第一話 隣のじいちゃんと八百屋のじいちゃん
「竜じい!ただいま〜〜!」
そう言うと居間から竜じいが出てきた。
「おー!おかえりー! ちゃんと手洗うんだぞー」
竜じいは僕が帰ってくると絶対に手を洗えと言う。
「わかってるって!」
「父さんは今日何時に帰ってくる?」
「うーん、確か6時だったはずだよ!」
僕の親は共働きでお母さんは学校の先生をしてる。なので帰ってくるのはいつも9時ぐらい。そのかわりお父さんは早く家に帰ってくる。だからお父さんが帰ってくるまで、隣の竜じいの家にいる。物心つく前から僕のことを見ていて、僕の龍の字も竜じいの竜からとったんだって、お父さんとお母さんとも仲がいい。
「今日は虎次のやつが来るらしいぞ」
「えっ!虎じいくるの?やったー!」
虎じいは近くの商店街で八百屋をやっている竜じいの幼馴染、良く竜じいの家に来て、りんごとかぶどう、みかんを持ってきてくれる。
「ってか、早く話聞かせてよ!!」
「わかったわかった 昨日はどこまで話したっけ?」
「王都に着いたとこまでだよ!」
「そっかそっか それで俺は王都に着いたんだ そこは建物がいっぱいで人もたくさんいたんだ」