第57話 突撃
イギリス艦隊のど真ん中にモンスター戦艦が現れたことは直ぐに三笠に伝わった。
藤森 冬花艦長すぐに援軍を出そうとしたが…
「警戒中の烈風より緊急報告!ドイツ機動戦艦、こちらに接近中!バリア解除後敵は増速!その数は戦艦2」
藤森はこんな時にと思った。
「レーダーに反応!戦艦2!航空機が発艦中!70ノットで接近中!」
「対艦、対空戦闘用意!烈風隊を二つに分ける40機をイギリス艦隊を援護に回しなさい!尾張に通信を!本艦と尾張はこれより全力を持ってドイツ機動戦艦を撃滅する!最大戦速で向かう!」
「最大戦速!」
グググと三笠が増速する。
「敵戦艦よりミサイル20!」
CICからスピーカーで声が届く。
「シースパロー発射!」
どっと三笠の垂直発射セルからミサイルが発射された。
まだ、見えない位置にいるレーダー射撃によるミサイルが音速を越えて敵ミサイルへ向かう。
「森!急げ!」
三笠の格納庫では整備兵が走ってくるパイロットを見て言った。
驚くべきことにそのパイロットは少女だった。
年は16、17と言った所か…
森と呼ばれた少女は烈風に飛び乗ると計器のチェックを開始する。
チェックが終わると森の烈風はエレベーターのカタパルトに乗ると上昇を始める。
「森、今回の相手を聞いたか?」
森が計器のチェックをもう一度行っているとヘルメットから声が聞こえた。
声に覚えがあった森はエレベーターの下に目を向けた。
次の烈風から男が手を振ったのを一瞬森には見えた。
同じパイロットの田代だ。
「私達と同じ未来の機動戦艦でしょ?私が相手をするのはおそらくハリアーになると思うけど」
「いいな、楽な相手で」
「田代は?どっちの組?」
「俺はイギリス艦隊援護だ。」
田代は嫌そうな声で言った。
「それも重要な役目よ」
「まあ、そうなんだが…」
田代がそこまで言った時、森の烈風が位置についた。
兵士が旗を振っているのを森は確認しながら
「話は終わりよ。森!烈風発艦!」
バチバチという音と共に烈風が加速した。
「う…」
森はGを感じながら操縦桿を握った。
カタパルトから離れた瞬間右を見ればもう一つのカタパルトから発艦した烈風が一気に加速しながら森と共に飛んだ。
三笠においては2機で1小隊となる。
森の小隊はハリアー迎撃のために飛んだ。
イギリス主力艦隊とカイザーの戦いは熾烈を極めた。
至近距離でイギリスの戦艦が主砲を放ってもバリアに弾かれる。
そして、潜航しして艦隊中央に現れるのだ。
おまけに水の中でもバリアを張っているようで沈めることなど無理ではないかとカニンガムは思い始めていた。
おまけに三笠からの通信によれば新たな戦艦が現れて援護には烈風40機が限界だと言う。
「栄光ある我が海軍もここまでか…」
カニンガムは言うのだった。
一方ランカスターの機動部隊も無傷とはいかなかった。
空母エンタープライズが先程沈んだ。
今のところの被害はそれだけだがバリアをなんとかしないことには勝ち目はなかった。
そんな時、戦艦モンタナのロバート艦長から通信が入った。
その内容は我突入すだった。
「馬鹿な真似はやめさせるんだ!」
参謀長が怒鳴ったがランカスターははっとした。
「いや!参謀長!あの化け物を倒す方法が分かったぞ!」
「なんですと!」
ランカスターの言葉に参謀長が仰天した。
「モンタナに伝えろ!艦をモンスター戦艦に激突させ白兵戦に持ち込ませるんだ!」
「は、白兵戦!?」
参謀長は仰天した。海賊じゃあるまいし…
「イエッサー」
と通信兵がモンタナにそれを伝えるとモンタナが増速していく。
モンタナの最大速度は27ノット、元はアメリカが大和に対抗するために作り出された巨艦で砲は46センチ砲を積んでいた。
その巨大戦艦がボイラーから煙を吐きながらモンスター戦艦に向かい突進を開始した。
それにモンタナ級戦艦3隻が続く。
巨大戦艦の突撃だった。
凛「はあはあ…外伝ではひどい目にあったわ…」
明「な、なにがあったの凛?」
凛「思い出したくもないわ…」
明「ふーん。まあ、いいけど作者からの伝言で新たな募集らしいわ。日本の新たなジェット戦闘機の名前らしいわよ?炎神の後継機でミサイルを搭載可能だとか…枠は一つだから競争率も高いしそう時間もないみたいだから応募は急いだ方がいいわよ?」
凛「ご意見・感想は受け付けてるわ…外伝もよろしくね」