選択そして出発
「ではステータスの最終設定は終わりました。では最後にイストルディアへはどうやって行きますか?」
「ど、どうって?何か選択肢があるとか?」
「そういうことです。一つ目は、転移。そのままの体でイストルディアに行くことができます」
二つ目は、転依です。これは先代の勇者が作った体に憑依する形になります、コレよって特別な力が宿るなんてことは一切ありません。もちろん先代の勇者様には許可は取ってありますよ?最後に、転生です。どの家庭の子供になるかは完全にランダムです。ですが今回に限っては先代勇者様との契約により決まってます。どれにするかはあなた様次第です。」
迷う、迷うぞ。まずは転移。コレはなしに決まってる、どうせならちょっとはモテたい。正直俺はイケメンではない。どちらかと言えばブサイクな方だ。だからコレは絶対にありえない。
残るは転依と転生、どっちにするか迷いどころだ。でも流石に転生だよな、転依は怖すぎる、動くかわからない体に乗り移って、自分がどこにいるかわからないまま行動することになる。そもそもなんだよ先代勇者が作った体って、怖すぎるだろ。こうなれば転生一択だ。それに先代勇者との契約がなんちゃらかんちゃらって言ってたからとんでもない貧困層とかではないはず、よし決まりだ。
「決まったようですね。では転生でよろしいですね?」
「はい!」
「では最後に、魔王はあなたが生まれてから18〜25年後に誕生すると考えられています。正確な年数は分かりませんが、周期的に考えるとその辺りだと推測されます」
「結構幅があるんですね。とりあえず18までにある程度強くなっておけと」
「そうです。ただ誕生してすぐ活動を始めるわけではないですし、誕生してすぐに発見されることはまずありません」
「誕生の前兆とか、魔王が誕生したら魔物が強くなる。みたいなことはないんですか?」
「誕生後の変化はあります。ですが魔王によって様々で、今考えると魔王の影響だったのかな?ぐらいの変化です。例えば『海面が少し上がった』とか『気温が2℃上昇した』とかですね」
「なるほど、ありがとうございます。」
これじゃあどうしようもないな〜。まぁ、18までは鍛えながらゆっくりやるか。
「では、他に質問はありますか?」
「うーん、大丈夫です。いろいろありがとうございました。」
「わかりました。では最後に、気軽にティアー教の教会に来てください。たまに私に会うことができます。ではいってらっしゃいませ」
よし。頑張るか。
そうして僕は白い光に包まれ、体がなくなる感覚と共にその場からいなくなった。