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ガイアリンドで彼は生き抜く。  作者: trigger
トリス領で住み込み働き。
1/8

そう、それは一瞬の出来事だった。

どうも。はじめましての方は初めまして。それ以外の方はご愛読ありがとうございます。この作品を読んでいただけることに、いえ、このページを開いてもらうことに感謝しております。私は作者のtriggerです。これからも末永くよろしくお願いします。

「は?」「ココドコ、ナンナンデスカ、オウチ ドコ?」

瞬き一つで世界が変わった。そこは、イタリアのような街。家の壁が白く煉瓦で道が舗装されていた。こんな旅行プランに契約した覚えはない。

「えー…」

周りを見て、空を仰いで、また周りを見て。

「ここどこー!」

異世界の路地裏での叫びが虚しく響き渡った。


白屋翔太。13歳。ごくごく普通の,,,中高一貫校に通う中学1年生。コンマ一秒で住む世界を切り替えられ、異世界に召喚された。怪しい商人から買った林檎を食べたわけでもなく、トラックに突撃されたわけでもなく、本当に瞬き一つで世界が変わった。

「はあ、まさかの路地裏スタート。状況最悪」

適当なところに見当をつけ、出ようとするが、

「そこの兄ちゃん、ちょっといいかい」

「う、何でしょうか」

もはや鉄板、そこには大柄な盗賊がいた。



「あんた、金目の物おいていきな」

「ですよねぇ…」

自分の不利を悟りながら、どうにか逃がしてくれないかと言い訳を考える。

「あのー、何にも持ってないんデスケド」「じゃ、服おいてけ」「嫌です!」「金よこせ」「ないって言いました!」

じりじり近寄ってくる盗賊に恐怖を感じながら。

「とりゃっ!」「ふっ!」

得意の上段回し蹴りを放つが体を仰け反らせ回避される。

「あぶねえなぁ、やんのか?」「くそっ…」

約二メートル先にナイフを持った盗賊。対して自分は丸腰。何か能力が欲しい。敵がこう、吹っ飛んでいくとか、転移できるとか。

「おらぁっ!」「うわっ…」

振りかぶるナイフを後ろに半歩下がって避ける。あぁ、ここで死ぬのかな…という考えが頭をよぎった。

「…は?あれ?」

何か固いものを握っていることに気づき、目をその方にやると二メートルほどの大きな太刀が自分の手に握られているのが見えた。

「なんだこれ…日本刀?」「あんた、まさか術式持ちか?」

「術式?」「え、お前知らねえの?」ドン引きの表情。そんな顔をしないでほしい。

説明によると、術式とは選ばれた人が一人一つ持てるものらしい。効果は人によって違っていて、僕の場合、太刀を出現させることらしい。そして、術式持ちは効果に関わらず、常人の10倍から100倍ほどの強さを持つらしい。

「まさか、転生者なのか?お前」「え、何故わかるんですか?」

「奇妙な服といい、その無知な態度といい、バカみたいだからだよ」「バ、バカって…」「ま、俺は手出しはしない。じゃあな」「あ、ちょ!待ってよ!」

そのままスタスタ歩いて去る盗賊。僕は放置して。

「……なんだかんだで優しかったな、あの人。名前聞くの忘れてた」

そのまま大通りに出て、アテもなくブラブラと歩くのであった。



黄昏時。それは日中と夜の狭間…という話は彼には関係ない。王都の城を眺め、夕日を眺め、ポツリと一言。

「…これからどうしよう…」「それならうちに来ませんか?」「え?」

振り返るとローブを着た女性が一人。フードを被り、顔は見えない。

「っ…」

警戒して、後ずさると、

「あぁ、ごめんなさい。フード外してなかったですね。」

フードを外すと理知的で目鼻立ちのシュッとした女性だった。白髪と赤い眼のコントラストが綺麗な人だった。その人は、こう続けた。

「転生者とお見受けします。ぜひ、トリス家の館に来ませんか?」

「…」「聞こえてますか?」「……」

めんどくさいことになったぞ。そんな気がした。


「……」

見慣れない天蓋付きのベッド。

「お目覚めですか。転生者殿」

右側から聞き慣れたような聞いたことないような声が発せられる。

「あなたは…」

「まだ名乗っておりません。私はコルアニス・トリス。トリス家当主です」

そうやってコルアニスと名乗る女性は笑いながらそう言った。そして、

「まだ、転生者殿の名前を聞いておりません。名前を教えていただけますか」

僕の頭を撫でながらそう尋ねて

「…僕の名前は白屋、翔太。中学い…13歳の男子です。」「貴方は童顔とサラサラした髪の毛が綺麗ですね。」「あ、ありがとう、ございます。」

急に褒められて対応に困り布団に潜る事で彼女と視線を切る。

「あの、一つ聞いてもいいですか…?」もぞもぞと布団の中から。「はい、なんでもどうぞ。」「なんで…僕はここにいるんですか…?」「それは秘密、です」「そう…ですか」

まぁ、いいか。行く当てもなかったし。なんか拾ってもらえてラッキーだったな、と思って、布団から顔を出す。

「さ、行きますよ。私の本館に」「まだだったんですね…」「ええ。ここは私が王都に来た時の滞在用の館ですから」「ってことはまだ王都なんですね」「今から馬車で二時間。酔いませんか?」「あ、おそらく大丈夫です」「ならよかった。お昼にはお迎えの馬車が来ますのでごゆっくりどうぞ」「分かりました」

…すごく優しいなと思った。しかし、彼女について行っていいのかと言う一抹の不安もあった。

ここまで読んでいただきありがとうございます。もし誤字を見つけたり世界観などに分からないことがあるようでしたら私のところまで質問や誤字報告をお願いします。一週間以内には返信出来たらなぁと考えています。では、引き続きガイアリンドをお読みください。

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