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老害かと思いきや一般的な感性をしているおじさん二人【1000文字未満】

作者: 平之和移


「全く最近の若者は……」


酒場。酔いの回った中年が管を巻く。同僚の中年も若者に対して悩んでいた。


同僚が酒気ある吐息を漏らす。


「そうだよ。全く若者という奴は」


「あぁ。二段ジャンプなんてできないよ」


「そうさ。若い奴らは世界を救いがちだが、なのに何でウチみたいな零細に入るんだ」


「最近入った新人は悪の秘密結社を破っている。ヒーローなんだから自衛官か政治家になればいいのに。どうしてウチに」


「おお、君のところもかい。実はね」同僚が酒を注いだ。「新しく来た派遣さん、異世界から帰ってきたらしいんだ」


「今度は異世界かい?」


「なんでも邪神がどうとか。何でもなさそうに喋るんだから参っちゃうよ。しかもそれを隠そうとしている。今さらそんな話を疑うバカなんていないよ」


中年はテレビを指差す。「あの若手俳優だって能力者らしいぞ。どっかの学園出身で、企業の悪を暴いたじゃないか」


「ハァ。テロリストから日本を救った学生もいるしなぁ。これが例外だったらいいけど、調査では九割がこういうことを体験してるんだってな」


「日本はどうなっているんだ」お猪口を回す中年。「若者が強すぎるじゃないか」


「そうだよ。全く最近の若者は。これだけ強いクセに求めるのは平穏なんだからねぇ。もう少し貪欲になってもいいのに」


彼らは散々に愚痴を吐いたあと、家に帰った。ヒーロー派遣会社社員の彼らに休みはない。

コントみてぇなタイトル

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