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星屑オオカミとリアの王子様

作者: tea

寒い寒い冬の日の日暮れの事です。

一人の少女が真っ白い息を吐きながら、森の奥を目指し歩いています。


淡い榛色の髪と、透き通るようなエメラルドの瞳が印象的な、彼女の名はリア。


リアは七年ぶりにやってくる流星群を見る為、森の奥深くの湖に向かっていくところなのでした。







******


七年前の、ちょうど同じ日の晩の事です。


両親を隣国との戦争で亡くし、独りぼっちで生きる希望をなくしていたリアは、自ら湖に身を投げようとしました。

そんなリアを見つけ励まし彼女のその心を救ってくれたのは、そこに居合わせたリアより少し年上と思しき十かそこらの一人の少年でした。


彼もまた辛い事があって星に願いをかける為、一人家を抜け出て湖まで流星群を見に来ていたのだと言います。


その少年はリアと変わらない貧しそうな身なりをしていましたが、そのサファイアブルーの瞳は驚く程に凛と高潔に澄んでいました。



彼自身も辛い思いをしているにも関わらず、リアの為に心を砕き孤独なリアの心に優しく寄り添ってくれた少年は、別れ際に


「将来、この国を君が生きていてよかったって思えるような平和で豊かな国にしてみせるよ」


そんな事を言いました。



小さく貧しいこの国を、リアが生きていてよかったと思えるような平和で素敵な国に変えて見せるだなんて。

とても一介の貧しい少年に出来る事ではありません。

その約束を果たせる少年がいるとしたら、それはこの国の王子様くらいでしょう。


だから……。


その日からその人はリアにとっての王子様となりました。







******


湖に向かい歩いている時です。

道を少し外れた先にオオカミを見つけました。


一瞬リアはドキッとしてその細い身体を凍りつかせましたが、オオカミがこちらに襲いかかってくる様子は見られません。

おまけによくよく目を凝らしてみれば、オオカミは足を怪我しているようでした。


ホッとして通り過ぎようと思った時です。

暗闇の中オオカミの目が、月光を受けサファイアブルーに光りました。


そしてその瞳の色を見た瞬間、リアはリアの王子様と、かつて彼がリアに優しく寄り添ってくれた事を思い出しました。


そうです。

リアの王子様なら、リアが今でも大好きな優しい彼なら、きっと怪我をしたオオカミを見捨てたりはしないのでしょう。



長い間迷いに迷った末、リアはオオカミの傷の手当てをすることにしました。


近寄るリアに向かい、オオカミは低く唸ります。


「怖がらないで。怪我の手当をするだけだから」


震える声でそう言えば、オオカミが


「来るな!!」


そう言いながら、鼻に皺を寄せながらその鋭い牙を向き出しにしました。



オオカミの牙のその恐ろしさに、一瞬オオカミの言葉通りこのまま立ち去ってしてしまいたい気持ちに駆られます。

それでも、リアはその思いに屈することなくオオカミを脅かさないようゆっくり近づきその場に膝を付き、ゆっくりオオカミのその毛皮に優しく触れました。


リアの手が微かに震えていた事に気づいたからでしょうか。

オオカミは、暗闇の中では星屑を撒いたような青灰色にしか見えないその瞳に戸惑うような色を見せた後、その鋭い牙を仕舞いリアからフイと顔を背けました。



水筒に入っていたぬるま湯で血でごわついた毛皮を洗い流し、傷口に持っていた薬を塗ります。

包帯代わりにハンカチを裂いて巻き、


「これでもう大丈夫」


そう笑って体を離せば、オオカミが足がもう痛まない事を確かめるようにゆっくりその体を起こしました。





「こんな遅い時間に一人でどこに?」


きっと手当が終わればオオカミはそのままどこかへ立ち去っていくものと思っていたのに。

意外にもオオカミはその場に留まりそんな質問をリアに投げかけました。


「……森の奥の湖に、流れ星を見に行くの」


