村娘46→魔王覚醒
エロシーンはダイジェストで、ノクターンで詳細を描いてみます。
→怒られた部分を削除しました。
あたしが礼拝堂部へ戻ってくると、メリルさんは既にゴブリンに組み伏せられていた。紐で縛って動けないようにされている。
かなりゲッソリした様子だが、完全には吸収されていなかったらしい。まあ、あたしを絶望させるために、残している可能性もあるけれど。
礼拝堂部はすっかりゴブリンと少数のオークが囲っていた。すっかり準備は整っているらしい。
「“エリシア、君のお母さんをその席に縛り付けなさい”」
「はい、広瀬様」
「エリシア!」
あたしはお母さんを広瀬に指さされた席に放り投げ、置いてあった紐でてきぱきと縛り上げる。
「へっへっへっ、コれかラお楽シみタイムだぜェぇ!」
「ケリィ?! あんたまだエリシアを狙ってたのね!」
「大丈夫、エリシアを楽シんだ後ハ、フィーナさンも楽しんデやるカらさぁ!」
下種な笑みを浮かべるケリィ。とてもじゃないけどそこら中に死体が放置され、死臭が漂うこの礼拝堂部で輪姦なんてして何が楽しいか、あたしにはわからなかった。既に礼拝堂にいる人間は、あたし達を除いて全滅しているのか、呻き声すら聞こえなかった。
お母さんは、無言でケリィ睨むも、ケリィはどこ吹く風と言った感じであった。
「ショウさん、お願いシまス」
「わかったよ。それじゃ、“エリシア、こっちに来て服を脱ぎなさい”」
「はい、広瀬様」
それに、ようやく何が起きるのかの理解が追いついたお母さんが騒ぎ出す。
「待ちなさい! エリシアはやめて! 私を、私を犯しなさいよ!」
涙ながらに訴えるが、ケリィはニヤニヤしたままその様子を観察するだけだった。
あたしの身体は自分の服を脱ぎ出す。鎧を外し、ドレスを無理やり脱ぎ捨てる。このドレス、一人で着脱するのは無理だもんね。ビリビリ音を立てて服を脱ぎ捨て、あたしは肌着を残す状態になった。
「さイっこうダな! ハハッ、じゃア早速いタだきマすカ!」
あたしは覚悟をしていたので、ケリィのモノを受け入れるのは苦痛では会ったが、精神的ダメージはそこまで大きくなかった。
一方、メリルさんもゴブリンに犯されていた。どうやら殺さないように指示を与えられていたようで、あたしが解放されると同時に、メリルさんも解放された。
メリルさんの耳をつん裂くような悲鳴も、あたしが2回目の時には聞こえなくなっていた。
終わった後、お母さんが視界に入った時、お母さんの顔は凄まじかった。涙で顔をグチャグチャにし、口からは唇を噛みすぎたのか血が流れていた。
「あれ、タッキーはやらないの?」
「俺様はエリナ一筋だからな。そう言うのはいい」
「ふーん、まあ、エリナも美人だしね」
広瀬は肩で息しながらそう尋ねるが、三宅は硬派をきどっているのかそう答えた。
ケリィは聞いていないのか、早速お母さんを襲い始めていた。
あたしは、呆然としていて頭の中が真っ白になっていたけれど、お母さんの悲鳴を聞いて、意識を立て直した。
どうしよう、今すぐお母さんを助けるためには!
すぐにあたしの脳内で魔法が構築された。《火炎球》をあたしはケリィに向かって放った。
ケリィに直撃して吹き飛ばす事ができたけれども、その行動は、全員にあたしを警戒させるに至った。
「ショウ、人形はまだ屈服してないようだが?」
「チッ、じゃあ、お仕置きが必要だな」
広瀬はそう言うと、あたしにロングソードを渡した。
「“エリシア、自分の手で母親を殺しなさい”」
その命令に、今度こそあたしの心は折れてしまった。
やめろおおおおおお!! やめろおおおぉぉぉおおお!!
だけれど、あたしの身体は広瀬の命令を受け入れた。
「はい、広瀬様」
ロングソードを受け取り、精液まみれのまま、お母さんの前に立つ。お母さんは、懺悔するように頭を垂れて、あたしにこう言った。
「ああ、エリシア。あなたの力になれず、ごめんなさい。あなたのこれからに幸があるように祈っているわ。あなたの事を愛しているわ」
やめろおおおぉぉぉおお!! やめろおおおおおぉぉぉおおおおおお!!
