イヨと薬
その日、アナベルがスズの所へ出勤すると、室内はガランとしていた。
スズの侍女達の姿が見えず、いるのはようやく起き上がれるようになったスズの乳母とイヨだけだった。
(誘拐事件以降、極力スズ様の周りから人を減らさないと決めたはずなのに、一体何があったのかしら……?)
イヨの話によると、侍女達はナギに呼ばれてそちらに行っているらしい。
「外出を遠慮している侍女達に、スオウ殿がこの国の商人を呼んで、土産を見繕わせているそうです」
この部屋でやれば良いのではないかと思ったが、部外者を皇女の居室に入室させるのもまた危険だと思い直した。
しかし、これではスズの世話が滞るのではないかとアナベルが心配すると、肝心のスズが今日は体調不良で横になっているので、世話する人間は必要最低限で足りるようだった。
「スズ様はどんなご様子ですか? 医師を手配しますか?」
心配になってイヨを通して乳母に聞くと、乳母は安心させるようにニコニコと笑って首を横に振った。
「スズ様は月の物の時に頭痛や腹痛があって、毎月の事なので薬も持参されているそうです」
(月の物……。ご病気ではなくて安心したわ)
廊下には手厚く配置された騎士達が警備をしていたし、続きの間から寝室の方を見ると、一騎当千のアレックスが警備に立っている。
これなら何事もなく過ごせるだろうとホッと胸をなで下ろした。
しばらくすると、乳母が腰を痛そうにさすりながら立ち上がった。
『それではイヨ、私はまた横になるから、時間になったらこの薬をスズ様に飲んで頂くように』
乳母はそう言うと、薬の入った袋をイヨに手渡した。
『よいか? 三種類を一包ずつじゃ。特にこの茶色の薬は量を間違うと、逆に毒となるゆえ気をつけよ』
『畏まりました』
まだ本調子ではない乳母は、自分の部屋に下がって行った。
アナベルは乳母を見送ると、スズの様子を見る為に寝室に足を進め、部屋の前のアレックスに声をかけた。
「お疲れ様です。今、スズ様は……?」
「先程まで眠っておられましたが、ちょうど起きたようです」
アレックスがそう言うので、アナベルは入室の許可をもらい寝室に入った。
『スズ様、大丈夫? 痛い?』
アナベルがたどたどしいジェパニ語でそう聞くと、スズは弱々しく笑った。
『心配してくれてありがとう。そろそろ薬が切れてしまうから、新しい物が飲みたいのだけど……。わかるかしら?』
『薬、分かる、ます。持ってくる、今』
言いたい事がすんなり伝わって喜んでいるスズに申し訳なく思いながら、アナベルはイヨに薬を貰いに行った。
居間に戻ると、イヨが困り顔でアナベルに駆け寄ってきた。
「今ちょうどスオウ様から呼び出されてしまって、至急行かなければならないのです……。スズ様へのお薬お願い出来ますか?」
「分かりました」
アナベルが頷くと、イヨはホッとしたような顔になり、薬の袋をアナベルに手渡した。
「茶色の薬を三包、お茶に混ぜてお出ししてください! ではお願いしますね!」
イヨはそう言うと、急ぎ足で部屋を出てしまった。
「イヨさん! 茶色の薬を、三包、ですね?」
アナベルが慌てて廊下に出て、イヨを呼び止めて再度確認すると、イヨは笑顔でしっかり頷いて歩いていった。
イヨが見えなくなった曲がり角を、アナベルは微動だにせず、しばらくじっと見つめていた。
正確には、金縛りにあったように動けなかった。
(まさか、イヨさんが鎖国派のスパイ……?)
