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4月
夜桜を見ながら歩いていると、アイスが食べたくなった。
そういえば、と、ジーンズの左ポケットを探ると、二百円が手に当たった。
近くのコンビニまで歩いて五分。
薄い雲のレースに月が隠れる中、街頭で照らされたアスファルトの道を歩く。
コンビニに入るも、午前二時ということもあり、売り物はあまりない。
百二十六円のアイスを買い、家に帰りながら、ふと思う。
こんなに私の幸せは安いものなのか、と。
それはとてもお手軽で、とてもお得なことだな。
この話は知人に読んでもらったことがあるので、その方が読まれると既視感あるかも?