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新たなる目的


ワンダーはこの世界では死ぬ事が出来ない、最低でも数百年は生き続ける事ができ、次のワンダーを呼び出すまで元の世界には戻れないようだ。


そしてこの国は現在増えすぎた人口が、世界のバランスを保て無くなりつつあり、保て無くなった負の力により珠とよばれる球体がうみ出され、争いがおこっているのだ。


その珠を保有しているのは、アルサスと呼ばれる人間族の王で、以前は心優しい若者だった。


《見えましたか…。マナ姫、これが貴女が今から行うべき運命です》


《はい…。ユリシス様…私はアルサス様に会わなければならないのですね》


すると女王はにっこりと笑い、私の手のひらに杖を置いた。


《この杖は貴女の力を旨く使用するのに必要です、お持ち下さい。マナ姫に旅のご加護があらんことをお祈り致しております》


女王はそう話すと、フィンに近寄り何か耳元で囁いた。


彼は驚いた様子だったが、暫くすると頷き女王に跪いた。


女王はフィンの額に指先を近づけ、詠唱を始めた。


すると彼の額にはドラゴンの紋章が浮き上がった。彼の力が上がったようだ。


《有り難うございます、女王陛下》


《フィン皇子、マナ姫を頼みます。彼女はこの世界の人々にとっても、大切なお方です。貴方がお守りして下さい》


《はい、分かりました…では失礼致します》


マナとフィンは女王と別れ部屋を後にした。


《マナ姫、まずはハーレイの港町に戻りましょう。女王から許しを得ましたので、人間族の港への船を用意してくれるそうです》


《有り難うございます。でもフィン様、人間族は今貴方のお国と、争い事がおこっているのでしょう?そんな国へ皇子の貴方が渡っても大丈夫なのですか?》


マナは不安げな視線でフィンを見つめた。


《私は公式な場所では一介の兵士でしか式典に出て居ないので、大丈夫でしょう、先程ユリシス様にも幻影の魔法をかけて頂きましたので、人間族には気づかれ無いと思います》


《そうですか…良かった。それではこれからも宜しくお願いしますフィン様》


《えぇマナ姫。ではハーレイ港まで急ぎましょう。明日の朝には人間族の大陸に出発です。でも気をつけて下さい、貴女がワンダーだと言うことは極力内緒にしておきましょう。人間族の中でもワンダーは微妙な立場なのです、彼らも文献や書物で、ワンダーについては知っている筈なので、なるべく用心深く行動した方が得策でしょう》


《はい…分かりました。しかし、人間族の王アルサス様とは、どのような方なのでしょうか…。フィン様はご存知ですか?》


《私も詳しくは知らないのですが、元は心優しい青年だったと聞いています。ある日突然人が変わったように、豹変したと聞きました…噂ですが…。彼は剣士で剣技はかなりの物とか…。なるべく戦闘は避けたい相手ですね》


《アルサス様…。私のお話を聞いて頂けたら良いのですが…》


マナは物憂げな表情で俯きながら呟いた。


翌日、女王が用意してくれた船に乗り込み、フィンとマナは人間族の大陸を目指し旅立った。



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