アナベルは先程、乳母がイヨにしていた説明を思い出していた。
『三種類を一包ずつじゃ。特にこの茶色の薬は量を間違うと、逆に毒となるゆえ気をつけよ』
アナベルは部屋に戻り、テーブルの上に薬袋の中身を並べた。
緑色の粉薬と、黒い丸薬、そして茶色い粉薬──。
(イヨさんは茶色を三包と確かに言った。乳母殿の説明と違うどころか、危険な薬を大量に……)
何も知らないアナベルが茶色の薬を大量にスズに飲ませ、スズの具合が悪くなった所で、アナベルのせいにする魂胆なのではないか? そんな事が頭をよぎった。
というのも実は、ルイスからイヨを注意深く観察するように言われたばかりなのだ。
スズが誘拐されそうになった時、スズの侍女はキャロルの伴をして王宮に行った。そして薔薇の宮へ戻って来たとき部屋にいたのはイヨだけだったそうだ。
イヨは、ナギの元へ護衛の増員を頼みに行って戻ったら、スズが居なくなっていたと騒ぎ出したらしい。ところが、ナギの元にイヨは来ていないという。
その事をイヨに問うと、「ナギ殿下の部屋を訪れたが誰もいなかったので、仕方なくスズの元に戻った。もしかしたら焦っていて部屋を間違えたのかもしれない」と答えたそうだ。
何度も行き来した部屋を間違えるだろうか?
状況から考えてスズの周辺の警備が手薄になったその当時、素早く誘拐犯の手引きが出来たのはイヨか乳母。
スズの母親代わりでもある乳母がそのような事をする可能性は低い為、断定はできないが、イヨがスパイである可能性が高いとルイスから教えられていたのだ。
(でも、もしかしたら本当に言い間違えただけかもしれない。スパイなのか、そうじゃないのか、しっかり確認しなくては……)
アナベルは イヨの真意を確かめる為の策を考え始めた。
****
アナベルに薬を託した後、程々に時間を潰して、イヨはスズの居室に帰ってきた。
すると何故かキャロルが来ていて、イヨを見るなり近付いてきた。
「イヨ、ちょっと、スズの寝室に来てくれるかしら」
どことなく緊張感の漂ったその言葉を聞いて、どうやら計画が上手くいったようだと、イヨはほくそ笑んだ。
さてどうやって盛大に騒ぎ立てようか考えながらスズの寝室へ入ると、部屋の中にはルイス、ナギ、ハヤテとスオウ、アレックス、アナベルが揃っていて、ベッドにはスズが目を閉じて横になっていた。
『スズ様……!』
イヨは口元に手を当てて驚いた演技をした。
『スズは先程からあんな状態なのだけど、何か心当たりはあるかしら?』
キャロルに聞かれて、イヨは直ぐにアナベルをキッと睨みつけた。
「アナベル様がお薬の分量を間違えてスズ様に飲ませたのでは? だとしたらこれは大問題ですよ……!!」
「……私はちゃんと言われた通りに差し上げました」
アナベルがいつもと変わらない様子で落ち着いている事に違和感を覚えつつも、ここが責め時だと声を尖らせた。
「でもこうしてスズ様が倒れてしまっています! あなたの所為だとしか考えられません!」
イヨが声高にアナベルの落ち度であると主張するも、アナベルはやはり無表情でイヨの目をしっかりと見つめて聞いた。
「誰もスズ様が倒れたとは言っていないのですが、どうしてそう思われたのですか?」
アナベルの質問の意図が分からず、イヨは眉を顰めた。
「どうしてって……現にこうしてスズ様は横になっていらっしゃるし、アナベル様が薬を間違えて飲ませたと考えるのが普通では?」
『いいえ、私はちゃんと乳母殿の指示通りに三種類を一包ずつ差し上げました』
『……は?』
ジェパニ語が分からないはずのアナベルが突然流暢に喋りだしたので、イヨは思わず固まってしまった。
(ジェパニ語が分かるなんて、聞いてない……!)
