第80話 111号艦出撃せよ!その名は!
1942年12月26日と言えばハワイ大攻防戦が日本軍の大勝利に終わり日本中がお祭り騒ぎになっていた時であった。
この時ばかりは憲兵もある程度のことは見逃していたという記録が残ったほどであったという。
そして、海軍の一大根拠地『呉』では連合艦隊を讃える騒ぎか、あちこちで起きていた。
むろんハワイ攻略の作戦なぞ伝わるはずもないが大和が単艦でオアフ島に突撃し敵基地を壊滅させたと嘘のようではあるが事実の話まで聞こえる。
おそらくは偶然だろうが…
「まったく羨ましいねぇ」
と、タバコを加えながら呉の町を歩いていた森下 信衛は言った。
史実ではレイテ沖海戦で絶望的な状況の中見事な操艦を見せ『大和』を救った操艦の神様である。
実は大和艦長には彼をという意見も会ったのだが山本は各方面や未来の資料を閲覧し森下を呼びこう言った。
「111号艦の艦長をしてくれないか?」
111号艦、それは大和級4番艦である。
信濃は空母に設計変更されたが111号艦は純粋にミサイルを装備した戦艦であるという。
とはいえ大和のようなイージスシステムはない。
あのシステムを備えた艦を作るのはまだ年月が必要であった。
森下は山本に未来のことを聞いた。
始めは驚愕したが111号艦はドイツ未来戦艦に対抗する切り札であるという。
切り札という意味が分からず111号艦の資料を読み大和を上回る武装を知った。
森下は山本の話を喜んで受けた。
111号艦は現在で作れる技術を結集した最強の戦艦である。
呉の111号艦があるドッグに森下は入る。
事前に許可はもらっているので問題はない。
ドッグに入るとそこには公試運転を待つ111号艦の姿があった。
111号艦はハワイ攻防戦には『信濃』『大鳳』『村雨』と共に間に合わなかったが年が開けてからハワイの連合艦隊に合流することになっていた。
森下は後部格納庫に向かった。
111号艦の搭載機はハリアー3と一機だけ烈風があった。
山本の話しによれば111号艦はハリアーを乗せる最後の戦艦となるそうで烈風は未来最新の戦闘機でいち早く順応した少年パイロットがおり沖縄の基地で日向に相談したところ111号艦に配備することを認めた。
森下は格納庫まで下りると昼のためほとんど兵のいない格納庫をハリアーに向かい歩きながら格納庫を興味深そうに見回す。
最新の技術を結集した格納庫は床が稼動し素早くエレベーターにハリアーが移動できるようになっている。
これまで乗ったどの軍艦とも違う111号艦を森下は数日前から見て回っていたのだ。
ある目的もあったのだがそれはまだ、見つかっていない。
「なあ、もう戻ったらどうだ?」
「…」
その声を聞き森下は立ち止まった。
格納庫に誰かいるらしい。
その声は一機しかない烈風から聞こえてくる。
森下は近づいてみてついに目的の人物を発見した。
「ようやく見つけたぞ」
その声を聞き烈風をじーと見ていた少女が森下に振り返ると首を傾げた。
「零、誰どうしたの?」
ひょいとハリアーの操縦席から少年兵が姿を見せた。
零と呼ばれた少女はすーと森下を指差した。
少年もそちらを見て慌てた。
「か、艦長!」
少年兵は崩れ落ちるように烈風から降りると敬礼した。
零も少年をじーと見てから真似をして森下に敬礼の真似をした。
それを見て森下は大笑いした。
「ハハハ、面白い奴だな。君の名前は?君も艦魂が見えるのだろ?」
「か、艦長もですか?あ!失礼しました!自分は青羽 淳一少尉です。こいつは零です」
零は森下と青羽を交互に見てからぺこりと頭を下げた。
「…よろしくお願いします艦長」
「無口な奴だな?しかし、烈風のパイロットが若いと聞いていたが君のような若者だとはな」
「す、すみません」
青羽は慌てて頭を下げた。
「うん?なぜ謝る?」
「上官を差し置いて最新鋭の戦闘機を任されてしまったことが…」
青羽の言葉は隣にいた艦魂の少女が青羽の前に立ちフルフルと首を振って遮った。
「…実力があったからです」
と短く言う。
