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14/41

14.コンサート前に惑星滅亡の危機です!

ルリは久々に次の日を迎える前に布団で眠れるのが嬉しかったらしく、感極まって歓喜の涙をこぼしながら敷布団で眠った。

また、よほど心地良い睡眠状態に入れたのだろう。

コンサート開演まで時間的余裕はあるものの、彼女が目覚めた時には既に太陽が高く昇っていた。


「……ふぁ、はぁ……うぅ~ん…。アカネちゃんは、まだ寝てるのかな?たしかコンサートの日だよね。というか、今は何時なの……」


彼女がアナログ時計を見ると、2本の針は昼直前を示す並びになっていた。

開演自体は昼過ぎだが、規模を考えたら早めに準備へ入るべきだろう。

そのためルリは二度寝の誘惑に打ち勝とうと、自分自身に渇を入れる。

一方で本日の主役と呼ぶべきアカネは、未だベッドの上で気持ち良さそうに熟睡していた。


「もう、かわいい寝顔しちゃって。こんなあどけない顔を見せられたら、アズミみたく盗撮したくなるよ。ふぁあ……」


欠伸(あくび)が我慢できないほど呑気な気分のままで、上手く緊張感を持てない。

そんなこともあってルリの思考は散漫としており、無意識に部屋の中を一瞥(いちべつ)した。


「やっぱりアカネちゃんの部屋は凄くファンシーだなぁ」


アカネの自室は明るい雰囲気に彩られており、また多種多様なぬいぐるみが大量に飾られている。

そのぬいぐるみとやらもデフォルメデザインされた動物類が多く、キャンドル等の小道具含めてまさしく(・・・・)幼い女の子らしい部屋と言えた。


もちろん絨毯と壁紙、更にはカーテンや棚といった家具類も明るく柔らかい色彩が選ばれているから、かなり(こだわ)った自室なのが伺える。

とは言え、子どもの感性なので好きなモノを無作為に詰め込んだ雰囲気なのは(いな)めない。

何であれ、ルリは部屋の主であるアカネを改めて起こそうとするものの、その前に彼女の大胆過ぎる寝相を見て戦慄した。


「うわぁ、すっごぉ……。さすがアイドルマスター。変死体の演技も完璧なんだね」


よほど柔軟な体をしているのだろう。

アカネの手足は別々の方向へ捻り上げられている事に加えて、腰全体が見ているだけで痛くなりそうなほど大きく曲がってしまっている。

大げさかもしれないが、もはや人間ではなくスライムだ。


「寝違うどころか、このまま起きなさそうで怖いなぁ。おーい、アカネちゃん~。無事に生きているのなら、おっきてくれ~。多分まだ朝だぞ~」


朝の報せを口にしつつ、揺すり起こそうとしてアカネの華奢な体に触れようとした瞬間だ。

突如ルリの背筋には冷たい殺気が突き刺さり、ただならぬ気配を感じ取った。


「はぁ?」


彼女が(いぶか)しげな態度で振り返った先には、ぬいぐるみ達が隊列を組んでいる姿があった。

異様な雰囲気が室内に漂っており、タイミングからして間違い無くアカネを守るために動き出している。

よってルリはこの異常事態の理由を瞬時に察し、表情をひきつらせて驚きの声をあげた。


「へっ、嘘でしょ?わざわざ自己防衛鎮圧システムを組んでいるの!?しかもロボットじゃないし、アカネちゃんはどれだけのスキル持っているのさ!」


状況から察するに、どうやらアカネに接触しようとしたのが引き金になったらしい。

特別な細工が施されたぬいぐるみ達は、すぐさまルリに対して撃退行動へ移ろうとしていた。

思い返せばアカネはルリと同じく転移者であり、身寄りが無い幼子だ。

しかも一軒家での一人暮らし。

そんな境遇なのだから、このような警備策を講じてあるのは当然だった。


「う~ん、参ったなぁ。友達の部屋で暴れる真似はしたくないんだけど」


彼女が独り悩み呟いている間にも、ぬいぐるみの大群は迫り来ている。

ただ相手の見た目が可愛らしいことも相まって、大人げなく反撃するのは気が引けた。