あたしの魂の叫びも虚しく、あたしの身体は剣をお母さんの心臓に突き刺した。
そして、あたしの心は壊れてしまった。
変化が起きたのは、その時だった。
三宅隆幸の身体から黒い瘴気が溢れ出始めた。
【──三宅隆幸の魔王覚醒のためのカルマ値が規定値になりました】
その天から響く音声は、悪魔からの掲示、邪神からの承認のように、その場にいる人物は感じた。
「おお! ようやく-5000行ったか!」
楽しそうに言う三宅隆幸は笑う。そう、三宅隆幸の目的は魔王になる事だったのだ。そのために、村を潰し、人々を殺して回ったのだ。
【──三宅隆幸に【勇者魔王】の称号が与えられました。特権として邪剣【ディアディエルク】が与えられます】
淡々としているようだが、恐ろしい言葉が降りてくる。
三宅隆幸の足元から、剣が、剣の形をした絶望が生えてきた。
「へぇ、こういう特典も付いてくるのか。おもしれぇ」
三宅隆幸は剣を引く抜くと、おもむろに礼拝堂の石像を破壊する。破壊痕は凄まじく、この世界では上位魔法に当たるレベルの威力を持っている事をうかがわせる。
「ヤベェ、タッキーめっちゃつえぇ!」
「だが、俺様にはやっぱり剣はあわねぇな」
三宅隆幸に纏わりついていた瘴気が、黒い外套に変化する。まさに魔王と言った風格を三宅隆幸は身につけた。広瀬翔太郎の服装も同様に、変化していた。
そして、変化をしたのは三宅隆幸だけではなかった。
あたし、いいや、俺、違う。椎名康平としての意識が覚醒したのだ。
エリシアの周りが歪む。歪ませているのは俺だ。【魔女術】は単に魔法を作り出すだけではない。
作り出すのは何の法にも縛られない、正真正銘の魔法だ。
バキンと音を立てて、俺を縛っていた魅了が破壊された。そういうのを解除する魔法を作って行使したのだ。
俺が足を踏み鳴らすと、一瞬でエリシアの身体が綺麗になる。それこそ、膣内に放出された気持ち悪いものも、消しとばす。
そして、一時的に見た目を変更する。エリシアの見た目から椎名康平の姿に変える。中肉中背の黒髪短髪の青年の姿に変化させた。
「……これっきりだ。少し体を借りるぞ」
俺はそう呟くと、聖剣を召喚する。
本来はエリシアが【魔女術】の本当の能力に気づくべき事だ。エリシアが気づいていれば、今回の事態は防げたはずだ。だから、俺が出てくるのはこれっきりにしてほしい。俺はもう、死んだ存在なのだからな。
俺は三宅隆幸が気づかないうちに、メリルのところに移動する。それこそ、瞬間移動である。
「大丈夫か?」
俺は魔法を発動させ、メリルの周りのゴブリンを消しとばす。メリルを見ると、年齢にそぐわないレベルである。状態異常と言うわけではないので、回復できなさそうである。
「え、エリシア……様……?」
「ああ、そうだ。治せるものは治しておくから安心して寝たらいい」
俺は魔法を使う。すぐに、ゴブリンの精液を吹き飛ばし、負っている怪我を治療する。
傷口が逆再生するように回復する。しかしながら、奪われた経験はどうしようもない。
メリルは、治癒が完了すると、気を失ってしまった。
「おい、テメェ誰だ!」
ようやく気付いたらしい【勇者魔王】三宅隆幸が俺に剣を向ける。
「俺か? 俺はエリシアだ」
「はぁ? どう見ても日本人だろテメェ。召喚された時も見た記憶ねぇな?」
「ふん、イキッた糞ヤンキーに訳を話すわけがないだろうが、スカタン」
「はぁ? 俺様が命令してるんだから素直に喋ろよ!」
三宅隆幸はそう言うと、こちらを殴りに来る。一番なれている武器がステゴロだから仕方ないだろう。まあ、今は素直に戦いを受けるつもりは無い。俺が目覚めたのは単にエリシアの代わりに為すべき事を成すためだからだ。
なので、俺は短距離を転移する。煙のように消えて、メリルを抱えて子供達が待機している部屋に移動する。
転移直前に見た三宅隆幸の顔はなかなかに見ものな呆気にとられた顔だった事は追記しておこう。
前世の彼こと椎名康平くんです。
【魔女術】はそれこそチートそのものです。
それこそRPGの魔法世界にハリーポッターの魔法を持ち込むレベルのチートです。
まあ、このレベルのチートがなければ倒せないほど、魔王は強いわけですが……。