夏休みを満喫する その1
水着回だ!!!!(まさか書けるとは思わなかった)
夏休みが始まって数日。
塾に通い、蘭子や朋美と遊ぶような毎日を送っていた。
ただ、7月29日は珍しく猛暑日で、塾は定休日だった。
「それじゃ、あーしらでプールに遊びに行こうぜ!」
という蘭子の提案で、中学3年生だというのに市民プールに遊びに行くことになったのだった。
「市民プール?」
「そう、エリは知らないんだっけ?」
「いや、ああいう施設って普通はそうそう行くものじゃないでしょ」
シーナの記憶から、一度もそういう施設に行ったことはない。
「じゃあ、みんなで一緒に行こう! どうせなら引きこもりの輝明くんや小南くん、十代くんも誘ってさ!」
「いいわね。といっても、十代は野球部があるだろうしむつかしいだろうけどね。この間も20分間消息不明になってめっちゃ心配されていたらしいし」
「あー。それは申し訳ないわね」
異界化した塾の件は、大きく騒がれてはいないものの20分間もの間、塾の入り口が開かず、中の人も20分時間が消えていたことで、少し事件のようになっていた。ともあれ、入り口の件は自動ドアの不調、20分間の時間の消失は気のせいってことに落ち着いたみたいだけれどね。あの件に関して実際に衝撃を受けているのはあたしたちぐらいなものだろう。
十代は、気づいたらベンチで気を失った状態で発見されたようだった。
「というわけで、明日プールに行くから新しい水着を見繕いに行こ!」
「オッケー」
という感じで、昨日の塾が終わった後、あたしたちは水着を選びに行ったのだった。
蘭子はスレンダーな体型で、スポーティな水着を選んでいた。スポーティながらもちゃんとセパレートタイプで、明るめの青色の水着だ。
朋美はピンクの水着で、かわいらしさが前面に出たフリル付きの水着だ。体型のせいでちょっとエッチな感じもしないことも無いけれども、かわいい。
あたしは蘭子と同じくセパレートタイプで、あまり胸を強調しないものにした。色も落ち着いた感じの青色にしている。ただ、鍛えてたせいでちょっと割れた腹筋が気になるっちゃ気になる。おっぱいのサイズは転移してからほとんど変わっていないので、朋美より少し小さいのがちょっと気になったけれどね。
「エリも美人なんだからもっとオシャレなの選べばよかったのに」
「いや、あたしは別にいいかなって。そもそもこれでも結構オシャレだと思うんだけれどなぁ」
二人に比べれば、確かに艶やかさとかはないけれども十分にオシャレだと思う。
そもそも、あたしの世界に水着ってあったっけ? だんだん記憶がぼやけてる気がする。。。
そんなのんきな会話をしながら、昨日の買い出しを終えて翌日。6人で市民プールに出かけることになった。十代は、なんか声を掛けたら二つ返事でオッケーを出したのはなんでだろうね?
「おう、朋美も行くのか?」
「もちろんそうだけど……」
「なら行く」
あたしは察したね。確かに、十代と朋美はヒーローとヒロインって感じだし、お似合いに違いない。
あたしから見ても、十代はカッコイイ。アルフレッドよりも間違いなく正確は良いしね。だったら、応援しないと損だよね! まあ、朋美の気持ちもあるから、無理やりってわけにもいかないけれど。
十代に関しては蘭子も承知だったようで、二人でニヤニヤしていたと思う。
「あー、エリも気づいちゃった?」
「蘭子、知ってたんだ」
「まあね。エリが来る前から十代は気があったと思うよ。ともはあんまりそういう話題に乗ってくれないからわかんないけど」
「そうなんだ。あたしから見ても十代はかっこいいと思うんだけど」
「お、じゃあともと競っちゃう?」
「いやいや、十代の反応からあたしが入る隙無いでしょ」
「冗談。エリはなんか、一歩おいて俯瞰してるような感じだもんね」
「う……」
「ま、わかるよ。まだ、仲良くなって半年だもんね。あーしも入ったときはいろいろあったしね」
「蘭子……」
「ま、そういう意味でももっと仲良くなろうってこと!」
あたしはいつも朋美と蘭子に助けられている。あたしは蘭子の言葉に嬉しくなり、うなづいたのだった。
だんだんエリシアが元の世界に帰りづらくなりそう。。。