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ガイアリンドで彼は生き抜く。  作者: trigger
トリス領で住み込み働き。
7/8

day2

どうも。はじめましての方は初めまして。それ以外の方はご愛読ありがとうございます。この作品を読んでいただけることに、いえ、このページを開いてもらうことに感謝しております。私は作者のtriggerです。これからも末永くよろしくお願いします。

「…ん、あー、あー?あぁ…あー」

起き上がってもう一回ベッドに飛び込む。トリス領二日目、頑張るしかない。そう思って起き上がり顔を洗って着替え、ずっとドレッサーの上に置いていた腕時計を見た。午後11時。時差がひどく使い物にならないことが分かった。もうすぐすれば朝ごはんが始まり今日もまた仕事だ。頑張るぞと思ってドアを開けた。


「おはよー、えーと…」「白屋将太です。これからよろしくお願いします」「はーい、よろしくでーす」

一階に下りるとメイドさんとすれ違った。名前はまた後で聞いておこう。

何をすればいいのかさっぱり分からないのでライトさんを探しに屋敷をうろうろ。自分の部屋の前まで来た時に彼女の部屋から出てくるライトさんが見えた。

「ライトさん、おはようございます」少し速足で近づいて追いつくと声をかける。

「あぁ、貴方ですか。おはようございます。領主様は昨日夜遅くまで研究をしていらっしゃっていたので今から起こしに行くところです。一緒に来ますか?」「はい、ついていきます」

では、と言って階段を上がるトリスさん。そのあとを僕がついていく。

「あ、そうだ、領主様を起し終わった後に自分の部屋のシーツと枕とか洗濯物持ってくるように」

と三階と四階の間の踊り場に着いたときに言われた。

「領主様。私ライトです。起きておられるでしょうか」ドアをノックし返答を待つが応答はない。

「領主様、入ってもよろしいでしょうか」ドアノブを回しながら。早すぎるだろ。返答は無視かよ。

部屋の中は何かが書かれた黒板に色とりどりのチョーク、大きな本棚と執務机。机の上には五冊の本が栞が置いてあるページで開かれ、あるかなきかの風にページをはためかせている。その他には正八面体の形をした透明な結晶と放電管らしきものが両端をスタンドに掛けられ置かれていた。トリスさんはその奥のベッドで眠っていた。僕がその机に気をとられているうちにライトさんはベッドの横に立ってトリスさんをつついていた。

三回ほどつつくと布団がもぞもぞと動き出し薄目を開けたトリスさんが出てきた。「おはようございます、領主様。もうすぐ朝食が始まるので準備が終わり次第一階に下りてきてください」と声をかけ終わるとすたすたと出ていこうとする。僕も慌ててついて行って失礼しました、と声をかけ扉を閉めた。一旦僕の部屋に戻りシーツやらなんやら洗濯物をかき集め一階に持って降りる。ライトさんは先に下りていくといって吹き抜けから飛び降りた。

「…階段長すぎ…おまけにこれ結構重いし…あ、そうだ僕だって魔法使えるもんね」

この世界では常識的過ぎて大馬鹿扱いされそうだが、地球人からすると魔法は憧れなのである。昨日習った《重力魔法》で物の重さを少し軽くした。これで少しは楽だろう。そんなこんなで一階まで前が見えない中えっちらおっちら階段を慎重に下りて一階にたどり着いた。一階に着くとライトさんがこっちです、と言って誘導してくれたので迷わなかった。数分後、トリスさんが降りてきたので皆で食事となった。それからまたいつもの仕事。今日は水回りの掃除と床掃除を教えてもらった。明日からの担当はここらしい。気合を入れて頑張りましょう。午前で終わるわけがないので昼食でいったん休憩して午後も掃除。僕の床掃除は一階と二階だけでいいらしい。それが終わって一旦軽食を挟みトリスさんと魔法の練習。短期間でかなり上達してほしいらしい。


午後。トリス邸の庭園にて。

「はい、今日で魔法はそこら辺の人と同じぐらいの強さが出せるように頑張ってほしいと思います」「え、いけますか?」「大丈夫です。私なんか5歳ぐらいまで全然魔法なんて使わなかったのに習い始めたらすぐでしたから。それに、貴方は器用で素直で物分かりがいいのですぐですよ」

「あ、ありがとうございます…」急に褒められると照れるな。

「ま、頑張りましょう!」「はい!」

その後の猛特訓で今日の朝より遥かに魔法の威力が上がり、魔法を使う感覚にも慣れてきた。《炎魔法》は十センチほどの火柱が安定して作れるようになった。《氷魔法》は小さな氷なら数秒で作れるようになった。《水魔法》は威力はまだまだだが手から水を噴射できるようになった。《雷魔法》は小さな雷の球を安定して作れるようになった。《風魔法》は葉っぱが舞い上がるほどの風を打ち出すことが出来た。

《龍魔法》は形を保ったまま数秒間保持することもできるようになった。《固有魔法》である《重力》は物の重さを軽くするなどお手の物にまでなった。トリスさん曰く一つの魔法の威力が上がったときに別の魔法を使うとその魔法の威力も上がるんだとか。アスリートがゾーンに入ったときかなと少し思った。


その夜は皆で夕食を食べていろいろ話をしてお風呂の順番を僕が言い出したじゃんけんで決めた。結果僕は4番だった。皆が各自の部屋に戻り好きなことをしている時間帯。僕はまだこの世界の字が読めないので本は読めず、ベットに転がりぼーっとしていた。ベットの横にある窓からは綺麗な満月が見えた。一人になりたくなかったが仕方がなかった。

「白屋…優…」無意識の零れたその言葉はいつも傍に居てくれた姉の名前だった。年は離れていたが仲良く毎日笑って暮らしていた。今のこのトリス領での生活が楽しくないわけではない。ただ、姉と過ごした毎日の方がもっと楽しかっただけで。家族と共に暮らす時間が楽しかった。高校生の姉が一人暮らしを始めるときについでに近いからという理由で僕もついて行った。父や母も毎日仕事で忙しく、こっちに来るのは一か月一回程度。それでも良かった。楽しかった。ここでの生活が楽しくないわけではない。でもなぜか帰りたい、帰りたいと希うのであった。

ここまで読んでいただきありがとうございます。もし誤字を見つけたり世界観などに分からないことがあるようでしたら私のところまで質問や誤字報告をお願いします。一週間以内には返信出来たらなぁと考えています。では、引き続きガイアリンドをお読みください。

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