村娘27→いざ、冒険の準備1
これで、一応メンバーがそろったわけである。あたしが最年少であることは変わらないけれどね。ざっくりとポジションをまとめると、こんな感じである。
勇者:あたし
剣士:メリルさん
戦士兼回復術士:シーヴェルクさん
魔法使い:ビネア
斥候:ナシャ
ポジションとしてはこんなイメージだろう。自分自身のポジションがあやふやなので、とりあえず何でも出来る勇者ポジションにしたけれどね。性別のバランスも良いし、あたしとしては問題ないかなと思う。前衛3、中衛1、後衛1と言う感じだからちょっと前衛が重いけれど、これ以上メンバーを増やしても足が重くなるだけだろうしね。
アメリさんに仲間募集の掲示を完了扱いにしてもらった。冒険者ギルドのクエストをやる事についてはあたし達にはあまり意味のないことであるので、基本的にはクエストを受注したりする事はないだろう。それに、国から支援を貰っているあたし達が他の冒険者の邪魔をしてはいけないのだ。
「そう言えば、ナシャはあたし達が魔王討伐を目的としていると言う事は了承済みで良いのよね?」
「もちろん、そのつもりよ」
ということで、あたしの冒険者として初めてのパーティが出来上がったのだった。
「エリシア様、最初はリナーシス村に行くのでしたっけ」
「ええ、東側に向かった勇者様は少ないものね」
「確か、ショーイチ・タキザワ様、イツキ・カバシマ様のパーティが向かわれているはずです」
思ってたより少なかったうえに、滝沢と樺島のパーティか。あたしとしてはあんまりかかわりたくない二人であるがその二人しか向かっていないならあたしが向かっても問題ないだろう。
それにしても、メリルさんはばっちり覚えているんだな。さすがである。
「それじゃあ、出発はいつにしようかしら?」
「今からでも構いませんよ、エリシア」
「そうなの?」
「ええ、他の勇者様方も、自分のタイミングで出発していますからね。お金も金貨を準備しておりますし、王都で待機すると判断した勇者様以外は多くがすでに出立しています」
あたしとしては、回復ポーションなどの必要なものを準備するのに1日と考えていたわけである。他のみんなは大丈夫かしら。まあ、《勇者》のスキルにアイテムボックスみたいな便利な技能があるかもしれないし、購入した備品はそういったもので管理できれば十分であるだろう。残念ながらあたしにはそんな技能はないし、そういう道具や魔法も存在しないのだけれどね。
だから、これからやるべきことは決まっていた。必要な備品を購入し、アイテム運搬用の馬車と業者を雇うのだ。
「なら、あたしたちは旅の備品の準備をしようかしら。メリルさん、備品の運搬が出来る馬車の手配をお願いしても構わないかしら。お金は経費で落とすわ」
「かしこまりました、エリシア様」
「ナシャとビアルはあたしと一緒に旅の備品の購入ね。シーヴェルクさんはそうね、戦いに必要そうな道具を集めておいてもらえるかしら?」
「わかった」
「はいよー」
「はっ、エリシア様の指示通り、戦に役に立つものを集めておきます」
「よろしく頼むわ」
あたしはサックリと指示を出す。
「なら、僕はヴェルに付き添うかな。エストは冒険者の街、色々あるから楽しんでくると良いですよ」
「ええ、ありがとう」
こうして、あたし達は買い物をする事になったのだった。
今回は少なめです。
思っていたより書き溜められませんでした。