第75話 クリスマスイヴ
今回の後書きは零戦先生の艦魂をおよびしました。
12月24日、その日は日本人なら知らない人のいない聖夜である。
などて言ってもクリスマスイヴというのはお祭りである。
「何でよお姉ちゃん!」
桜は怒りと酒で顔を真っ赤にして言った。
「え?何が?」
と、隣でシャンパンをのんでいた命が言った。
「何がじゃないよ!本当なら私は恭介さんと町に行く予定だったのにぃ!」
そうなのである。
桜は先日、休暇で船を降りる日向に町に行きたいと頼んだのである。
また、デートしてくださいと言えなかったので厳密にはデートではなくただの買い物なのだが桜からしてみれば大切な日だった。
「だって、しょうがないじゃない?恭介君、急な仕事で休暇取り潰しになったんだから」
日向 恭介は基本的に怠け者である。
仕事のない日はとことん怠けるのが彼の日常なのだが仕事となると話は別。
休暇取り潰しになったのはクロノロード計画にまつわるものだったので今回は休暇なしと泣く泣く日向は東京に行ってしまった。
そこで落ち込む桜を見て命はこっそり立てていた『デート追撃大作戦』を変更して艦魂クリスマスパーティーを企画したねである。
元々、大鳳の艦魂である蘭が企画したもので急遽、命達も参加したのだった。
元々全員の艦魂でパーティーをする予定だったので蘭は大喜びで命達を迎えてくれた。
場所はいろいろな都合がつくという理由から紀伊の恭介の部屋である。
余談だが紀伊の恭介の部屋はかなり大きい。
というよりも戦艦の艦長室というのは大きいもので一人で使うのは大きすぎるものなのだ。
昔は戦艦の艦長で艦魂が見えれば自室は艦魂のたまり場とかしてしまうのは通例であった。
「だからって女より仕事!今回は恭介さんは怠け者でいいの!」
ダンと酒の入ったコップをテーブルに桜はたたきつけた。
(いや、無茶よそれ)
と命は思った。
恭介は総理大臣に呼ばれて言ったので怠けられる相手ではない。
「さ、桜飲み過ぎじゃない?」
凛は桜の横でオレンジジュースを飲んでいたが顔を真っ赤にして酒を飲んでいる桜を心配して言った。
ちなみに他の参加者達は思い思いに飲んでいる。
まあ、参加者と言ってもみんな艦魂なのだが…
「そうよ、いい加減にやめなさい」
命は桜からスクリュードライバーを取り上げようとしたが桜はそれを避けるとひょいと一気のみしてしまった。
「ちょ、桜!お酒飲み過ぎよまったく…」
時刻は午後11時を回ったところ今日は潰れるまで飲むぞぉと騒いでいる艦魂達を横目に命はため息をついた。
「逆効果だったかしら?」
いつもと違う桜のためかいつもの元気がない凛はおろおろして桜に話しかけている。
祭の場に連れて来れば桜も元気になると思ったのだが…
「まったく、こんな時に梓達がいてくれたら慰めてくれるのにねぇ」
命は機動戦艦長門の艦魂の梓を思い出して言った。
妹想いの彼女ならきっとうまい言葉を桜に言ってくれるだろうに…
ちなみに今は横須賀もそうだが呉にも艦魂達は少ない。
というものも半年前の中国軍の攻撃を受けて機動部隊は常時ローテーションで九州の基地に出向いているのである。
今は原子力空母『雲龍』『葛城』『天龍』、機動戦艦『長門』『陸奥』、それと自衛隊時代からの古参の護衛艦『日向』を含めた第3艦隊が九州に行っている。
半年前の攻撃以降中国は日本に対する挑発的な行動を繰り返しあまつさえ沖縄の海域で二ヶ月ほど前連合艦隊の演習の仕返しか大規模な演習を行った。
その時は侵攻があるのではないかと日本も機動部隊を九州に緊急派遣する戦争の一歩手前という異常事態になったりした。
幸い侵攻はなかったがもはや日本にとって戦争の一歩手前という異常事態になったりもした。
