだ。」


その声は静まり返った広間の中、やけに近くで聞こえた気がした。

ふとすれば聞き逃してしまいそうなほど小さな声だったが、彼の決意が、憤りが、後悔が滲み出ていた。

敵でありながら共感してしまう。そんな私の僅かな葛藤が伝わったのだろうか、あろうことか悲しげな表情をこちらに向けてくる。


― あぁ、だから彼は悲しいまでに強いのか。

― だから彼は私に勝てなかったのか。


私の理想にとって最大の敵であるこの男のことが途端に理解できた。彼はまだ何も知らなかった頃の私だ。彼の理想は高すぎる。()()と呼ばれる私ですら遠い昔に諦めてしまうほどに。

再び燃え盛る街並みに目を移す。静かに目を閉じ荒れ狂う感情を飼いならし再び問う。


「ではお前は何を成した?」


勇者の方を見れば、私の視線を追ったのか真っ赤に染まった景色を視界に収めていた。

答えは返ってこない。こと切れたのだろうか。これで幕引きとなるのも悪くないだろう。

しかし私は続けた。


「『勇者』よ。この世界の真実を教えてやろう。」


この翌日、勇者と魔王の相打ちというニュースが、世界中を駆け巡った。


はじめまして、氷上ひょうがみ 栄紀ようきです!

自己紹介にもあるようにそこら辺にいる社会人で、

始めて物語と呼ばれるものを作ろうとしている素人です。


ありがたいことに基本ストレスなく不自由無い生活を送っていますが、

今回ふと物語を作ってみたいと思いキーボードを叩いています。


というのも、最近勇者ってよく見ません?

それも前書きに書いたような一風変わった勇者が。

そういうものを見てうわぁぁぁぁぁぁぁと衝撃を受けたわけですよ。

そして勇者って何だろうかと割と真面目に考えてみまして、、、


いっそ読書感想文でも書けばいいのかと錯乱したこともありましたが、

今回は作品という形で発散してみようと考えた次第です。


と、それっぽいことを言ってみましたが、

正直「勇者」に対する結論は未だ出ていません。

なのでこの作品を通して、皆さんと共に「勇者の再解釈」ができたらと思っています。

是非お付き合いください!

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