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第86話 零

フェンリルバーサス近江決着!勝つのは…


今回の黒鉄元帥の艦魂招待会も最終話です。

ミサイルで迎撃できなくなる距離に近江が到達すると同時にフェンリルの三連装40センチ砲6門が一斉に火を噴いた。

だが、それは一瞬である。

たちまちフェンリルは薄紫色のバリアに包まれるが近江の主砲はその一瞬の隙に渾身の一撃叩き込んだ。


グワアアアアン


と爆発がしフェンリルの開放式の右側の飛行甲板がカタパルトごと吹き飛んだ。

「ぎゃああああ!」

フェンリルの艦魂フェイは頭に激しい痛みを感じると同時に右目が頭から流れる血で真っ赤に染まった。


「くそジャップが!」


ぎらぎらと怒りに燃えたぎる憎悪の目で接近してくる近江をフェイは睨みつけた。


だが、その近江にもフェンリルの砲弾が迫った。




「二番砲塔に直撃!天蓋がはじきました!」


「敵艦との距離1万!」


「敵艦に着弾を確認!」


次々入ってくる情報を森下は素早く頭で考えてる。

敵は守りに入った

こちらの弾が尽きるのを待つ気なのだと森下は思った。


「艦長!こちらの砲弾がまるで効きません!」


副長が悲鳴をあげた。

51センチ砲はいくつかは命中していたがバリアを張られた後はまったくダメージがない。


「まだだ。もっと接近するんだ」


みるみる縮まっていくフェンリルとの距離に副長を始めとして皆恐怖を覚えた。

まさかぶつけるのかと思うものもあったが森下はそんなことをする気はない。

そしてある地点で彼は叫んだ。


「主砲発射やめ!鉄鋼弾装点!機関が焼き切れても構わん!最大戦速でフェンリルの真横につけ!」









「奴が突っ込んできます!」


「な、まさかぶつける気か!」


ルードは蒼白になった。

いかにバリアがあるとはあのような巨大戦艦にあの速度でぶつかられては只で済むはずがない。


「面舵いっぱぁぁい!急げ!」


「面舵いっぱぁぁい!」


兵士は悲鳴のような言葉を発して舵を切った。


フェイもまたその特攻としかいいようのない近江の接近に


「ちくしょう!神風か!この外道があ!」


フェイはライフルを撃ちたかったがバリアがあるため撃てなかった。

例え撃てたとしてもどうなるものでもなかったろうが…


見ると近江の第一砲塔の上に誰かいる。軍刀を抜きこちらに無表情に向けている名も知らない艦魂をフェイは見た。

両者の距離はフェイが目がいいとはいえそれほど接近していたのだ。


「近江ぃ!」


フェイは怒りの声を上げると同時に近江の右舷からジェット噴射が行われた。


「面舵いっぱぁぁい!右舷機関室!」


グググと近江とフェンリルの距離が詰まるもはや500メートルもないその距離である。


フェンリルは逃れようとするが近江はジェットエンジンの噴射で急激にに接近した。

そして、ぶつかるとだれもが思った時、森下は神技的なタイミングで叫んだ。


「取り舵いっぱぁぁい!主砲!撃ぇ!総員衝撃にそなえろぉ!」


両者の距離は30メートルもなかった。

そして近江はほぼ零距離で51センチ砲を放った。

バリアに命中し消滅すると思われたがバリアは砕けて51センチ砲9門がフェンリルに突き刺さった。


「ぎゃああああ!」

フェイが全身から血飛沫をあげて甲板に倒れるより早くフェンリルは大爆発を起こした。

至近距離の爆発である。

近江もただではすまない。

破片が近江に降り注ぎ紅蓮の炎が近江を包む。


砲塔に立っていた零はたまらず艦僑に転移したがその背から血が飛び散った。


「あぐ…」


零は顔を歪めて膝をついた瞬間今度は腕が裂けて血が吹き出した。


近江には恐るべき事態が起きていた。

まずフェンリルの巨大な破片が後部の1基のジェット機関に直撃しジェット機関がそのまま爆発と同時にもげて海に落ちた。


更にあろうことかフェンリルの40センチ砲が砲弾ではなく吹っ飛んできて第1砲塔の51センチ砲に直撃した。

第一砲塔は全滅だろう。


至近距離の炎は更に近江に搭載されていたレーダーを焼き艦僑のガラスも熱で吹き飛んだ。


伏せた森下達にガラスが降り注ぎそれが終わると森下は立ち上がった。


「被害状況を伝えろ!」


奇跡の操艦技術。

それがあるから山本は彼に超大和とでもいうべく近江を森下に預けた。

彼はこの戦いで初めての超高速艦隊決戦でほぼ零距離射撃を決めさらにフェンリルと激突するぎりぎりのまさに奇跡のタイミングで艦を衝突から救った。


『零距離射撃』