そもそも彼女の体は、あらゆる意味で頑丈だ。

例えば豪雨同然に核ミサイルを撃ち込まれようとケガを負うことは決して無いし、概念系スキルによる悪影響を受けても平然とした表情で済む。

だから反撃する理由があるとすれば、着ている服を守るためくらいのものだ。

そうしてルリがだらだらと判断を迷っていると、間もなくしてぬいぐるみ達は集団で飛び掛かってきた。


「おぉっと……。って、なにこれ?」


ルリは予想外の事態に対して精神的な衝撃を受け、はっきりと目が覚めた。

なんと実害が皆無だ。

何故ならぬいぐるみ達の力は非常に弱く、道具を使う知能も備わっていない。


せいぜい攻撃手段は()し掛かってくらいであって、対処するのが申し訳ないと感じてしまうほど他愛なかった。

むしろ子どもに戯れられているような感覚を抱き、彼女はそのまま無視してアカネを起こそうとする。


「アカネちゃん朝だよ!朝というか、たぶん私のお腹の具合からしてお昼になるかもよ!」


「…んあ、んー……。ふぇ……、ぁ…ぅ………」


「おぉ、返事があった。どうやら変死体では無かったみたいだね」


まだ目は開けてくれないが、ようやく生存確認できる反応が返ってきた。

それからルリは相手を起こそうとする努力を続けて、本当に数分くらい呼び掛けた頃に彼女は目を覚ましてくれた。


「んふぅー…、ルリ……さん?朝からどうしたのー……。ぬいぐるみで遊んでいたのー?」


「どちらかと言えば、遊ばれている感じかな。とりあえず、これ止めてくれないかな?長々と髪が引っ張られ過ぎて、そろそろ抜けていきそう」


「あぁ……そっか。律義に起こさず、勝手に止めてくれても良かったのにー」


アカネは意識が冴えつつある様子で返事するなり、ゆっくりとした動作で起き上がった。

それからベッドの上に座り込み、指先で魔法陣を描く。


「解除の暗号シグナルは……。えぇっと、なんだったかなー?アズミ以外で動作することが無かったから、忘れちったかもー」


「アズミで作動って……。それ絶対に盗撮目的でしょ」


「そうなのー?それよりもシグナルを思い出せたよー」


意外にも思い出すのが早く、すぐにアカネは暗号を魔法陣へ入力する。

するとぬいぐるみ達は正しいシグナルを受け取ったらしく、自力で定位置へ戻っては丁寧に鎮座した。

無事に停止してくれたようだが、目覚めた瞬間から騒がしい事態に見舞われてしまったことには変わりない。

しかしルリは大して気にしておらず、ぬいぐるみ達に視線を向けながら話題を広げた。


「そういえばアカネちゃんって魔法が使えるんだね。しかも、割かし高度な魔法術だよ」


「これでも今の職業は魔法少女なのでー。ただこの魔法術自体は、どこぞの引き籠り賢者がネット配信で披露していたものだけどねー」


「あぁ、そっか。瞬間完璧習得パーフェクトラーニングと瞬間記憶スキル持ちだから、見様見真似でも再現できちゃうのか。さすが天才少女、羨ましい話だよ」


「そうかなー?でも、能力不足で真似できない事の方が圧倒的に多いよー」


そう言いながらアカネは自分の目元を擦っては、手で寝ぐせを直そうとする。

しかし強靭なる寝ぐせは確固たる意志を持ったように戻らず、むしろ反抗する態度を示して悪化する一方だった。

やがてライオンのタテガミと変わらぬ髪型となり始めたので、ルリは奇怪な光景を眺める眼差しで喋りかけた。


「洗面所へ行こうか。髪が寝相より凄いことになってるよ」


「おっけー。是非とも同伴させてくれー、我が戦友よー」


「そういうアカネちゃんのたまに出る妙な言い回しって、適当に言っているだけ?」


「たぶん、視聴者コメントとかの影響だと思うよー。私、何かと影響を受けやすいのでー」


「あー……うん、なんとなく想像できるよ。人って新しい情報を(もと)に行動する傾向があるからね。まして何でも覚えちゃうアカネちゃんだから余計に顕著(けんちょ)なのかも」


