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村娘だけど実は勇者の転生者でした  作者: 空豆だいす(ちびだいず)
村娘だけど実は勇者の転生者でした
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村娘28→いざ、冒険の準備2

すみません、ストック切れで現在書いている最中です。

平日に連載、休日に書き溜めるというサイクルで回していきますので申し訳ありません。

 ビアル、ナシャ、あたしの3人で、冒険に必要な備品を買いあさりに来た。と言っても、あたしは基本的にお金を出すだけなんだけれどね。


「ビアル、ナシャ、冒険に必要なものは何かあたしはあんまりわからないから、任せて大丈夫かしら?」

「ええ、良いわよ。とは言っても、だいたい冒険者ギルド内で揃っちゃうんだけどね」


 と言うわけで、あたしはギルド内ショップに立ち寄っていた。初心者向けセットやらそう言うものが売ってある。廉価品の回復ポーションならば、2エリン程度で購入できるので、割とお買い得のようである。


「すみませーん、中級冒険者セット5人分と、テント、野営セットをください」

「あいよ、ってナシャじゃないか。後ろのメンバーは?」

「ああ、エリシアとビアルよ。魔王退治に行くことのしたのよ」


 ナシャの言葉にショップの店員さんが驚く。


「ええ!? マジかよ。って、エリシアって、エリシア・レアネ・フェルギリティナ様じゃねーか!」


 ショップのおじさんはあたしを見て目を白黒させる。あー、こういう反応されるんだー。そう思うとなんだか悲しくなってくる。《英雄》だからと言っても、あたしは結局魔法以外はそこまで才能があるわけではないのだ。その特異な魔法に関しても、普通の《魔法使い》と比較しても魔力量が絶対的に劣っている現状である。

 あたし自身の評価に対して、周りからの評価が高すぎるのだ。


「そういうこと。ただ、南の勇者様みたいにいきなり魔王に挑むのではなくて、ちゃんと力をつけてから挑むのだけどね」

「まあ、確かに魔王討伐メンバーなら、おまえさんの望みは叶えられるだろうが……」

「まあね」


 ナシャの望み? 魔王討伐で何が叶うのだろうか? 気にならないこともないけど、協力してくれるならあたしとしては問題ないので、口をつぐんでおこう。旅の中でいずれ聞く機会もあるだろう。


「まあ、必要なものはわかった。合計1200エリンだ。テントは最近発売された最新の魔法で自動展開、自動収納可能なタイプを出しておこう」

「お、ありがたいかな」

「最近魔道研究所から仕入れたんだよ。こっちに卸されるってことは、品質は保証済みだ」

「まあ、実際に使ってみてからって感じだね」


 という感じで、あたしたちの買い物の70%は終わってしまったわけであるが、次に必要なものは食料である。ビオルたちに案内してもらい、食糧販売店の並ぶ箇所に到着した。町の中はにぎわっており、ちょうど夕食時も近いだけあってか主婦の方が多い。

 ナシャの指示で、購入するのは基本的に新鮮なものではなく、日持ちのするものであった。多くはパスタやライスのような主食となるもの、ミートソースなどの加工済み食品である。日持ちはするといっても、保存状態をよくして、生活魔法の腐敗を防ぐ魔法である《腐敗防止(プリザーバ)》をかけたとしても、10日持てば良いほうである。まあ、《腐敗防止(プリザーバ)》自体はあたしも普通に使えるし少し改良しているとはいえ、12日持たせる程度なので大した差はないのだ。


「はー、これで大体購入し終わったね」

「結構な量になったわね」


 木製のリヤカーをビアルに押してもらいながら、あたしたちは冒険者ギルドまで戻る。5人分の5日分なので、それなりの量になる。と言っても、リヤカーにこんもりというわけではなく、いっぱいの籠が複数載っている程度である。

 まあ、普段の生活で買うだけの量よりも少し多い感じなのだが、まとめて買うとこれくらいになるのだなと改めて感じるのだった。


「とりあえず、《腐敗防止(プリザーバ)》をかけるわね」


 あたしはリヤカーの後ろまで行くと、ルーン文字を空中に書き上げる。生活魔法は詠唱する必要ないレベルにはなっているため、ルーンに魔力を込めて魔法名を唱えるだけで充分である。


