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村娘だけど実は勇者の転生者でした  作者: 空豆だいす(ちびだいず)
現代日本に来ても異世界勇者の宿命から逃れられません
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椎名康平2

1日空けてすみません!

ちょっとうまく書けなくて、予約してた投降がすべて公開された感じです!

異界(ダンジョン)の場所ですか?」

「はい。エリシアさんを引き取ってから発生している失踪事件や、類似した情報を集めたところ、3箇所気になる場所があります」

「なんか、すごいですね」

「まあ、これぐらいならば」


 そう言って、東京23区内のマップを広げる。


「23区内で2件、遠く八王子市で1件、おそらくダンジョンに関連すると思われます」

「あれ、3件なんですか?」

「ええ。ただ、塾のように突然発生する場合もありますから、断定はできませんがね」


 改めて、あたしは純一園長は優秀なのだなと感じた。


「なら、まずはそこを探索するということになりそうですね」

「はい。危険は承知ですが、こればかりはエリシアさんたちに任せるしかないかと思います」


 実際、新宿駅の異界(ダンジョン)は入場が限定されてしまっていた。

 そうなると、絶対に条件に合うあたし以外は誰が入れるかについては入ってみるまではわからない。

 純一園長も入れるかは保証できないのだ。


「わかりました。十代と時間を合わせて行ってみようと思います」

「そうですね。では、十代くんの練習スケジュールは渡しておきます。決まったら私にも教えてください。私も同行します」

「ありがとうございます」

「いえ、私はこれでも、孤児院を運営している園長ですからね。エリシアさんの困った先を照らすのが我々大人の役目です」


 まあ、異界(ダンジョン)探索に関しては準備なんて何の意味も無い。

 異界(ダンジョン)の事は異界(ダンジョン)で解決するほかないのだ。

 それでも、黙って背中を押してくれる純一園長の姿は温かく思えた。

 あたし自身、自分が誰なのかは行方不明だけれども、少なくとも『石橋エリシア』としての帰ってくる場所は【児愛の家】だと確信できる。

 そう考えると、今のあたしのアイデンティティを過去の自分に求めるのはおかしな気がしてきた。

 さっさとこんなくだらない試練は乗り越えて、『石橋エリシア』として、普通の中学生としてこの世界で生きていきたいものである。


 それから、あたしは時間を見て、異界(ダンジョン)の攻略の日程を決めた。

 朋美や蘭子はもちろんのこと、十代も協力してくれるし、心配をする必要はあたしにはなかった。

 唯一気がかりなのは、詩織と康平である。

 あたしがこの世界にエリシアとして存在しているにもかかわらず、康平の姿で現れたというのが問題なのだ。

 ただ、現状何が起こっているわけでもないし、火曜日に決まった詩織と純一園長の面談を待つしかあたしにはなかったのである。



 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



 椎名 知樹(しいな ともき)は小学6年生だ。

 夏休みだけれども、両親は共働きで、良くしてくれた兄は行方不明になってしまった。

 確かに、兄が行方不明になって寂しいけれども、自分がしっかりしなければと思う知樹は、兄をまねして正義の味方ごっこをしている。

 困っている人がいたら、手助けをするのだ。


 実際、知樹にとって兄は誇りだった。

 困っている人がいたら迷わず手助けをし、全力で問題を解決する姿に知樹は憧れたのだ。

 だから、きっと行方不明になった今でも、兄は誰かを助けるために動いていると確信し、その兄を習って、知樹もできる範囲で困っている人を助けるボランティアをやっていた。


 そんな知樹が、帰り道に兄の影を見かける。


「兄ちゃん?」


 その影は、まるでついてこいと言っているかのように、知樹を誘導する。

 そこは、近所の神社だった。

 今度の日曜日に夏祭りがある神社。

 兄の影を追いかけていくと、境内の中央に兄の影がたたずんでいた。


「兄ちゃん……!」


 知樹の呼びかけに、影は答えない。

 近寄ろうと思っても、知樹はなぜだか足が動かなかった。

 だから、近づける範囲から声をかけるしかなかった。


 影は、神社の後ろにある森を指さす。

 そして、口を動かした。


『夏祭りの夜、エリシアをあの森に。暴食の試練が待っている』


 声は伝わらなかったし、意味は分からなかったが、知樹にはなぜだかそう、理解できた。


「どういう意味だよ?!」


 知樹の問いに答える間もなく、まるで溶けるように兄の影は消えてしまった。

 どういう意味なのか、そもそも『エリシア』が誰なのか、何もわからない知樹は、その場にたたずむしかなかった。

ちなみに、別に園長の憶測が間違ってるわけではないです。

1つのダンジョンの場所は当ててます。

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