「そうなのかなー?でも、その通りかもねー」


ついルリは思いつきで論理的な理由を述べてしまったが、この反応を見る限りだと実際は何も考えず口走っているだけなのだろう。

とにかく2人は洗面所で寝ぐせを直し、昼食はルリが作った。

そして、のんびりと食事を終えた後のことだ。

自宅で手料理を食べることがアカネにとって珍しい出来事だったらしく、感心した態度で喋りかけてきた。


「ルリさんって料理が得意なんだねー。とっても美味(おい)しくてびっくりしちったなー」


「ありがとう。そして私的には、台所の杜撰(ずさん)さに恐れ(おのの)いたよ。ゴミ自体はまとめてあったけど、インスタント類が山積み状態だったし」


「かさばる上に、アズミとエフ以外で片づけてくれる人がいないからねー」


「どういうこと?アカネちゃんは掃除が苦手なの?」


「んー、苦手というか、そういう家事関係のスキルは未収得だよー。この世界に転移する前はアイドル関係の活動一筋だったし、ここに住んでも私のできることは仕事の延長上しか無かったからー」


「あ、そうか。そういえば家事するのにもスキルが必要だったね」


ルリは遥か昔に神様から説明されたことを思い出し、勝手に納得しながら応えた。

ただ当然、普通に家事をこなすくらいなら高いステータスは要求されない。

それに加えて、アカネが持つスキルを考慮したら容易に習得できるはずだ。


それでも未収得ということは、本人が認知してないだけで家事苦手のデバフ系スキルを持っているのかもしれない。

だとすれば彼女は凡人が習得できないスキルを天性で持っている代わりに、凡人でも簡単に習得できるスキルを覚えられないという極端なタイプなのか。

ただし壊滅的でも無い限り苦手克服は可能なので、ルリは何気なく提案を持ち掛けた。


「ならさ、私が家事を教えようか?それくらいだったら大した労力でも無いし」


「ほんとー?それなら大歓迎だよー。とても嬉しいなー」


「おっ、意外に積極的なんだねぇ」


「日常生活で役立つ事だし、一人暮らしする身には必須だと思い知らされているからねー。あと、こう見えてもチャレンジ精神は旺盛なのでー」


「その精神ってアイドル適性じゃなく、面白芸人枠の適性だったりしない?アカネちゃんってバラエティーにも()んでそう」


「どうだろー?一応前の世界では、パラシュート無しスカイダイビングや深海の潜水艦脱出とか体を張ったことも多々あるけどー」


それだけ聞けば、本当にアイドルより芸人の才能を持っている印象を受ける。

また同時に、アカネのことだから何をやらされても「おぉー」という無難なリアクションしているのがルリには想像ついた。

そうして二人で会話しているとき、昨日の繰り返しみたいな出来事が起きる。

領主のエフがカチコミ同然の勢いで家へ突入して来て、大声を遠慮なくあげた。


「ちょっとぉー!ルリとアカネちゃんも、コンサート当日なんだから急いで来なさいよ!衣装や化粧だとか、他にも前準備が沢山あるのよぉおぉ!!」


「おぉー、エフちゃんおはよー」


「おはよう!ほら、行くわよ!急いで!もう人手不足で大変なことになっているんだから!」


エフはとても慌ただしい様子で2人を家から強引に連れ出し、コンサート会場があるという地下へ向かうため駆け足で移動を始めた。

その道中の間、急ぐ彼女は早口で状況説明と今日の予定について自発的に語ってくれる。


「控え室に着いたら、大急ぎで化粧と衣装の着替え!そして細かい段取りを聞いて、調整と把握を怠らないこと!それと会場には600万人以上の観客が集まっているから!」


600万人という単語を聞いた時、さすがにルリは聞き間違いだと思って自身の耳を疑った。

