第39話 ハワイ大攻防戦―激戦!オアフ島攻略作戦
大和の艦砲射撃とミサイルで基地をめちゃくちゃにされてしまった。
アメリカ軍だったが5つの飛行場の一つ。
ホイラー飛行場の航空隊のレシプロ機の編隊が真珠湾に到着したときはすでに手遅れとなっていた。
その大和は?
大和は今もなお、激しい砲撃とミサイル攻撃を続行しており上空では
ハリアーが暴れまわっている。
ハリアーは数が少ないので大きな脅威ではなくホイラー飛行場の航空隊は大和に襲いかかろうとした。
その中のパイロットの1人が明るくなっていた西の空を見て言う。
「隊長!あれを!?」
「おお!」
何かが突っ込んでくる。
ジェット戦闘機かと彼は思ったがそれは当たっていた。
日本連合艦隊の空母『紅龍』、『瑞鶴』、『翔鶴』から発艦した炎神の編隊120機は
ロケット弾を発射するとあっという間にホイラー飛行場の航空隊の後方へと移動する。
ジェット戦闘機の弱点を見つけたミッドウェー航空隊だったがまだ、ホイラー航空隊の
元にその方法は伝わっていなかった。
ロケット弾攻撃を受けてばたばたと落とされていく。
しかし、数はホイラー航空隊が勝っている。
徹底的に破壊された4つの飛行場だがハリアーが来る前に2千の戦闘機が空に上がっている。
たちまち炎神は数に押しつぶされそうになるがその時、大和が咆哮した。
イージスシステムのミサイル攻撃により30の敵が消し飛ばされる。
パイロット達は浮き足立つが攻撃を再開した。
炎神はロケット弾を撃ち尽くしたのか西の空へと逃走を始めた。
ホイラーの飛行隊は逃がすものかと追いかけるがさすがジェット戦闘機には追いつけない。
しかも彼らには新たな敵がいたのだ。
炎神に追いついてきた零戦を始めとしたレシプロ機の編隊である。
たちまちサンダーボルトやグラマンといったホイラー飛行隊は零戦とハワイの空で戦うことになったのである。
大和の奇襲攻撃で地上施設はあらかた破壊されてしまったので通信手段も限られたものになってしまっていたが
二ミッツは地上から地下司令室に司令室を移して置いてある机にオアフ島の地図を広げた。
今、オアフ島の空では零戦とこちらの戦闘機が激しく戦っているはずであったが航空戦力の四分の三以上を無効化させられてしまったいる状況では日本軍の上陸してくるのを食い止めることは出来ないだろう。
オアフ島のまず攻略するにはまず1つのポイントがある。
それはワイキキビーチで平時なら観光地として有名な場所でありもし、ここに攻め込んでくるとすれば市街戦が起こり多くの民間人が犠牲になるだろう。
「防御の状態はどうなっている?」
二ミッツが聞くと参謀の1人が
「ワイキキビーチには3万以上の地雷を仕掛けてあり防御陣地も構築済みです。
市街戦の準備も済んでおりすでに陸上戦力も1万が展開済みです」
「ワイキキビーチに地雷だと?」
二ミッツは目を丸くして言った。
そこは本来は観光地なのである。
史実の2008年でも観光地としても有名で読者の方も行った人もいるだろう…
地雷が埋められたということは観光地としては2度と使うことは出来ない…
「申し訳ありません…しかし…」
参謀が苦しそうに言うと二ミッツはいいんだ言った。
「いや、すまない。仕方ないのだろう…このハワイをジャップにくれてやるわけには行かないからな」
二ミッツは地図を睨みながら敵はどこから来ると考えた。
日本軍に未来兵器のせいでぼこぼこにされている二ミッツだが、この男は名将であった。
(山本五十六…いや、今の日本軍は犠牲を抑えようとしている節がある…もしかすれば…)
二ミッツはここ最近の日本軍との戦いを思い起こしていた。
最近の激突では敵は救助に回る駆逐艦を破壊しようとはせず逆に助けられるアメリカ兵は自身の船に収容して助けているという。
人命を重んじているということだ。
と、すると市街地と密接しているワイキキビーチへの上陸で民間人に多大な死者の出る
市街戦を繰り広げようとするか…
二ミッツは決断した。
「敵はここから来る」
二ミッツは地図の1点を指差した。
そこはワイキキビーチから離れたところにあるバーバーズ岬というところであった。
ここなら確かに市街戦にはならない。
しかし…
「そこの防御はトーチカを始めとして陸上戦力2万がすでに待機しています」
「よし!」
二ミッツは立ち上がった。
「ここへ全戦力を投入するのだ。敵はここから上陸してくる」
参謀達はそれぞれ動き出し命令が実行に移されていく。
さあ、決着だと二ミッツは思った。
実は今だ日本軍は知らなかったがこちらにシューティングスターを搭載した機動部隊が
向かっているのだ。
