第41話 休戦交渉
ハワイを占領した日本軍であったがこれを維持することは並大抵ではない。
まず、日本軍がしなければならなかったのは住民の協力要請である。
ホノルル市長に協力を要請したところ市民を攻撃をしないという条件で
協力を約束させた。
もちろん日本軍全体には民間人への理由なき暴力をを振るうものには厳罰を処するという命令が徹底して出されていた。
実はこれは南のガダルカナルなどの南方に展開する日本軍にも出されている命令でもある。
南方は撤退という話だったがアメリカと休戦がなるまでオーストラリアを牽制しなければならないのでそのまま残された。
それはそうと日向は天皇にガタルカナルの現地住民への扱いを天皇に報告すると天皇は激怒し勅命まで発して現地住民へは手厚い扱いをするようにと命令が下されたのである。
そんなわけゲリラ戦を行なっていたアメリカ軍も降伏した今ひと時の平和が訪れていた。
とはいっても真珠湾の復旧作業が行なわれているので騒がしいといえば騒がしいのだが…
真珠湾の復興は少し時間がかかりそうだった。
なるべく造船設備や燃料タンクは狙わなかったので基地施設もそれなりに残っていたが
沖に停泊していた米空母の撤去に少々時間を食っていたがそれを撤去すると日本軍は次々と真珠湾に入港した。
全てと言うわけではないが…
そして、独立機動艦隊はハワイ防衛の主力としてハワイにとどまることとなった。
空母の2隻の『赤城』、『加賀』を沖縄に戻し真珠湾にとどまっているのは『大和』、『紀伊』、『蒼龍』、『飛龍』という戦力だった。
そして、連合艦隊はといえば長門を始めとした連合艦隊も真珠湾に残り指揮を取ることになる。
日本の防衛はがらがらとなってしまうがそこは赤城と加賀にがんばってもらうしかない。
日本は大艦隊を2つに分ける余力はないのである。
ところでアメリカを降伏に追い込む方法だがこれはあるものを乗せて本土から今こちらに向かっている最中であった。
そのため飛行場は優先的に復旧が急がれている状況にあった。
そして、アメリカはといえば…
<ホワイトハウス>
「こんな馬鹿な話があってたまるか!」
ルーズベルト大統領はハワイが陥落したという話を聞いて激怒した。
キング長官を呼びつけるとすぐにハワイを取り戻すように命令を下そうとするが
キング長官は首を横に振った。
「無理です」
「無理だと?」
ルーズベルト大統領が言った。
キングはうなずくと
「はい、このハワイの戦いでアメリカが喪失した空母は164隻、航空機3万近く上ります。この中にはシューティングスターも含まれますが日本軍はこれを破ったのです。
少なくてもこれを上回る戦力を送らなければ奪還は…」
「なんということだ…わが国が手も足も出ないとは…」
ルーズベルト大統領は右手を額に当てて言った。
こんなことなら二ミッツの言う通り合衆国海軍全艦隊を終結させてでも日本軍を叩くのだったと思うのであった。
まさにそんな時に東條から親書が届いたと報告があった。
ルーズベルト大統領はそれを読むとふむと考える顔になった。
「日本はなんと言ってきたのです?」
キングが聞くとルーズベルト大統領は
「日本はわが国に降伏しろと言ってきた」
その新書の内容とは以下のようになる。
1、アメリカはフィリピンを放棄し完全なる独立を認めること
2、アジア各国の独立を承認し連合国の国々にもこれを習わせるよう徹底すること
3、アメリカ国内の凍結資本の解除
4、全ての制裁措置を解除し正常な国交を回復させる
などである。
そして、ハワイは休戦がなれば返還するという文章もあった。
そして、ルーズベルト大統領が驚いたのは休戦がなり次第日本は連合国としてドイツと戦うという一行だった。
「あの禿頭め…何を考えている」
「大統領?まさか休戦を…」
「誰が飲むものか」
ルーズベルト大統領は言った。
実のところアメリカはイギリスと密約を交わしているのだ。
枢軸国とは絶対に休戦はせず無条件降伏しか認めないと…
しかし…
実のところアメリカはすでに開戦目的だった理由をほぼ失っている。
日本は中国と講和して中国は連合国を脱落していたし三国同盟にしても日本は
とっくに放棄している。
戦う理由としてはフィリピンだがここももはや独立するのは時間の問題となりつつある。
これはアメリカの維持だった。
ここで降伏すればアメリカは東洋の島国に敗北したという汚点が生まれるのだ。
それにルーズベルト大統領には切り札がある。
原爆である。
あれさえ完成すれば日本を降伏させることもたやすく出来るだろう。
もっとも完成には後1年は必要だと思われるが…
それまで耐え切れば勝利だ。
日本がアメリカ本土に上陸作戦を開始しても1年ぐらい耐え抜くことは出来るとルーズベルト大統領は思っていた。
「答えはノーだ」
ルーズベルト大統領は言うのだった。
凛「やはりアメリカは…」
明「簡単にはいかないわね…」
撫子「心苦しいですがやはりあの作戦を発動するしかないのでしょうか…」
星菜「気が乗らない…」
凛「やるしかない…わね…」
撫子「次回は…悪魔?ってなんですか作者様?」