多忙な日の前日
どうも。はじめましての方は初めまして。それ以外の方はご愛読ありがとうございます。この作品を読んでいただけることに、いえ、このページを開いてもらうことに感謝しております。私は作者のtriggerです。これからも末永くよろしくお願いします。
「…ひまぁ」
上に羽織っていたブルゾンを脱ぎクローゼットの中にハンガーを見つけたのでそこに掛け、ソファーに座り脱力した姿勢で。トリスさんの部屋には行く気になれず、館内を探索しようものなら迷うことは確実だった。夕食が出来るにはもうちょっと時間がかかるだろうしメイドさんも忙しそうなので話しかけに行く気も起きず。そもそも彼は初対面の人に話しかけることを自分の中で2番目に嫌いなことと位置づけしている通り人見知りである。いっそこの場で寝てやろうか、とも考えたが眠たくないので却下。この部屋には本が数冊置いてあったが開いたところで読めるわけでもなく。ベットに転がるのも考えたが余りにもベットが綺麗すぎるので却下。ソファーに座ってぼけーっとしていると脳裏に浮かぶのはクラスメイトと姉と従弟の顔だった。今頃どうしてるんだろうかな、お姉ちゃんは必死に探してるのかな、お父さんやお母さんも手伝っているんだろな、愛姉も手伝ってるのかな、みんな元気かな、何時になったら帰れるのかな、と取り留めもない事を滔々と煙草の煙が一続きに立ち上るように考えていたところ、館内放送が鳴った。
「えー、皆様にご連絡いたします。只今、食事の御準備が出来ましたので一階の食堂においでください」
この言葉を聞いて立ち上がり、ドアを開けて、出て、閉めて。右に進まなければならない所を左に進んでとてつもない大回りをした彼であった。
「皆さんお揃いのようで。…約一名遅れてきましたが。まあいいでしょう、それでは今日のメニューの紹介を」「はい、今日はパンとコーンスープとサラダ、メインは牛のステーキ、デザートとしてパフェをご用意しております」「はい、ありがとうございます。じゃあ、手を合わせて、頂きます!」
トリスさんが音頭をとってみんな食べ始める。すごいな。いい大人が子供みたいなことをするんだなと思いながら、サラダから食べる。これは僕の癖でいつもサラダから手を付ける。美味しい。レストランみたい。僕は長方形のテーブルの短辺にトリスさんと向き合う形で座り、僕から見て右手側にライトさんとあと一人、左手側に二人座っている。
「いやー、前を向いたら将太さんがいるのがなんか新鮮ですね」顔を上げてこちらに話を振るトリスさん。
「そう、ですね」やや緊張しながら答える。こんな大人数で食べるのは小学生の修学旅行以来かな、何時ぶりだろうと考えると八か月ぶりだと分かって微妙に長いのか短いのかと考える。
「トリス様、一つよろしいですか?」僕から見て左側の背の小さい人が手を挙げて聞く。
「いいですよ」「この子をどこで拾ったのですか?」「んー、王都の外れ近くで港の夕陽を見ながら黄昏てたので。雇うんだったら初めての男子だ、とか思いながら声をかけたんですよ」
まじかよ。元々雇う気でいたのかよ。
「っていうかみんなよく食べますね。僕なんかステーキ半分でもうお腹いっぱいなんですが」と誰かに聞いてもらおうという意図はなく、ぽろりと零す。それをライトさんが拾った。
「いやぁ、そうですか?あ、パフェもらいますね」とクリームを拭き終わった口で言って僕のパフェをすすす…と自分の方に動かす。
「トリスさん。僕は明日から働きますか?」勇気を出して聞いてみた。
「はい。後は魔法についても勉強してもらいたいと思います」「忙しくなりますか?」「えぇ。忙しくなると思いますよ」「服ってありますか?」「そうですねぇ…ありましたっけ?」と周りに聞く。
「確かあった気がしますよ、三階の部屋に置いてあった気がします」と誰かが答える。
「と、いう感じです。明日から頑張ってください」と笑顔で僕の方を向く。
「…頑張ります」それだけしか口に出すことが出来なかった。
その後、少し大きかったが服があったのでそれを僕の部屋に運び込んでお風呂に一番に入らせてもらって緩いシャツとズボンという部屋着のような物を着て寝ようとしたが、なかなか寝付けなかった。
何故なら彼は睡眠の環境が変わってしまうと寝付けないからである。酷いときは一日中起きていた時だってある。なんせ眠れないのでベッドの上でゴロゴロもぞもぞ動き回っていた。
ここまで読んでくれてありがとうな!口調が変わりすぎて分かんないかもしれないが作者のtriggerだぜ!コメント欄で感想、世界観などの分かんない所はどんどん聞いてくれぜ!一週間後までにはおそらく返信すっからよぉ。まぁ、ほっと一息つく感じでここは読み飛ばしてくれぜ!じゃ!まだまだ続くからよ!これからもよろしくな!