これはジェット戦闘機を本格的に運用した部隊であるが力は未知数だった。
空母の数は24隻でジェット戦闘機の数は2400機になる。
「間に合ってくれよ…」
二ミッツは薄暗い司令室の中で思うのだった。
ハワイ攻略作戦の本体ともいえる艦隊の旗艦は長門が努めていた。
その長門にはZ期が翻っている。
意味はもちろん『皇国の興廃此の一戦に在り、各員一層奮励努力せよ』である。
負ければドイツが世界を制す。
この戦いこそが世界をめぐる攻防戦であるといえるのだ。
それに日本艦隊はまだ、ドイツと戦わなければならない。
ここで多大な損害を出すことだけはなんとしても避けねばならなかった。
山本五十六は上陸作戦開始の命令を下す。
上陸地点はバーバーズ岬を挟む3つの浜辺である。
二ミッツの読みは当たっていたのだ。
そこは十分に戦艦部隊の艦砲射撃とミサイル攻撃が行なわれていたがまだまだトーチカを始めとした防御陣地が生き残っている。
そして、ついに上陸作戦は開始された。
日本軍は3つの浜辺に殺到するがトーチカや森の中から迫撃砲や機銃掃射を受けて日本兵は血しぶきを上げて浜辺に倒れていく。
上空では零戦とサンダーボルトが激しい空中戦を繰り広げておりそこにグラマンなども入り込んで戦っている。
零戦は数こそサンダーボルトに勝っていたがミッドウェー攻略のため撃墜王を選りすぐったためパイロットの腕に関してはアメリカが勝っていた。
性能もサンダーボルトが上だ。
日本は腕のいいパイロットのほとんどを第1次ミッドウェー海戦で失っているのである。
こんな時に大和は?と思う方もいるだろう。
だが、大和はすでに46cm砲を撃つだけでミサイル攻撃はやんでいた。
ミサイルを撃ちつくしたのだ。
ハリアーもミサイルがないため通常のロケット弾のみで戦っていた。
神雷を始めとした戦闘機はミサイルが尽きた時に備えて通常ロケット弾を換装することができるのである。
サンダーボルトやグラマンは零戦やハリアーの間を縫って突撃をかける日本軍に機銃を浴びせかける。
上陸軍は必死に先に進み工兵は鉄条網を切って味方を先に進ませようとする。
しかし、地雷を踏んで足を吹き飛ばし首がごろりと砂浜に転がる。
しかし、日本軍たちは前に前にと進む。
上陸艦艇がグラマンのロケット弾の直撃を受けて兵士が全員死亡する。
今や海は日本軍の血で真っ赤に染まっているのだった。
「全員突撃だ!」
小隊長が自分の部下達に軍刀を振り回しながら機銃が降り注ぐ浜辺を走る。
その時、迫撃砲が至近距離で爆発し小隊長の頭が吹っ飛んだ
まさに地獄絵図といえる光景であった。
そして、上空では性能の勝るサンダーボルトやグラマンが次第に零戦を駆逐していく。
今、この時は日本軍は未来兵器の援護はハリアーの機銃のみだが
そのハリアーも機銃の戦いのためすでに3機落とされており浜辺で燃えている。
パイロットは脱出できなかった。
そして、零戦の数が減ってくるとグラマンやサンダーボルトは地面に機銃を撃ち続け浜辺は悲鳴と怒号が響き渡る。
「くそ!こちらの戦闘機は何してるんだよ!」
突撃をかけている日本軍兵士の1人が言った。
「ああ!」
その時走る日本軍兵士の前に航空機が燃え上がりながら落ちてきた。
それはハリアーだった。
これでハリアーの喪失は4機…
まさに日本軍にとってハリアーこそ無敵と信じられていた最強の戦闘機だったのである。
兵は次から次へと上陸していくが制空権を握りつつあるサンダーボルトやグラマンは日本軍に殺戮の嵐を撒き散らした。
戦艦部隊が艦砲射撃を開始する。
これまで戦艦部隊がここまで入ってこれなかったのは水中に防御網が合ったためだが
排除されたらしい。
「突っ込め!」
その勇姿に兵たちは勇気を奮い立たせて突撃を続行する。
だが、空からの殺戮者は兵を血しぶきを浴びせていく。
その時、新たな零戦部隊がどっとサンダーボルトの編隊に襲い掛かった。
たちまち空では戦いが再会されて浜辺への攻撃が緩くなる。
「全軍突撃!今のうちだ!」
だが、敵の数は増えていく。
日本兵士達は知らなかったがアメリカ軍は穴だらけになった滑走路に鉄板をしいて応急修理して戦闘機をあげているのだった。
このままでは…
凛「このままじゃ日本軍は壊滅する…」
撫子「申し訳ありません。今の私は…」
星菜「お姉さま…」
明「こっちも大変なのね…」
凛「もう少し時間があれば炎神の数もそろってたのに…独立機動艦隊に頼りすぎたつけがきたわけね…」
明「あんたは今どこにいるのよ凛!」
凛「うるさい!少し待ちなさい!」
撫子「次回予告もハワイ攻防戦です。ご意見・感想お待ちしてりおります