『黙っていて申し訳ありませんでしたが、実は私、ジェパニ語は堪能な方なのです。ですので、乳母殿の指示もしっかり聞こえていました』
アナベルが一歩前へ進みでると、イヨは思わず一歩後ずさった。
『イヨさんは先程私に、茶色い薬を三包お茶に混ぜて差し上げなさいと言いましたよね? 廊下で再度確認をしたところを警備の騎士が見ていたので、証言してもらう事も可能です』
『いいえ! 私は三種類を一包と申し上げました!』
イヨが動揺しつつも嘘をつき通すと、アナベルは悲しそうに眉を下げて言った。
『単に言い間違えただけであって欲しいと思っていましたが、どうあっても私に濡れ衣を着せようとなさるのですね……』
どう言い繕えばいいのか分からず、イヨがまた一歩後ずさるのと同時に、スズがパチリと目を開けて起き上がった。
『イヨ……残念だけど私は元気よ。貴女が鎖国派のスパイなのかどうか確かめる為に、倒れたように見せかけていたの……』
(ハメられた……)
イヨはとっさに退路を確認したが、扉の前にはいつの間にかアレックスが立っていて、逃走は無理だと諦めた。
(私はここまでね……)
イヨは肩の力を抜いて、大きな溜め息を吐いて苦笑した。
『まさか貴族のお嬢様が言葉を話せないフリなんて、そんな密偵紛いの事をするとは思ってもいませんでした』
イヨは皮肉のつもりで言ったのだがアナベルは、『私も激しくそう思います』と、それはもう深々と頷きながら言った。
『イヨ……どうしてこんな事を……。旅の途中もあんなに優しくしてくれたのに……!』
ジェパニから一緒に旅をしてきて、しかも最近は大陸共通語を教えてもらうなどしていた身近な存在が鎖国派のスパイだった事に、スズは相当なショックを受けたようだった。
身分の差などないかのように親しげに接してくれたスズを悲しませた事に、イヨは僅かながら罪悪感を抱いた。
しかし、生きていくためには仕方のない事……。
『どうして? もちろんお金の為ですよ。正直、私は開国しようが鎖国しようがどうでもいいので、金払いの良い仕事を受けただけです。ジェパニでは生憎、私のような混血はマトモな職に就けませんので』
長い間鎖国をしていたジェパニは、異民族を忌避する傾向にあった。そんな中で生まれた大陸の血を引く子供達はジェパニでは生きにくく、大陸に移住するものが大半。なんらかの理由で国を離れられない者は、裏稼業など日の当たらない仕事で生計を立てるしかないのだ。
そんなお涙頂戴の話をするのは惨めだが、国で待つ家族のために同情を買ってでもなるべく罪を軽くしたかった。
(失敗したから成功報酬はパァだし、困ったわ……。さて、どれほどの罪に問われるのか……)
イヨが諦めの境地で事の成り行きを見守っていると、ナギが真剣な顔で口を開いた。
『君達がそのような生活をしているとは……。皇子の地位にありながら何も出来ずに申し訳なかった……。だが、今の話を聞いて、やはり開国政策は間違っていないと確信できた』
雲の上の存在が自分ごときに謝罪した事には驚いたが、そんなモノで生活が楽になるわけではない。イヨは鼻で嗤いそうになるのを辛うじて我慢した。
『開国が更に進めば、ジェパニにも多くの民族が出入りする様になり、イヨ達のような者も珍しくなくなる。それどころか、大陸公用語を扱える人材は重宝されて、良い仕事にも就けるようになるだろう』
(そんな夢物語のような事が仮に実現するとして、それまでどれ程の歳月がかかるのか……。このお気楽な皇子様は分かっていないんだわ)
そうは思いつつも、真っ直ぐにイヨを見つめるナギの力強い瞳に、ついそんな未来を期待してしまう事を止められなかった。
『直ぐにとは言えないのが申し訳ないが、国に帰ったら今以上に外交に尽力する。だから、ジェパニが変わっていく所をどうか見ていて欲しい。……もちろん、この国の方が住みやすいと感じたなら、移住の為に出来る限りの協力はさせてもらうよ』
