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村娘だけど実は勇者の転生者でした  作者: 空豆だいす(ちびだいず)
異世界に飛ばされたけれど私は元気です
133/155

異界化新宿駅 F9(合流)

 あの後、なぜかオバサンたちと遭遇することなく、地下8階に到達した。

 護衛対象が1人にまで減ったので、別にフロアを一掃する必要もなくなり、行軍ペースは早くなったのは事実だった。

 合流すれば、もちろん吉岡さんたちは助けるつもりだったけれども、残念ながら道中で遭遇することはなかったのだ。


 地下8階までは。


「あ! 朋美ちゃん、蘭子ちゃん、えりちゃん!」


 あたしたちが次の階段を目指して行軍していると、吉岡さんの声が聞こえてきた。


「吉岡さん!」


 吉岡さんたち女子レスリング部の人たちはだいぶんボロボロである。

 また、連れてきた女性たちも、12人であたしたちが助けた半分以下に減っていた。


「あれ、残りの人たちは?」

「あの人たちはどうでもいいよ。それよりもあたいらはあんたたちが無事で安心してたよ」

「ま、エリがいるからね。それに、あの程度の拘束ならエリが魔法を使えなくてもあーしらで何とか出来たし」

「それは良かった」


 居なくなった面々は、ざっと見た感じあのオバサンと同じ意見の人が大半だったようだ。

 それに、魔物連中に手籠めにされた人たちの姿も見えない。

 知ってる人で親しい人と無事合流できたのはうれしいけれども、やはりそこが気になってしまう。


「吉岡さん、他の人たちは……?」


 朋美が改めて聞き直すと、吉岡さんたちは首を横に振ったり、暗い顔をした。


「……ごめんけど、中学生に話せる内容じゃないんだ。大人の黒い面を無様にさらした結果だからね」

「そうそう、君たちが聞いても何の参考にもならない話だから、知る必要はないよ」

「聞いても胸糞悪いだけだからね」


 レスリング部の人たちはそういって話そうとしない。

 いや、話したくないのだろう。

 よく見ると、全員が満身創痍の様相を呈しており、守られているはずの後ろの12人の女性もボウガンなどの武器を手にしている。


「まあ、君たちみたいに勇敢な中学生に顔向けできないことが起こったと思ってもらえれば良い。恥ずかしい大人が醜態をさらした結果、助けられる人たちを助けれなかっただけの話だよ」

「吉岡さん……」


 吉岡さんの顔が曇る。

 きっと、助けられなかったのは吉岡さんのせいではないのだろう。吉岡さんが主体で動けていれば、犠牲は出なかったのだとあたしは感じた。

 ただ、それで吉岡さんが曇るのは良くないと思ったあたしは、言葉を選んで吉岡さんを励ます。


「吉岡さん。それでも、あんな人たちがいる中でも、12人とレスリング部の人たち……3人を守り切ることができてます。きっと、吉岡さんだからできたことだと思うんです。こんな危険なダンジョンですし、誰しも命を落とす可能性があります。そんな中、15人が吉岡さんに命を預けられてたのは、吉岡さんの勇気がみんなに勇気を与えたからだと思います」

「うん、エリちゃんの言う通りだよ!」

「そうですよ、部長! 仕方なかったで片付けられる話では確かにないのかもしれないですけど、部長が気に病む必要はないです!」


 レスリング部の一人の言葉に、全員がうなづく。


「そうです。レスリング部のみなさんが居なかったら、私たちもここまで来れてないです!」

「確かに生贄にされた人たちは残念ですけど、あの人たちを追い出せなかったのは私たちの責任でもあります」

「……みなさん」


 生き残りの人たちに励まされる吉岡さん。

 やっぱり、命がけでここまで降りてきただけあって、連帯感というか、一蓮托生の雰囲気がある。

 確かに、あのオバサン連中の末路や、【生贄】にされた人たちについては気になるけれども、そんなことよりも優先すべきことがある。

 この異界の踏破だ。


「とにかく、まずはこのダンジョンをクリアしましょう。きっと、合流できたということは次の階あたりにボスがいます」

「そうそう。基本的にダンジョンってボスを倒してしまえば消滅するっぽいしね。消滅したときに運が良ければ遅れてる人たちも脱出できるかもでしょ」


 蘭子があたしの意見に同意する。


「ボス……。まるでゲームみたいね」

「友達が言うには、不思議のダンジョンみたいだと」

「ああ! 風来のシ〇ンみたいな感じね! 確かに大まかなシステムは似てるわ」


 どうやら、助けた人の中にも輝明や小南のように精通している人がいたらしい。


「どちらにしても、ダンジョンのルールがボスアタックをクリアで脱出ならば、それをなす必要があるわね」

「戦いは、あたしと蘭子、吉岡さんでやりましょう。朋美は他のみなさんの援護の指示をしてほしいわ」

「それは任せて!」

「どちらにしても、まずはこの階を下りる必要があるわね」


 こうして、あたしたちはとにかく先に進むことにした。

 途中、休憩をはさみながら、階段を下りたあたしたちを待っていたのは、例のボス部屋前の扉だった。

先にオバサン連中の末路を書いた方が面白いですかね?

どちらにしても、R18展開に近いものになりそうですし、書くならばR18版に書こうかなと思います。

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