少し警戒し迷った末、しかしリアはありのままをオオカミに告げました。

するとオオカミは少し考える様な素振りを見せた末


「一人歩きは危険です。そこまで送りましょう」


と、そんな事を言ったのでした。







******


オオカミと連れ立ち歩き始めてから、半刻程が経った頃だったでしょうか。


リアは切り株の影に、行っては戻りを繰り返す小さな影を見つけました。

恐々近づいて見れば、それは木の実をその両手いっぱいに抱えた野ネズミでした。


聞けば野ネズミは沢山木の実を集めたものの抱えきれなくて、その腕から落としては拾いに戻るをひたすら繰り返しているとの事。



「私が巣まで運ぶのを手伝うわ」


リアがそう言えば


「ダメです。それでは湖に着くのが遅れてしまう」


野ネズミとリアの会話を聞いていたオオカミが、とんでもないと首を横に振りました。


「そもそもその野ネズミが欲をかきすぎているのがいけないのです。自分で持てるだけで十分でしょう。足るを知るも大切です、甘やかしてはいけません」


オオカミは野ネズミを厳しい眼で見ながらそう言い加えます。


聞けば野ネズミの巣は湖と反対方向にあると言います。

きっと野ネズミを手伝えば、湖に着くのが遅くなってしまうでしょう。

でも……。


リアの王子様ならきっと遅刻しても野ネズミを助ける事を選ぶでしょう。

だから、リアも野ネズミを助ける事に決めました。





エプロンに木の実を包み野ネズミについて行けば、驚いた事に巣穴の中から沢山の子ネズミと、年老いたネズミ達が出てきました。


「本当にありがとうございます。あぁ、これでこの冬の間、家族を飢えさせなくてすみます」


無事木の実を配り終えた野ネズミは安堵感からの涙を流しながらリアにそう感謝を伸べました。



そんな野ネズミ達と、それを見て実に嬉しそうに微笑むリアを、オオカミは何ともいえない複雑そうな顔を見ていました。







******


それからまた一刻程歩いた時でした。

今度は木陰で藻掻く黒い影を見つけました。


また恐る恐る近寄れば、それは猟師の仕掛けた網にかかり必死にそれから逃れようと藻掻いている若いキツネでした。


リアはそのキツネを可哀そうに思い逃がしてやろうと網に触れましたが、網は複雑に絡まりちっとやそっとでは解けそうにありません。


「もうちょっと辛抱してね。今助けるわ」


そう言うリアに対し、


「ダメです。そんな事をしていたら今度こそ間に合わなくなってしまう!」


オオカミはリアのエプロンの裾を咥えグイグイと引っ張り、本来の道に引き戻そうとします。


「この者は運がなかったのです。第一あなたが網を解いてしまったら、捕らえた猟師はどうなるのです。糧を失い、飢えて死ぬかもしれないのですよ?」


少し考えた末、リアは逃がしたキツネの代わりに網の傍に持っていたお金を置きました。

キツネの毛皮を売った料金には及びませんが、一日分のパンを買うには充分な金額です。


それはリアが何日も懸命に稼いだリアにとってもとても大切なお金でした。

でもこれがあれば、このキツネを逃したことが原因で、猟師が飢える事はないでしょう。





長い時間をかけ、猟師の商売道具でもある網を傷つけることなく解いた時、


「あぁ、私の番を助けて下さり本当にありがとうございます」


月光に輝く銀色の毛並みをしたキツネが森の奥から現れ、リアの前で恭しく首を垂れました。


銀色のキツネ。

その存在はこの国に幸せをもたらし、その死はこの国に不幸せをもたらすと言われている存在です。


「彼女を亡くしては、私は生きてなどいられなかったでしょう。本当に何とお礼を申していいか……」


銀色キツネはそう言うと、リアが助けたキツネにそっとその鼻を寄せました。


互いに心から愛おし気に身を寄せ合うキツネ達と、その仲睦まじげな様子をまるで自分の事の様にニコニコ嬉しそうに見守るリアを、またしてもオオカミは何とも言えない表情をして黙って見ていました。