『……どうして敵にそんな甘い事を仰るんですか?』
この皇子は確か、後ろ盾だった貴族の失脚に巻き込まれて皇太子になれなかったはず。下々の身分のイヨでさえ知っているぐらいだから、かなり大きな政争だったはずだ。
裏切り裏切られ……そんな醜い争いを経験した上でまだ、こんな甘い事を言える理由が分からなかった。
『罪はきちんと償ってもらうが、君は生活の為に仕事をしただけで、鎖国派と思想を共にしている訳ではない。ジェパニからの旅の間も、ここに来てからも、君はスズに良くしてくれていた。何よりも……』
ナギはそこまで言うとイヨの元へ歩いて行き、その手を取り恭しくキスを落とした。
『女性には優しくするのが私の信条なんだ』
片眉を上げて冗談めかして言うナギに呆気にとられ、イヨはついクスリと笑ってしまった。
『殿下も随分この国に感化されましたね……』
『挨拶と称して合法的に手を握ってキスを贈れるこの素晴らしい慣習は、是非ともジェパニに持ち帰りたいと思っているよ』
真顔で真剣に言うナギを見て、イヨは今までずっと張りっぱなしだった緊張の糸がぷつりと切れて、酷く体が疲れたように感じた。
(この皇子様なら悪いようにはしないだろう……。後は、あの男がどうするのか……)
使い捨てのイヨとは違い、鎖国派の中枢に繋がりのある男。
今も、ナギが語った夢物語を聞いて、爪が食い込むほどに拳を握り込み、必死で怒りを押し殺しているあの男が、このまま何もせずに終わるわけがないのだから──。
****
その後イヨは事情聴取などを経て処分が決まるまで、ジェパニの面々とは隔離される事になった。
イヨを連行してルイス達が出ていき、キャロルも王宮に戻ろうとすると、スズがキャロルの服の端を掴んだ。
『あの……キャロル先輩……私、先輩に謝りたい事があるんです』
『謝りたい事……?』
ベッド横の椅子に腰掛けたキャロルの顔をスズは恐る恐る見た。
『この前誘拐されそうになった時、実は私……ルイス様に告白をしに行こうとしていたの!』
スズの言葉を聞いてキャロルは驚きに目を見開いた。
『ごめんなさい……! ジェパニでの生活が辛くて、どうしてもこの国に残りたくて……。イヨがくれた自分の魅力をアップさせる薬っていうのを飲んだら、それが睡眠薬だったみたいであんな事に……。だから、誘拐されそうになったのは全部私が悪くて、先輩のせいじゃないの……!』
スズは目に涙を湛えながら必死で謝った。
『卑怯な事して、先輩が自分を責めてるのも知ってて、それなのに今日まで言えなくて本当にごめんなさい……!』
スズがぽたぽたと涙を零しながら頭を下げ続けていると、キャロルは疲れたような重い溜め息を吐いた。
『全くもう!! そういう大事な事は早く言いなさいよ!! そしたらもっと早くイヨを捕まえられたじゃない!』
キャロルが腕を組んでぷりぷり怒りながらそう言うと、スズはキョトンとした顔でキャロルを見た。
『イヨが睡眠薬を渡したって事は、彼女がスパイで、誘拐の片棒担いでたって事でしょ!』
イヨは自分を手助けしてくれたとばかり思っていたスズは、そんな事に全く思い至らなかった。
『それに! ルイス様に告白したって無駄なのは分かってるし! 黙って抜け駆けされたのは腹立つけど、今更怒らないよ! ……告白しないと踏ん切りつかないのも分かるからさ』
キャロルがそう言うと、スズは鼻水をすすりながら呟いた。
『私……こ、これからも先輩と仲良くしたい……』
『しようよ! 仲良く! だって私達、転生仲間でしょ!?』
目をこすりながら何度も頷くスズの頭をキャロルは優しくなでた。
『ジェパニに帰りたくないなら、この国に居られる方法を私も一緒に探すから、もう怪しい薬なんて飲んじゃダメだよ?』
『先輩ありがとう……』
笑い合う二人を見て、アナベルはホッと息をついた。
