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〇〇〇の神の申す事には  作者: 日曜定休のsai山
【第2幕】日曜日
97/122

第10.2話 日曜日のおやつ時。バーガー&カフェ・ホロホロ。【天気】霧雨

「ま、鏡のことは一旦置いとくとして」


 しいながあんまりにもうるさいので食事が終わるまで話を保留した(りく)は、ようやく話題を再開した。


「――チルヒメ、どこ行ったの?」


「さあ?」


 陸の問いに即答した海斗(かいと)


「――神社で雨綺(うき)君が説明してたでしょ? 本当にあれで全部なんだよね」


「あれで?」


 にわかには信じられないことを言い出す海斗に、陸はあの時の雨綺の説明を思い出してみる。


――おれの次に海斗さんが鏡使ってみたんだけどさあ、おれはちゃんと使えたんだけど、海斗さんは使えなくて、なんでか聞こうとしたらいなかった――


「……や。全然意味が分からん」


 ざっくり過ぎる内容に、陸は眉をひそめた。

 海斗の言い様からすると、雨綺の説明はそれなりに的確だったみたいだけど、内容がなさすぎる。


「本当に他にないの?」


「ん? あるよ」


「あるんだ」


 急に言うことを変えた海斗に、陸はジトっとした目を向けた。


 今、雨綺が言ったので全部って言ったじゃん。なんでウソ吐くの?

 そういうことばっかりしてると、そのうちオオカミ少年になっちゃうよ?


「まああれだよね。あの説明は雨綺君としては100点なんだけど、実はぼくしか知らないネタがあってさあ――」


 海斗はそう言うと、テーブルの上にとある物を置いた。


「なにこれ? ただの枝じゃん?」


 出された物を見て(いぶか)しんだ陸。


「まあそう言わずによく見てみてよ」


「……」


 どこか面白そうにする海斗に、胡乱(うろん)な目で枝を見てみる陸。


 植物にさほど詳しくない陸でも分かるのだけど、これ、本当にどこにでもある桜の枝だ。

 なぜこれが桜だと分かったのかと言うと、この枝に付いたつぼみが咲きかけていたからで……


「あ」


 その違和感に気付いた陸は枝を手に取った。

 今は5月だ。それも、来週にはもう6月に入っちゃうぐらいの最終盤。

 なのにこの枝には咲きかけのつぼみが付いている。


「だよね? これあのヒト(・・・・)が校門で持ってたやつだよね?」


 陸と同じ結論を持っていたらしい海斗がぱっと表情を明るくした。そして、


「ぼく思ったんだけどさ。これ、あのヒトの御神体(ごしんたい)なんじゃない?」


 海斗の推理に陸はハッとした。


 そうだ。

 木花知流姫は桜の神様だし、そう言うことあるありそうな話ではある。

 そもそもこの枝は、昨日知流姫(ちるひめ)が校門前でうちの生徒を()かしていた桜の枝なわけで。

 てことは、知流姫が消えたのは――。


「あそっか! 知流姫はこの御神体を何かの理由で手放しちゃったせいで消えて――」


「いや。それだと今御神体が手元にないしいなちゃんが平気な説明がつかないでしょ? それは違うんじゃない?」


「……あ……はい」


 海斗の鋭い指摘に、立ち上がっていた陸はしょんぼりと座り直した。


(りく)    ……主人公君。高1。へたれ。

咲久(さく)   ……川薙(かわなぎ)氷室(ひむろ)神社(じんじゃ)宮司家(ぐうじけ)の娘。ヒロインさん。高1。割といいかげん。

海斗(かいと)   ……陸の友人。高1。さわやかメガネ。

雨綺(うき)   ……咲久の弟。小6。ハスキー犬系男子。

朱音(あかね)   ……元迷惑系動画制作者。高1。根はいい子。

(さき)先生  ……朱音の担任。家庭科教諭。うっかりメガネ。


木花知流姫(このはなちるひめ)……桜の神様。ギャルっぽい。

奇稲田姫(くしなだひめ) ……川薙氷室神社かわなぎひむろじんじゃ御祭神(ごさいじん)。訳あって縮んだ。

しいな  ……小さくなってしまった奇稲田姫の仮の名。


川薙(かわなぎ)   ……S県南中部にある古都。

茅山(かやま)   ……川薙の南にある工業都市。


【お知らせ】

明日も更新するかも。未定だけど。


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