これこそが艦を激突させる以外で未来戦艦のバリアを破る現在で唯一の方法だった。

しかも、51センチ砲でなければならない。

本来近江には46センチ砲が搭載予定だったが試作として作られていた51センチ砲に急遽変更されたのだ。

ルードが近江の主砲を46センチ砲だと思っていたのはこのためだ。

彼の知る未来では近江は46センチ砲が搭載されていた…



「第一砲塔大破!火災発生!」


「後部第3機関室応答ありません!」


「レーダー使用不能!」


「速力落ちます!」


「消火作業急げ!」

森下はふーと息を吐いた。

フェンリルの撃沈は確実だった。

負傷者が運ばれていく中、衛生兵が森下に駆け寄ってきた。


「艦長手当を」


「ん?」


思わず右手を頭に当てるとぬるりと血が手についた。

どうやら怪我をしたらしかった。


「これくらい大丈夫だよ」


「しかし…」


森下は分かったと衛生兵に言う。


「それより包帯を貸してくれんか?」


「は?構いませんが」


衛生兵が包帯を渡すと艦僑に倒れている零の元に森下は向かい手当を開始した。

「す、すみません…」


零は弱々しく言ったが森下は笑いながら

「いや、謝るのはこちらさ。無傷で勝利とはいかなかったよ」


森下には艦魂が見える。

そういう噂を兵達は聞いたことがあった。

森下が使う赤く染まる包帯が宙に浮いている。

あそこに艦魂がと兵達はなにもいわずに見ていたが彼等は祖国を守れたと改めて認識し互いに笑顔を見せるのだった。


こうして日本に襲来したフェンリルは近江に轟沈させられた。

生存者は一人もおらずルードも何が起こったか分からぬままこの世から去った。

呉では傷ついた兵士達がぐったりする中傷ついた近江がその姿を海に表すと歓声が上がるのだった。











作者

「ようやく武蔵の事件が終わり落ち着きましたね」


「霧島、あっちにお茶や食べ物用意してるから行こ」


霧島

「あ、あう…お姉ちゃん…」


比叡

「行ってきなさい霧島。友達との付き合いは大切よ」


霧島

「う、うん分かった」


比叡

「私達も行きましょう」


黒鉄艦魂一堂

「おお」




そして、お茶会


柚子

「それにしても今回はなぜ金剛さん達はこちらへ?」


金剛

「こちらは規律が乱れているのを凛を見て来たんだが武蔵の件がある。今日は自重しよう。比叡紅茶をいれてくれ」

比叡

「はいはーい」

「お茶ならあるけど…」


榛名

「姉さんの入れる紅茶は絶品なんだ。おまえらものんだらどうだ?」


「もらおうかな?」


金剛

「うむ、いれてやれ比叡」


比叡

「はーい」


伊勢

「いや、それにしても大変やったな今回は」


陸奥

「本当ですよぅ、死ぬかと思いました」


大鳳

「…(こくり)」


榛名

「まったく武蔵の野郎ふざけやがって」


金剛

「帰ったらどうしてくれようか…」


霧島

「あ、あんまり乱暴は…」


「いいんじゃない霧島?あれはやり過ぎよ。ね、刹那」



刹那

「うん」


霧島

「えっと…」


「ああ、ごめん霧島、この子は刹那、霧島と同じ霧島の艦魂よ」


伊勢

「なんか混乱しそうな言い方やな」

霧島

「わ、私と同じ戦艦ですか?」


刹那

「刹那です。よろしくお願いします霧島さん」


霧島

「こ、こちらこそよろしくお願いします刹那さん」


「なんかあなた達似てるわね…」


刹那

「そう?」


霧島

「そうですか?」


「うん」


「なに、この紅茶おいしすぎ」


比叡

「うふふ、ありがとう」


金剛

「比叡の入れるお茶は最高だ」


「このチョコレートだって美味しいわよ?どう?」


金剛

「いや、私は甘いものは…」


比叡

「私はもらうわね。うん、美味しいわ。口がとろけるよう…」

「このチョコレートはねスイスの…」


朱里

「明のチョコレートの話は長いから比叡さんに任せましょう金剛さん」



金剛

「うん?お前は確か…」


朱里

「比叡の艦魂朱里といいます」


金剛

「うん、凛から聞いている。なんでもこちらの連合艦隊最強の剣の使い手だそうだな?」


朱里

「いえ、私なんてまだまだです」


金剛

「どうだ?私と手合わせして見るか?」


朱里

「お望みでしたら」


金剛

「よし」


竹刀を持って立ち上がる。


朱里

「いきます」


スラリと剣を抜く。ちなみに金剛の竹刀は多分真剣とも撃ち合える。


金剛

「はあああ!」

朱里

「ふっ!」


ガガガと常人では理解できない戦い開始!