幸い侵攻はなかったがもはや日本にとっては中国は北朝鮮や韓国以上に危険な国になりつつあった。
「聞いてるの凛!私は恭介さんがだいしゅきなのぉ!」
「桜、ろれつが回ってないわよ。しっかりしてよ!」
「うるひゃーい」
桜はさらに酒が回ってきたのか頭をくらくらさせ始めている。
本気で止めないとまずいかもしれないと命が思い始めた時
「何やってるんすか長官?」
命が振り向くとパーティー用の三角帽をかぶり鼻眼鏡をつけた少女が立っていた。
「ぶっ!」
思わず命は彼女を見て飲んでいた酒を吐き出して大爆笑。
「あ、アハハハ、何その格好!笑えるわ」
少女は照れたように鼻眼鏡を外すとそこには美少女の顔があった。
活発そうな顔で少し落ち着いてる印象を受ける真琴とは違う印象を受けるショートカットの少女。
大鳳の艦魂『蘭』だった。
大のお祭り好きで艦魂達の遊びの企画はほとんどが彼女が取り仕切っている。
「いやぁ、そんな風に笑われると照れるっすよ長官」
「アハハ、ごめんごめん。それでなんだったかしら?」
命は呼吸を整えて言った。
そうでもしないとお腹が痛くて仕方ないからだ。
「いや、特に用事があるわけでもないんすけどね。ただ、桜どうしたのかなって?」
蘭が指したのは桜である。
その桜はすでに完全に潰れてテーブルの上で眠っている。
凛は困った顔を命に向ける。
「放っておいて大丈夫よ」
あきれつつ命は言った。
失恋したわけでもないのに大袈裟な
「でも…」
凛は心配そうに桜を見る。
桜はうーん恭介さんの馬鹿ぁなどと寝言を言っている。
「だったら奥のベッドに寝かせとけばいいんじゃない?」
凛は蘭が指した方を見るとそちらは恭介の寝室だった。
確かにあそこならベッドがある。
「そうする」
凛は桜を担ぎあげるとずるずると引きずって寝室に消えて言った。
「そんなにショックだったのかしら?」
「そりゃそうすっすよ姉さん。恋は戦争っすよ!ほら、何かで言ってたじゃないですか恋すれ乙女は大艦巨砲主義って」
「怒られるからやめなさい♪」
命はにっこりとしたまま蘭の首筋にチョップを叩き込むと蘭は悲鳴もあげすに崩れ落ちた。
「次の曲いくよぉ!」
一方部屋の端では飛龍の艦魂のツインテール娘弥生が手にマイクを持って艦魂達の前で歌っている。
「おお!」
クリスマスパーティーは順調、みんないい思い出になりそうだった。
命は酒を注ぐと再び口に持って言った。
【後書き】
この先は本編とは関係ありません。
作者
「ひいいいい!」
撫子
「ど、どうかなされたんですか作者様?」
作者
「ぎゃあああ!大和だぁ!」
星菜
「お姉様に悲鳴をあげるなんて許さない」
↑
ドロップキック
作者
「げふ」
明
「一体なんなの?」
作者
「いてて、すみません実は黒鉄大和先生の感想で私的ランキングを発表したら大和様に46センチ砲を叩き込まれまして」
鈴
「ほう、そのランキングを言ってみろ」
作者
「はいはい、えっと一位かのん(大鳳)、二位隼鷹、三位武蔵、四位大和ですね」
全艦魂
「…」
撫子
「お怒りになったのでは?」
作者
「ええ、スコールがなかったら粉々に消飛ばされるところでした。こるからあちらに行くときはスコールが出るタイミングでいかないと殺されます」
鈴
「まあ、別に私は貴様が死のうと構わんがな」
作者
「そんなひどい!」
弥生
「ところで作者ぁ、今回も誰もこないわけ?」
作者
「ふふふ、今日は…」
瑞鶴
「将斗おおおおおぉ!」
ドガアアアアアン(ドア粉砕黒鉄風♪)
作者
「げふう」
弥生
「あ、作者が吹っ飛んだ」
瑞鶴
「将斗はここか!私は将斗を…」
鈴
「おお、瑞鶴殿ではないか」
撫子
「お久しぶりです」
瑞鶴
「ん?2人がいるということはここは独立機動艦隊の後書き空間か?」