******


夜は更に更け、湖までもう少しと言うところでした。

今度は道の端に、小山の様な蠢く真っ黒な影を見つけました。


オオカミの制止を振り切り勇気を出して近寄ってみれば、それは病に苦しみ倒れている大きなクマでした。



手厚く看病をしようとするリアに


「今度こそ本当に間に合わなくなります! もうすぐ夜が明けてしまうのですよ?! その者は放っておいて、急ぎましょう!!」


オオカミが何度も必死にそう訴えます。


空を見上げれば、月は森の西方の木に隠れんばかりに傾いています。


「貴方の心意気は立派です。でも、皆を救う事など出来ないのです。ここからは夜の闇に隠され見えないだけで、この道を外れた森の中にはもっとひどい怪我で苦しむ者も、飢えに苦しむ者も、捕らわれた者も、病に苦しむ者も沢山いるのですよ。このクマは苦しむ多くの動物の中のたった一頭です。目の前の悲劇に心を乱されて、本来の目的を見失ってはいけません」


そんなオオカミの言葉に首を横に振り、リアは懸命にクマの看病を続けました。


だって……。

だってリアの王子様なら、きっと彼なら目の前で苦しむ者を見捨てたりはしないと思うからです。


リアは、例えリアの頑張りがリアの王子様に届く事が無くても、あの日リアを救ってくれたリアの王子様の志に背くような真似はしたくありませんでした。



リアは辛抱強くクマの看病を続けていたその時です。


「父様!」


突然茂みの中から小さな影が飛び出して来ました。

驚きながらも暗闇の中、よくよく目を凝らして見れば、それはまだまだ幼さの残る小さな子グマでした。


「父様! 父様!!」


親クマに縋って泣くその小さな背を、リアは優しく撫でてやりながら言いました。


「大丈夫。熱さましを飲ませたから、きっともうじき良くなるわ」


リアの言った様に薬が効いたのか、熱の下がった親クマがようやくその目を開き子グマに


「心配かけたな」


と微笑んで見せたのは、それから随分時間が経った後でした。







******


「あぁ、間に合わなかった……」


諦めきれない様に西の空を見上げながら、オオカミが酷く辛そうな声でそんな事を言いました。


ようやくたどり着いた湖を、朝陽がキラキラと照らしています。

当然既に空に月は無く、もちろん流星など見えるはずもありません。



「ごめんなさい、私のせいであなたまで流れ星を見そこなってしまったわね」


そんなリアの言葉に、オオカミが悲し気に首を横に振り言いました。


「いいえ、私の事などどうでもいいのです。私は……私はただ、誰よりも優しい貴女に報われて欲しくて。貴女に流れ星を見せてあげたかったんです」


リアの事を慮ってくれた心優しいオオカミにこれ以上リアの為に悲しんで欲しくなくて、さっき子グマにしてやったように優しくその背を撫でてやりながら、リアはオオカミにリアの王子様の話をしてやる事にしました。





「……だから、またここで流星を見れなかったことは残念だけれど、リアはリアの王子様の志に従えた事で十分満足なの。リアの王子様もきっと、今夜の事を知ったら私の行いを褒めてくださると思うわ」