伊勢

「初めてもうたか」


陸奥

「予想はしてましたけどね」


「朱里さーん頑張れ!」


陸奥

「ところであなたは戦艦陸奥の艦魂なんですよね?酒に弱い」


「…あ、あのことは忘れてぇ」


陸奥

「そういえば長門の艦魂の方はいらっしゃってないんですか?」


「姉さん?作者があんまりにも艦魂が多いから呼べなかったみたい」


陸奥

「そうですか…残念です」


「私も向こうの姉さんにあって見たかったんですが」


陸奥

「きっと機会はありますよ」


「そうですね」



榛名

「ハハハまじかよ!」


翡翠

「おうよ!作者なんか目じゃねえぜ」


作者

「あの榛名様に翡翠様…なんのお話を?」


榛名

「てめえには関係ねえよ」


翡翠

「あっちいけしっし」


作者

「ひ、ひどい」

翡翠

「ところでよ榛名は長谷川ってやつのこと好きなのか?」


榛名

「な、ち、ちげえよ!あんな軟弱な野郎!」


翡翠

「そうなのか?」


榛名

「あたりめぇだ!なんでいきなりんなこと聞くんだ!喧嘩売ってんのかゴラ!」


翡翠

「んだよそ言い方は!ざけんなよ?」


榛名

「やる気か?」

翡翠

「上等だ!」


作者

「うわああ!喧嘩は駄目ぇ」


ドガバキ


作者

「ぎゃああああ」



伊勢

「ふー、うちは暇やわ…まだ、こっちは伊勢の艦魂がおらへんし日向の艦魂も扶桑…はいらんな」


「では私と話ましょう」


伊勢

「あんたは?」

「翔鶴の艦魂楓といいます」


伊勢

「翔鶴か?うちらの翔鶴とは随分違うな」


「そうですか?」

伊勢

「せや、酒でも飲むか?いれたるで」


「頂きます」


ゴクゴク


伊勢

「いやあ、それにしても武蔵がめいわく…どうかしたんか楓はん?顔が真っ赤にやで?」


「大和…」


伊勢

「は?大和がどうかした…」


「大和撫子よお!服を脱いでぇぇぇ!」


伊勢

「ひいいい!」

朱里

「!?まずい金剛さん勝負はお預けです」


金剛

「そのようだな」


朱里

「楓さん!やめ…」


「秘技!服落とし!」


朱里の上の服が消える。


朱里

「いやああああ!」


「あらあら、いい胸して」


作者

「こら楓様!やめなさい!」


朱里

「来るな!」


ズバアアアア


作者

「がは」


バタアアアン


金剛

「く、こいつただ者ではない」


「うふふ、次はあなた?金髪がいいわあ…」


金剛

「ふざけるな!この金剛を甘く見ると…」


「秘技…」



作者

「やめろぉ!」

「うふふ、作者君、私は男の裸に興味はないわ。女の子の裸こそが美しい…」

作者

「もう!なんでこんな変態を作ってしまったんだ!責任は取る!」


干将・漠夜で突撃


「甘い!甘いわ作者君。あなたの力はもう私には効かない」


ガキイイイン


作者

「ああ!剣が砕けた!」


「覚悟!」


作者

「に、日本万歳ぁい!」


ズバアアアア


バタアアアン


「うふふ、狙いはやはり大鳳ね」


じゅるり


作者

「や、やめ…大鳳にもしものことがあったら…」


大鳳

「…」

首を傾げる。


「か、可愛すぎる!いただくわ」


大鳳に襲い掛かる。

大鳳

「…」

光の翼を生やして後退


「まちなさい!」

大鳳

「…(ふるふる)」


作者

「く…ゲート閉鎖!」


作者・楓がいる場所と艦魂達の場所の間に隔壁がおりた。


「おのれ作者!」


作者

「ふ、みんなを守れればそれでいいのさ…」


「覚悟はできてるのね?」


作者

「後悔はない…」


「なら死になさい!」


作者

「さらばだ」


