第50話 散った仲間達
機動戦艦三笠と尾張はその損傷具合から旗艦を三笠に移して全体の指揮は藤森が請け負うこととなった。
チャーチル首相を三笠に乗せてオーストラリアへ向かうのも他のイギリスやアメリカ艦よりも三笠が優れているからだ。チャーチルはモンスター戦艦ならと乗り込むことにした。
三笠にはどの艦よりも優れた通信設備があったためイギリスの残される国民のための放送を流したのである。
我々は必ず帰ってくると…
機動戦艦『三笠』の艦長室には炎樹と明が久しぶりの再開もあって話をしていた。
彼女達の前には明の取って置きの外国のチョコレートを始めとするお菓子やジュースなどが置かれている。
余談だがジュースにせよ高級チョコレートにせよ2042年に明が椎名に買わせて溜め込んだもので数に限りがあるのだった。
それほどに明は炎樹との再開を喜んでいた。
「でも、姉さんが無事で本当によかったわ」
明はソファーに座りながら左手でチョコレートを口にほうり込むと幸せそうに微笑んだ。
右手は折れているのかギブスで固定されており頭にも包帯が巻かれている。
軍服で見えないが体のあちこちに怪我をしている。
彼女の体である尾張が損傷を受けているためだ。
修理状況はさすがに2日目の朝ではまだ、直らない。
完全に直すなら沖縄の尾張の巨大ドッグに入らなければ修復はできない。
だから、応急修理が終わっても尾張は最大速力40ノットを出せればよしという状況である。
戦艦としてはこれでも化け物速度だが…
「無事と言われても私的には一週間も立ってないんだけどね」
炎樹は机に置かれているいたスポーツドリンクをコップに注ぐと口に運んだ。
「相変わらずスポーツドリンクが好きね姉さん」
炎樹は微笑みながらコップをテーブルの上に置いた。
「昔はなかったからねこれ。酒も飲めるけどアルコールは脳細胞を破壊するって本で読んだから控えてるんだけど」
「私は酒は嫌い」
明が言った。
「いいんじゃないか?昔の艦魂達は騒ぐのが大好きで酒もよく飲んでたが未来の艦魂なんだから違いが出て当然」
という炎樹自身も随分変わったと思う。確か昔の連合艦隊旗艦をつとめていた頃はよく鈴と一緒に他の艦魂達を叱りつけつたような気がする。
ちなみに鈴は長門の真名である。
「会ってみたいな…」
炎樹は天井を見上げながら思った。
この時代ならあの死んでいった仲間達が生きてるのだ。
すでに亡くなっている艦魂もいるが菊水作戦の時、涙を流して別れた大和の艦魂、撫子
原爆に消えた長門の艦魂 鈴
別れさえ言えなかった武蔵の艦魂 桔梗
「みんな生きてる…」
炎樹はつぶやくと明を見た。
「明はみんなに会った?」
明は考え込むようにしながら
一応と答えた。
いずれ語るかも知れないが実は明や凛は呉に一時いた時に長門達の歓迎を受けていた。
古参の艦魂の中には明達を冷たい目で見るものもいたが…
そして…
「姉さんもいた…」
「はっ?」
炎樹は目をまるくしてはっとした。
「ああ!そういえば私って2人いることになるんだ!うわ、どうしよう…会ったらびっくりするかな?」
「会うつもりなんだ…」
明は呆れたように言いながら昭和の炎樹を思い出そうとした。
炎樹「いやあ、なつかしいな。鈴達とまた会えるなんて」
明「次回は私と凛達が呉に入港した頃の思い出話を」
炎樹「ご意見・感想お待ちしてます♪」
作者「では!改大和型の候補が出てきました!今のところ近江と三河が有力候補です。まだまだ受け付けてますからどんどんご応募して頂けるとうれしいです。後、ドイツの戦艦や空母、アメリカの空母、戦艦の名も募集したいと思います。我こそはと言う方はぜひ!採用してもお礼しかいえませんが…」
??「待ってるよ」
作者「あ、あなたは!」
??「それは次回」