第三話 竜じいの作り話
「俺は1ヶ月半ぐらいかけて王都に着いたんだ 門も冒険者ギルドも道も大きかった、人も沢山いた 元々居た迷宮都市も大きかったけどそことは比べ物にならないくらい大きかった」
竜じいは、そう言って話し始めた。
「俺は一旦冒険者ギルドに顔出したんだ。俺もそこそこ有名だったからな、迷宮都市のギルマスにあっちに着いたら、早いうちにギルドに顔出せって言われてたからな。そこで王都のギルマスと会ったんだ、すごくいい人だったよ」
竜じいは楽しそうに話してくれた。
作り話のその物語を。
僕はそれに聞き入った。
王都に迫り来る魔物の軍勢を騎士団や騎士団長、冒険者ギルドのギルマスそして冒険者と一緒に打ち倒したこと。
近くの森に巣食うドラゴンを倒したこと。
国王と謁見して騎士団を鍛えたこと。
「そして俺は、王都の英雄リュウと呼ばれ出したんだ。ちょっと嬉しかったけど、恥ずかしかったな。ワハッハッハ!」
とバカでかい笑い声と共に話してくれた。
「俺はな、一応、王都中央城守護騎士団名誉師範長っていうのをやってたから、騎士団長とも仲がよかったんだ。そこで出会ったのが騎士団長補佐をやってた虎次だ。」
まさかの虎じい参戦にちょっとびっくりした。
「俺はそれなりに強かったから、虎次とも模擬戦をやったんだ。めちゃめちゃ強かったよ。危なく負けるとこだった、そこで考えちまったのさこいつと一緒に旅をしてお互いを高めあっていったらどこまで行くのか、虎次は俺と同じ異世界転生者だったからもちろん馬が合った。騎士団長に頼み込んだら心良く快諾してくれた。条件は虎次を五体満足で返すことだった。それからは楽しかったよ。虎次は料理もできた、それから元の世界の食べ物をいっぱい食べた、それが一番嬉しかったな。」