リアがそう言った時でした。


突然、オオカミの体が眩しく光り、リアは思わず目を閉じました。



ゆっくり目を開けた時、星空のような濃紺の生地に月光のような金糸をあしらった軍服を纏った一人の美しい男性が立っていました。

その胸にはこの国の王子にのみ贈られる勲章がまるで流星のように飾られています。



慌てて跪こうとしたリアを、その人は柔らかく微笑み止めました。

それでも慌てて目を伏せれば、彼の足首にさっきオオカミに巻いてやったリアのハンカチが見えました。


「リア、ありがとう。君のおかげで魔法を解き人間に戻る事が出来たよ」


彼のそんな言葉に驚き思わず目を上げれば、ずっともう一度会いたいと願っていた、リアの王子様と同じサファイアブルーの瞳と目が合いました。


戸惑うリアに、彼はその名をセルジュと名乗り、オオカミに身をやつしていた訳を話してくれました。







******


セルジュは、この国の心優しき王子様でした。


民の為に常に心を砕いてきたセルジュでしたが、しかし優し過ぎる彼は隣国との闘いでも非情になり切れず、ある日大局を見誤り窮地に陥りました。

そして戦場から撤退を余儀なくされる中、部下に裏切られ深手を負ったのです。


幼い頃より師と慕っていた魔法使いが機転を利かせ魔法で姿をオオカミに変え逃がしてくれなければ、その命は既に無かったでしょう。


魔法使いがかけてくれた魔法は、王子様が人間に戻りたいと思った時に解ける仕掛けになっていました。

しかし、敗戦により『皆に優しくありたい』と願う自らの考えが正しかったのかと信念が揺らぐ中、追い討ちをかける形で裏切りに遭い体だけでなく心にも深い傷を負ったセルジュは、人間に、もとの王子に戻りたいとは思う事がどうしても出来ませんでした。