撫子
「はい」
星菜
「誰ですか?お姉様?」
撫子
「以前私と鈴様と凛様が大変お世話になりました零戦先生の『新太平洋戦争』の瑞鶴さんですよ」
鈴
「将斗殿とは恋人になれたか瑞鶴殿?」
瑞鶴
「な、恋人?私は別に将斗のことなど…」
作者
「素直じゃないですね。黒鉄先生のところでも同じようなこと言ってましたし」
星菜
「いつ復活した?」
瑞鶴
「誰だおまえは?」
作者
「結構ひどいですね…私こそこの独立機動艦隊!そして、ここの艦魂達の生みの親である草薙である!」
星菜
「威張るなアホ」
弥生
「ばーか」
作者
「う、うわあああんぐれてやるぅ!」
撫子
「大丈夫ですよ作者様、私は味方です」
作者
「うう、撫子様…とまあ、気を取り直してはじめまして草薙です。零戦先生とは同盟を結ばせてもらってます」
瑞鶴
「よろしく」
作者
「そういえば黒鉄大和先生のところで盛り上がってましたが私の祖父も陸軍軍人だったんですよね…終戦時は日本にいたんですが広島に原爆が落とされた時に上から
「敵の新型爆弾が落ちたから見てこい」みたいなことを言われて見に行ったんですよ。確か黒鉄先生の祖父と同じ曹長だったと思います」
瑞鶴
「あまり私と関係ない話しのような気がするが…」
弥生
「この作者馬鹿だから言いたいんだよ」
撫子
「まあまあ、弥生、しかし、御祖父様はよく原爆の現場に言ってご無事でしたね」
作者
「そうなんですよ。今もぴんぴんしてますしね。それに祖父から聞いたんですが大和に関することです」
撫子
「私のことですか?」
作者
「ええ、本当かどうかは分からないんですがなんか大和って最後の方は学校になってたって祖父が言うんですよ」
鈴
「そんな話は聞いたことがないが」
作者
「私もです。もっとも学校と言っても多分軍関係でしょうが…」
鈴
「当たり前だ!民間人など…、ま、まあ黒鉄殿の小説には例外はいたが…」
作者
「それにしても新太平洋戦争は快進撃を続けていますね。我々はハワイ占領しましたが零戦先生はアメリカ本土制圧しちゃえって感じですよ」
瑞鶴
「無理だそれは」
鈴
「アホか貴様!あの広大なアメリカを屈服させられるわけないだろうが!」
作者
「う、うるさいうるさい!大和魂があれば出来るんだ!」
鈴
「お前以前私に大和魂など現在人にはないと言ってなかったか?」
作者
「…」
弥生
「それに無理だよ馬鹿じゃないの?」
撫子
「いくら独立機動艦隊が強力でもさすがにアメリカ占領は無理かと」
作者
「…」
星菜
「四面楚歌」
作者
「うう…いいよもう」
鈴
「ところで瑞鶴殿?先程将斗と叫んでいたようだが…」
瑞鶴
「!将斗おおおおおぉ!」
作者
「あ!それは撫子様と鈴様達が乗ってきた波動砲とグラビティブラストをつけた究極超戦艦『しゅんらん』!」
ドゴオオオオオ(エンジン点火)
作者
「行っちゃった」
鈴
「ところでお前もヤマトとナデシコを見たことがあるんだな」
作者
「ヤマトは好きですね。特に地球連合艦隊が壊滅した後の土方艦長の
「ヤマト…ヤマト、我々は負けた。だがヤマトよ…」というシーンやヤマトが彗星帝国に最後の決戦に挑むため海に突撃するシーンや宇宙へ逃げる彗星帝国へ決戦を挑むヤマトなどあのシーンは…」
星菜
「黙れ」
鈴
「貴様もアニメオタクか!」
作者
「ひどい!ヤマトは永久不滅の名作なんだ馬鹿にするなら許さないぞ!」
全艦魂
「どう許さない?」
作者
「フフフ、こんな時のための究極超戦艦の波動砲で…ってああ!」
鈴
「ないな」
作者
「ごめんなさい!土下座します」
弥生
「死んじゃええ」
ズドオオオオオオオオン
作者
「ぎゃああああああ!」
鈴
「さて、零戦殿こんな感じだがいかがかな?」