(良かった……。これでお二人の仲がいい姿が、また見られそうね……)
誘拐事件以降スズに元気がなかった理由はこれだったのかと、アナベルがひとり納得していると、後ろから名前を呼ばれた。
『アナベル様、実はジェパニ語が喋れるんですね……。驚きました』
声の主であるスオウは、狐目を更に細めてそう言いながらアナベルに近寄ってきた。
『黙っていて申し訳ありませんでした』
目を伏せてアナベルが謝ると、スオウは微笑んで首を横に振った。
『お互い腹の探り合いは仕方のない事です。ただ、イヨが言ったように、まさか伯爵令嬢である貴女が密偵のようなことをしていた事実に、とても驚いているだけです』
『自分でもどうしてこんな事になったのか、神に問いたいぐらいです……』
アナベルが無表情をキープしつつも、げんなりした雰囲気を出すと、スオウはクスクスと笑った。
『……ああ、そういえば、先日答えられなかった港の商人の名前を思い出しましたよ。シノノメ商会のズイウンという男です。もっとも、ちょうど何日か前にジェパニに出発したそうなので、今行っても話は聞けないと思いますが……』
『わざわざ思い出して頂き、ありがとうございます。ルイス殿下にお伝えしておきます』
『それから……私の通訳もまだまだ至らない所がありますので、何か間違った事を言っていたら是非その時に教えてくださいね……』
スオウは笑顔のままそう言うと、ナギ達の元へ戻って行った。
(情報開示はしたけれど肝心の証人は不在……。そして最後の言葉はどう捉えたらいいのかしら……)
以前、港の商人の名前の話になった時、スオウがナギに対して全く違う内容で通訳した事を、アナベルは気付いているのだと先程分かって、取り繕ったのだろう。
今スオウに聞いた商人の名前だが、実はルイスが密かに調べて数日前に既に突き止めていた。しかし、スオウの言う通り既にジェパニへ旅立った後で話を聞けず、あの日のスオウのアリバイは不明確なまま。
一方、ハヤテの方はあの日スオウと別行動をしていた約半刻の間、とある香水専門店に滞在していた事が判明した。
店員の話によると、婚約者へのお土産に香水を選んでいたが、色々嗅いでいるうちに鼻が麻痺してしまい、どれが良いか分からなくなり、仕舞いには香水の嗅ぎすぎで気持ちが悪くなり休んでいたらしい。
アナベルがお土産の事を聞いた時、ハヤテが動揺したように見えたのは、そんな恥ずかしい話を隠しておきたかったからのようだった。
その事が何故分かったのかというと、アレックスの手柄だった。
火災のあった日の夜、就寝の挨拶の為にスズがナギの部屋を訪れた時、アレックスはハヤテとスオウに会っていた。
その時、ハヤテからは何種類もの香水の匂いが、そしてスオウからは火薬の臭いがしたとルイスに報告があったのだ。
アレックスの能力に絶大な信頼を置いているルイスは、密偵を使って港にある香水店を片っ端から聞き込みすると同時に、スオウが会ったというジェパニの商人の捜索も念入りに行っていたのだ。
結果、ハヤテが火災現場に行くのは無理だと分かった。そうなってくるとスオウが怪しくなるのだが、確証もなくジェパニ側にそんな話をすれば、名誉毀損で国際問題に発展しかねない。
という訳で現状は、スオウを限りなく黒に近いグレーとして警戒するしかないのだ。
今回アナベルがジェパニ語を話せると公表したのも、スオウに対する抑止力になればと考えての事だった。
(スオウ殿も自分が警戒されていると気付いたはず……。このまま何もせずに諦めてくれると良いのだけれど……)
アナベルは心からそう願うのだった。
『お助けキャラ1』先行配信中のピッコマ様にてランキング入りしたそうです!(フェアリーキス様公式Xより)
°˖✧ノベル恋愛…10位、ノベルTL…2位✧˖°
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