「《腐敗防止(プリザーバ)》!」


 食品に防腐の魔法がかかる。透明な魔力の膜が食物にかかる。


「おおー、それがルーン魔法か!」

「ええ、ルーン魔法だけで使えるのは生活魔法ぐらいなものだけれどね」


 よく使う魔法だからこそ、イメージしやすいのだ。あまり使わない攻撃魔法に関しては、詠唱を交えて魔法を構成する方が楽である。


「いや、そもそもルーン魔法をそこまで使えるのは、俺の知る限りでは貴女ぐらいなものだけどね」

「ははは、そうなんだ……」


 いきなりビアルが饒舌に話し始めて、あたしはびっくりしてしまった。


「そう言えば、何でビアルは魔王討伐の旅についていこうと思ったの?」

「エイリアム様から、エリシアの魔法が素晴らしいと聞いたからに決まってるのさ。早速見せてもらって、すごく興奮しているけどさ!」


 鼻から息を吹き出す勢いで興奮しているビアル。顔は格好いい方だと思うけれど、その魔法オタクさが残念度を上昇させているようである。

 よくよく見ると、ビアルはそのローブの中には鍛えた肉体が隠れているようであった。顔つきや髪型から、あたしとしては魔法使いと言うよりは戦士と言った風貌のように思うのだけれどね。


「エル、《魔法使い》は興味ある事にしか会話しないタイプは結構いるわよ。気にしない方がいいわ」

「そうなんだ」


 あたし達が冒険者ギルドに帰り着くまでには日はほとんど落ちかけていた。お互いの親睦を深めつつ、リヤカーを押しながらだったので仕方ないかもしれない。

 ギルドに帰り着くと、エルウィンさんとシーヴェルクさんが待っていた。


「エリシア、随分時間がかかりましたね」

「ええ、思っていたよりも店がばらけていてね。探すのにちょっと手間取ってしまったわ」

「ふむ、まあパーティの親睦を深めることはいいことだと思いますよ」

「うん、仲は深まったと思うわ。基本雑談していたしね」

「それは良かった」


 エルウィンさんはにっこりと微笑む。


「では、今日は遅いので一度戻りましょう」

「そうね。ナシャやビアルはどうするのかしら?」


 あたしが聞くと、ギルドを指差して答えてくれた。


「ギルドが経営している宿屋、『花の子山羊亭』ってところに私は泊まっているわ」

「俺は、ギルドの研究室で寝泊りをしているな」

「それじゃあ、明日早朝に出発で良いかしらね」


 あたしがそう言うと、いつのまにか側にいたメリルさんが答えてくれる。


「ええ、大丈夫です。明日早朝に、荷物を積み込んでお待ちしています」


 できる侍女は違うなぁ。まあ、侍女としてあたしは見れないわけだけど。あたしより偉いところのご令嬢な訳だしね、メリルさんは。


「それじゃ、明日早朝の7時ぐらいにギルド前に集合しましょう」

「わかった」

「はっ」

「畏まりました」

「了解!」


 あたしの指示にみんな快く答えてくれた。全員あたしより年上のはずなんだけどなぁ。まあ、リーダーはあたしらしいし、ちゃんとしっかりとしないとね。あたしはそう考えるのであった。

【人物紹介①】

エリシア・デュ・リナーシス

→エリシア・レアネ・フェルギリティナ

性別:女性

年齢:15歳

種族:人間(ヒューマン)

出身:リナーシス村

言語:種族交易共通語 読/会、ダルヴレク語 会、ダルヴレク貴族語 会、日本語 読/会

祝福:《英雄》

〇能力

 剣術:

  片手剣:【銅級】上位程度 new

 魔法:【銀級】下位程度

  ルーン魔法:【銅級】上位程度

  詠唱魔法:【金級】中位程度

 魔力量:【銅級】上位程度

〇スキル

 聖剣の鞘:【銅級】下位

 【魔女術(ウィッチクラフト)】:Lv4

 統率力:【銅級】下位 new

 ルーン魔法:【銅級】上位

 詠唱魔法:【金級】中位


勇者が転移事故に巻き込まれて生まれた転生体。

ただし、元の性格とは異なっておりツンデレで気の強い性格をしている。

黙っていればまるで人形のように美人である。

金髪の緩くカールのかかった長髪をしているが、冒険時はシニヨンの変形させた髪型でいることが多い。

濃ゆい藍色の瞳をしており、父親に似ているのは瞳の色だけである。

貴族に祭り上げられたけれど、本人はあまり好ましく思っていない。

妹のシエラが大切であり、顔を合わせれば必ず可愛がる。

彼女の最終目標は、元の村娘ライフに戻りシエラを可愛がることである。

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