ズドオオオオオオン









「な、なんかいろいろあったけどそろそろタイムアップみたいね」


霧島

「う、うん」


刹那

「隔壁をドンドンしてるの楓さんだろうし長くは持たないかも…」


「ならお開きね。紅茶おいしかったわ比叡」


比叡

「うふふ、ありがとう」


金剛

「やれやれ、騒がし場所だなここは」


伊勢

「うちもうお嫁にいけへん…」


陸奥

「だ、大丈夫ですよほっぺにチューされただけじゃない」


伊勢

「ありがとな陸奥」


榛名

「しかし、すごいやつだなあいつ」

翡翠

「ただの変態だぜ、まあ、喧嘩もうやむやになったが…」


大鳳

「…」

空を見上げる。


「迎えね」


ゴゴゴと巨大な船が到着


金剛

「また妙なものがいるんじゃないだろうな?」


榛名

「もうゾンビはごめんだぜ」


「大丈夫よ。これは作者オリジナル時空客船『まほろば』よ。テーマパークもありなんと映画館もあるわ」


陸奥

「へー」


霧島

「すごいです」

伊勢

「エステはあるんか?」


「あるみたい」


伊勢

「うち一番乗りや!ほななみんな」

陸奥

「待ってよ伊勢!私もエステ行く!」


比叡

「私も〜」


金剛

「私はいかんぞ…どこか紅茶が飲めて本が読める場所はあるか?」


「えっと普通の個室なら大丈夫」


金剛

「そうか。今回はこれで失礼する。朱里殿決着は次だ」

朱里

「ええ」




榛名

「んじゃな」


翡翠

「おう、またこいよ」


榛名

「気が向いたらなお前こそこっちにこいよ」


翡翠

「そのうちな」









霧島

「じゃあね凛」

「うん、会えてよかったわ霧島」


刹那

「また着てね」

霧島

「う、うん2人もまた着てね」


「黒鉄しだいね」


刹那

「はい」


霧島

「じゃあ」


「あ、霧島!」


霧島

「え?」


「はい、お土産」


霧島

「これは?」


「なんか未来で惚れ薬入りのクッキーを買ったの。あげる」


霧島

「え、でも…」

「これで長谷川の心を射止めるのよ。効果は半日だけど…食べて初めてみた人が好きになる薬。間違っても食べられたらだめよ」


刹那

「なんだか先が見える会話だね」


霧島

「これで少尉と…も、もらう」


「がんばって霧島、私は大和よりも霧島を応援してるから」


刹那

「わ、私も」


霧島

「ありがとう二人ともまたね」


「バイバイ」


刹那

「さようなら」









大鳳

「…」


柚子

「大鳳殿」


大鳳

「?」


柚子

「いろいろ世話になった礼を言わせてもらう」


大鳳

「…(ふるふる)」


柚子

「うむ、謙虚だな。これはお土産だみんなで食ってくれ」


大鳳

「?」

首を傾げる。


柚子

「凛の机の上にあった。2つあったから一つはお土産だろう受け取ってくれ」


大鳳

「…(こくり)」

柚子

「ではな」


大鳳

「…さようなら」

光の翼を生やして船へ


まほろば発進


「いっちゃったか…」


柚子

「凛」


「え?柚子?なに?」


柚子

「お前の机の上にあったお土産は大鳳に渡したからな」

「は?ちょっとそれって…まずいことにならなければいいけど…」


ドゴオオオオオ

隔壁が破られた。


「あ!」


「すっぽんぽんよぉ!」


草薙艦魂

「いやあああああああ!」


その後はまた別の話…さて惚れ薬入りのクッキー2つの行方は…



黒鉄元帥感想待ってます。



第3回 黒鉄元帥艦魂招待会



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