だから驚きの声をあげるしかなく、つい即座に確認をとってしまう。


「へっ、600万人!?昨日は30万人の見通しだって言って無かったっけ!?なんで20倍にも膨れ上がっているの!唐突なインフレが凄すぎるよ!」


「正直、この動員数には私だって驚きよ!何でも魔王に関する動画経緯のせいで、更なる知名度と集客力を招いただとかアズミは言っていたわ!」


「魔王って、うわぁ……。あの惨劇が世界中に拡散されたんだ……。それだけ注目もされるなんて、可哀そうに魔王さん……」


「とにかく急遽当日券の枚数を増やして、なんとか詰め込んでいる状態なのよ!それで会場とスタッフもキャパシティーオーバーしているわ!」


ざっくりとした説明ではあったが、それとなく状況は理解できた。

さすがに600万人全員を地下の会場へ案内したわけでは無いだろう。

だが、予想の20倍以上の人数が来てしまったという事実だけで現地の混乱は避けられないものだ。

それにしてもどんな交通手段で来たのか不思議だと思った時、遥か前方の空では賑やかなことになっていた。


「なんか空に要塞や戦艦の大群が浮遊してない?あと凄く邪魔そうな300メートル級のロボットも居るんだけど」


「地上だと村に行ける道が限られるからって、遥々遠方から飛んで来たらしいわ」


「どう考えても空が大渋滞になるのはヤバ過ぎるし、対処や管理のしようがないでしょ……。ついでに見慣れないものまで勝手に設営しているしさ」


「コンサートに入れなかった種族が独断でモニターしているそうよ。本来なら注意する所だけれど、今回は私達の手が回らないから見逃してあげるしか無いわ」


「うん、暗黙の了解にしておいた方が良いよ。下手に注意したら大陸ごと消し飛ばされそうだから」


昨日のキャラカフェとは違って強力な個は見受けられないが、代わりに大量の破壊兵器が空を埋め尽くしている状況だ。

心なしか空飛ぶ戦艦の砲台が村に向けられている気がして、観客同士の衝突でもあった際は確実に村が更地と成り果てるだろう。


これから時間が経てば更なる問題も起きそうであり、まさしく余計としか言いようが無い恐怖と不安に駆られてしまう。

そのためコンサートに意気込む気持ちが消沈しかけたとき、先頭を早足で進んでいたエフは空き家へ入って行った。


「ここからコンサート会場へ行くわよ」


空き家の中はまるでSFチックな構造となっていて、内装の全てが機械で作れられている。

それから無機質な空間の奥へ進めば、巨大なガラス張りの一室があった。


「なにこれ?部屋じゃないよね」


「エレベーターよ。これに乗って地下へ行くわ。既にアズミが下で待っているから急ぐわよ」


「そういえば私、会場の下見してなかったなぁ。なんか、また想像を超えてきそうで怖いよ」


未知の場所へ向かうから警戒心を持ってしまうのは仕方ないが、今さら怖気づく暇など無い。

ルリ達3人がエレベーターに乗り込むと、すぐにエフが慣れた手つきでタッチパネルを操作した。

するとエレベーターが動き出す感覚があって、ガラス越しの景色が高速で変わり始めた。

そのとき、エフが注意を呼び掛ける。


「体感的にはゆっくりに思うかもしれないけど、実際はとてつもない速さで移動するわ。ルリも酔わないよう気を付けなさい」


「……も?エフちゃんは酔うの?」


「私は平気よ。大丈夫じゃないのはアカネちゃんの方よ」


話している間にも深い場所へ向かい続けるため、密室空間でありながらも空気の変化が肌で感じ取れた。

同時に外界の音が全く聴こえなくなり、エレベーターは不思議な静寂に包まれる。

そんな中、唐突にアカネが気怠そうな呻き声を漏らした。