「そうだな、実力があるものが上に立つのは当然だ。年功序列の時代は終わったと私は思う。実力があるなら恥じることはない」
森下と零が言ったので青羽は恥ずかしそうに幼さが残る頬をかきながら照れた。
「ところでその子は艦魂の…真名で呼んでいいかな?」
12歳くらいの少女は腰より長い髪を揺らしながら無表情に考え込むように首を右に倒してからコクリと頷いた。
「よし、では零…」
ビービー
その時、111号艦の中でけたたましい音が鳴り響いた。
大和に続き取り付けられた艦内マイクから声が聞こえる。
「対艦対空戦闘用意!森下艦長!直ちに艦僑へお戻り下さい!不明艦が呉に接近しています!」
「不明艦?」
青羽は慌てて烈風に乗り込む。
「なんなんだ一体…」
と、怒りを感じつつ口で言ってから森下は艦僑に向かい走った。
大和級の後部から艦僑までは遠い。
5分後に森下はエレベーターから艦僑に入ると青い顔をした副長が森下に走り寄ってきた。
「艦長大変です。伊号からの通信で巨大艦が呉に向かい高速で接近していると報告が…」
「巨大艦?」
森下は言ってからはっとなった。
まさか…
「その艦は?」
「伊号に発見された後、艦は浮上。巨大な主砲があり信じられませんが潜水能力を持つ戦艦ではと…航空隊が攻撃を仕掛けましたが全滅したと報告が…」
副長は蒼白な顔で言った。
「ドイツ戦艦だ!」
森下は叫んだ。
間違いなかった。
この頃、まだ、三笠と尾張はカイザーと激突していなかったがそんな技術を持つものがいるとしたらドイツしかいない。
「副長!直ちに出撃だ」
その言葉に副長は仰天した。
「待って下さい艦長!本艦はまだ、公試運転すらすんでません!」
しかし、森下は首を横に振った。
「兵は乗り込ませてるのだろ?最高の人材が」
「それはそうですが…」
111号艦には近代化のため余った大和からの乗組員が大量に移って来ていた。
それ以外でも精鋭が集まっている。
5分以内に戦闘配置につけたのも彼等が優秀だと物語っている。
「副長、議論している時間はない。直ちに出撃だ」
「了解!」
そうと決まれば話は早い。
ドッグの扉が開かれ閉鎖ドッグに光が入る。
その先には呉の海が広がっている。
「両弦前進微走…」
ガスタービンの独特の音を立てて巨大戦艦がゆっくりと動き出す。
太陽の光を浴びて三連装51センチ砲が反射した。
出撃の準備をしていた駆逐艦の兵がドッグから出てくる巨大戦艦を見た。
「大和?」
今、ハワイにいるその戦艦の名を兵はつぶやいた。
しかし、違う。
ドイツに対抗するため作られた戦艦その名は
『近江』
今ここに日本の守護神が出撃した。
時は1942年12月26日、ハワイが堕ちてわずか一日の日だった。
作者「ついに現れた大和級4番艦!」
凛「言うことがあるでしょ?」
作者「はい、皆さんすみません今まで改大和と言っていたのは大和級4番艦の間違いでした。といっても4番艦は史実と違いますから改大和とも言えるんですが…」
鈴「言い訳するな!」
作者「はい!」
鈴「しかし、美しい船だ…あの51センチ砲が特に…」
零「…私です」
作者「うわ!零」
鈴「おお!貴様が日本の希望近江の艦魂零か!」
零「…(こくり)よろしくお願いします」
鈴「誰かに似てないか?」
作者「モデルは黒鉄先生の大鳳ですね」
鈴「いいのか?」
作者「というか性格が似ないなんて無理です。やはりにかよるものですよ一応黒鉄先生に以前断りはいれましたし」
鈴「ならいいが…」
凛「ふん、想像力の乏しいやつ。そんなだからランキングで黒鉄の艦魂に吹き飛ばされるのよ」
作者「うう…」
凛「ちなみに私は一位は霧島よ。霧島、落ち込まないで」
作者「いや、霧島って目立たなかった…」
凛「うるさい!」
ズドオオオオオオオオン
作者「ぎえええ!」
零「…」
↑
51センチ砲9門斉射
ズドオオオオオオオオン
作者「ぎゃあああ」
鈴「おお…さて、文字がないから言おう『近江』の名を募集してくれた方々、まとめて感謝する。近江は目覚めた」
零「……ありがとう。意見、感想よろしく…」