そうして、セルジュはオオカミの姿のまま当てもなく国中を彷徨っていたのでした。







そんなある日の事です。


草むらに身を横たえ目を閉じていたセルジュは、頭上の木の枝の上で小鳥達が話す声を耳にしました。

何でも今晩は七年ぶりに流星群が見られる日なのだとか。



七年前。

それは、セルジュが尊敬する父王を亡くした年でした。


セルジュの父である王もまた、心優しき良き王でした。

しかし、誰よりも戦など望んでいなかったその人は、巻き込まれるようにして始まった戦争により帰らぬ人となってしまいました。


それがセルジュは悔しくて、悲しくてたまりませんでした。

しかし、まだ子どものセルジュにはどうする事も出来ません。


だから流れ星が降る夜、セルジュは星に


『将来、心優しき立派な王になって、この国を豊で幸せに出来ますように』


そんな願いをかけるため、服を貧しい少年と取り換え城を抜け出し、流れ星が一番きれいに見えると師から聞いた湖に一人赴いたのでした。





結局、その日流れ星を見る事は出来ましたが、その願いは叶いませんでした。


それでも。

最期にもう一度ふとあの美しかった流星群を見たくなって、セルジュはふらつく体を起こし、導かれるようにして森の奥の湖をまた一人目指したのでした。







******


湖まであと少しという所。

傷ついた足が思いのほか酷く痛んで、もうどこにも行けない事を悟ったセルジュは、星も見えない真っ暗な森の木立の中にそっとその体を横たわらせました。


『これで始末がついた』


とどこか安堵にも似た思いを抱いてセルジュが静かに目を閉じた時です。

シンと静まる森の中で、一つの足音が聞こえました。



「怖がらないで。怪我の手当をするだけだから」


牙をむき出し低く唸るオオカミの姿は酷く醜く恐ろしいものであったろうに、側にやって来た少女はただ淡く微笑んでセルジュの傷の手当てをしてくれました。


そのような慈悲深い真似が出来るなんて、セルジュの知らない偉大なる隠遁者か何かなのだろうかと思い、彼女にここにやって来た訳を尋ねました。

すると驚く事にリアと名乗った彼女もまた、ただ流れ星を見に森の奥の湖を目指しやって来ただけなのだと言います。



足はまだまだ痛みますが、手当を受けたおかげで、どうやらもう少し歩く事が叶いそうでした。


「一人歩きは危険です。そこまで送りましょう」


セルジュがそう言うと少女は一瞬少し困ったような顔をしました。

しかし傷つき当てもなく彷徨っていたセルジュの姿を哀れに思ってくれたのでしょう。

否定も肯定もせず、リアはセルジュに向かいまたただ淡く淡く微笑んで見せるのでした。





急がねばならぬというのに。

リアはセルジュを助けてくれたのと同様、いちいち足を止めて出会った動物達全てに手を差し伸べます。



『一時の情になんの意味がありましょう』

『大局を見失ってはなりません』

『大義を成すには犠牲は付き物なのです』


それは、目の前の苦しむ人に対し手を伸べようとしたセルジュに対し、彼を心から思う臣下達が何度もぐっと涙を呑んでかけ続けた言葉でした。



柔らかいセルジュの心に何度も何度も深く鉤爪を立て傷つけたそれに類する言葉を、セルジュもまた、リアの望みを叶える為だけにリアに向かい吐き続けます。

それなのに……。


リアはその言葉に苦しそうに首を横に振りながら、懸命にその小さく細い手を伸べ続けました。


そしてそんなリアに対し、動物達もまた本当に幸せそうな笑顔を返すのでした。





微笑み会うリアと救われた動物達の姿に、セルジュはもう治らないと諦めていた心の傷が少しずつ癒えていくのを感じました。


しかし、そんな心の変化とは対照的にセルジュにかかった魔法は解ける事はありません。

恐らく、もうセルジュに魔法を解くだけの力が残っていないからなのでしょう。


自分が未熟なあまり救えなかった命が沢山あった事、そしてその責めを生涯負うべきである事はよくよく理解しているつもりです。

それでも……。


『もう一度この国の王子に戻り、敵に向かい剣を向けるのではなく、やはりリアのようにまた民に向かって懸命に手を伸べたかったな』


セルジュは死を待つばかりのオオカミの姿のまま、一人心の中でそんな事を思うのでした。







******


やっとの思いで二人が湖に着いた時、すっかり夜は明けてしまっていました。

流れ星どころか、白く霞む月さえ見えません。



誰よりも頑張ったリアに報われて欲しくて。

でも時を戻すことは出来なくて……。


セルジュがまた自分の無力さに胸を痛めた時です。

リアが過去の思い出を話してくれました。


「……だから、またここで流星を見れなかったことは残念だけれど、リアはリアの王子様の志に従えた事で十分なのよ。リアの王子様もきっと、今夜の事を知ったら私の行いを褒めてくださると思うわ」


リアがそう言ってこれまでで一番綺麗に微笑んで見せてくれた時です。

セルジュの中で、あの日泣いていた少女の姿と目の前にいるリアの姿がようやく一つに繋がりました。


『オオカミの姿のままだろうとなんだろうと、自分を慕い続けてくれたリアの為に、泥水を啜ってでもこの命を繋ぎ誓いを果たさねば……』


そう思ったその次の瞬間です。

全身が眩しく光った後、ついにセルジュにかかっていた魔法が解けたのでした。



伝えたい感謝の言葉は沢山ありました。

さらけ出してしまいたい弱音も沢山ありました。


でも、それらを全て胸の中に押込めて、リアの頑張りに報いるためだけに


「よく頑張ったねリア、僕は君が誇らしいよ」


そう言って笑って見せれば、感極まったリアが綺麗な涙をぽろぽろと流しながら、それはそれは幸せそうに微笑んでくれたのでした。







******


それからまた七年の月日が経ちました。


セルジュは彼が尊敬する立派な父の跡を継ぎ、心優しき王となりました。

そしてセルジュがかつて誓った通り戦争を終わらせたおかげで、国は平和で豊かになりました。



深夜に王宮をコッソリ抜け出して来たリアとセルジュは、森の奥の湖のほとりで二人で優しく微笑み合いながら、流星にこの国の平和を、そして互いの幸せをいつまでも祈るのでした。

沢山あるお話の中から見つけて最後まで読んで下さり本当にありがとうございました。

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[良い点] おもしろかったです。心温まるお話でした。 [気になる点] この性格の王と王妃が政りごとをする場合は、自ら嫌われ役になる宰相とか汚れ役の大臣が必要になるかも(赤鬼と青鬼の関係)
[一言] リアの優しさがとても尊い! 映画のような素敵なストーリーでした。
2021/12/24 17:29 退会済み
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