「うっ、ぅ…ぉぇ~………」


「あ、エフちゃんの言った通りだ。アカネちゃん大丈夫?酔ったの?」


「うぅー……そうかもー…。昔から、無機質な乗り物全般が苦手だよー。あと荷物として運ばれている感が恐い……」


「恐怖心のせいで酔っている感じなのかな。じゃあ、おまじないをかけてあげるね」


「おまじない?…ふぅん……、どんなのー…?」


「手に文字を書いて呑む呪文だよ。まずは目を瞑ってみて」


よほど辛いのかアカネは口数少ない様子で指示に従い、目を瞑ってみせた。

それからルリは彼女の手のひらに文字を描く動作をしつつ、神スキルにより新たなスキルをアカネに付与する。

授けたスキルは単純なもので、どんな状況下でも勇気が湧き上がって気後れしないという精神作用だ。

だから恐怖そのものは感じてしまうが、今の彼女には充分だろうとルリは考えた。


「さぁ、書いたよ。呑んでみて」


「んんー……」


「どうかな?特別な暗示で、すぐに効果が出るはずだけど」


「ふぁ……。うん、とっても良い感じかなー。早くも効果が出始めたよー」


「ふふっ、それなら良かった」


「ルリさん、ありがとうねー。まるで魔法みたいだったよー」


心に余裕が生まれ始めたらしく、アカネは幼いながらも明るく愛想の良い笑顔を浮かべてみせた。

そのやり取りをしている間にもエレベーターは下へ移動していき、やがて眼下には巨大空間が広がっているのが見えてきた。


「ルリとアカネちゃん、見えてきたわよ。本会場は更に奥よ」


「えっ、どれ?……ごめん。なんか視覚的な情報が多すぎるというか、もう地下帝国じゃん!!」


彼女が見た地下空間は、都市部としか言い表しがようない光景が広がっていた。

高層ビルやら独特な形状をした民家らしき建物が建ち並び、また公園や売店に加え、様々な施設やら軍事基地が一望できる。

簡単に言ってしまえば近未来と呼べる街並みで、少なくとも彼女の知るコンサート会場とは似ても似つかない世界で埋め尽くされていた。

そのせいで会場へ続く道を見つけられず、たまらず大声を上げてしまうのだった。


「さすがに色々とありえないでしょ!規模がおかしいから!人が多いせいで都会にしか見えないし!」


地下空間の天井と壁。

更には地面全体まで鋼鉄で完全補強されており、やたらと見通しが良いと思えば人工太陽らしき照明まで設置されているのが視認できた。

もはやテクノロジーどうこう以前に、この規模からして長年の建設期間が必要なはずだ。

そう思っていると、今更ながらエフが説明を付け加えてきた。


「ややこしいから昨日は秘密結社としか言わなかったけれども、元々は国規模の転移だったらしいわよ。それから建造物を全て残して、その国民全員が別の異世界へ転移されたことになるわ」


「国が丸ごと転移って異常現象すぎる……。いつか星ごと転移とかありそうで怖いなぁ」


「どうかしらね。もしかしたら私達が知らないだけで、実は星ごとの転移が発生しているかもしれないわ」


「やっぱりありえるよね。でも、もう私は何が起きても驚かないよ。絶対に」


驚きを隠せない事態続きだったが、とにかくルリは目の前のコンサートをやり遂げることに専念しようとする。

しかしその一方で、ちょうど1つの惑星が異世界転移されていた。

ウワサをすれば何とやらだ。

またこの惑星は、ただ転移されただけに留まらない。

公転を失った事と奇跡的な確率が合わさった結果、その惑星の軌道は偶然にもルリ達が住む星と重なってしまい、衝突が避けられない事態を迎えつつあった。


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