表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
65/131

65

 ここの郵便局のすぐ隣には、学生会館と呼ばれる大学生の寮があった。そこの配達はいつも必ずおれが任されていた。ある日のことおれが配達を終えて局に帰る途中でバイクを走らせているとそこの学生会館の前に神内がバイクを停めて、中をウロチョロしている姿チラッと目に入った。

 「あの野郎、何か悪さしようとしているな」おれはすぐにピンときた。普通に考えれば、あんな所を神内がウロチョロしているとはあり得ないことだったからだ。

 おれは局に戻るなり、すぐさま班長に報告した。

 「班長さっき神内の奴が学生会館の前でウロチョロしていたんですけど」

 「そうか、分かった。後で何をしていたのか訊いてみるよ」班長も、神内の行動が不自然に感じたようだった。

 そのあとでおれが郵便局から帰宅してから、班長が神内に何をしていたのか問い詰めた。神内はポストが壊れていたのが目に入ったから、親切心で直そうとしただけだ、返答した。が、そこにはポストなんぞは存在していなかった。学生会館に配達する時は、いつも建物の中まで入り、そこのフロント係の男性職員に、書留も普通郵便も含めて全て郵便物を手渡しで届けていたのだ。配達も神内の返答に疑問に思ったが、それ以上は問い詰めなかった。

 そこでおれは考えてその翌日の朝、神内含めてみんながいる前で、わざと同じ班の職員にこう言った。

 「学生会館の人から言われたんですけど、ポストが壊れたから直接中まで入って郵便物を持って来てくれって頼まれたんですけど」

 それを聞いた職員が言った。

 「学生会館にポストなんか無いじゃん」

 「アレ?ポスト無かったでしたっけ?アッ、そうだ。無かったですよね。間違えました」

 この時はこの件はこれで一件落着になるように見えた。しかしながら、神内のデタラメな行動と言い訳が後になって、神内本人の命取りとなった。そうとも知らず、神内は相変わらずオメデタイ奴だった。

 


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