表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
38/316

第37話 ハワイ大攻防戦―『大和』突入 

ハワイ攻略のための作戦を日向と打ち合わせたとき山本が日向に打診した案は日向ですら危険すぎますといった作戦だった。

その作戦とは山本が第1次ミッドウェー海戦に行なった作戦の極大化したものだった。

その作戦とは南雲艦隊は陸上戦力を率いて原子力空母『蒼龍』の艦載機とエースパイロットを集めた最強零戦部隊、国産のジェット戦闘機炎神を用いてミッドウェーを攻略すること。

そして、真珠湾基地は必ず巨大な援軍を動かす。

その援軍を独立機動艦隊の未来艦隊が迎え撃ち撃滅する。

南雲艦隊はミッドウェーを攻略すれば現状を維持する。

ここまでが2段階目である。

そして、3段階目の作戦は…




「有賀艦長。まもなくオアフ島です」


機動戦艦大和艦橋の兵士が言った。

あたりは闇に包まれており雨が降っている。

時刻は午前3時、明るくなるまで後2〜3時間ほどといったところだろう。

大和の乗員たちは今極度の緊張状態であった。

何しろ自分達がいるのはすでに敵の真っ只中なのである。

闇に姿を隠し雨で音を消す。

まるで忍者だなと有賀は思った。

始めこの作戦を聞いた時、有賀は驚愕したものだった。

これから長い1日が始まる。


「ふー」


有賀は息を吐くとぱんと頬を叩いた。

そして、腕時計を見ると時計は丁度3時を指した。


「CIC!バリア解除!攻撃開始だ!大和を突入させろ!」


「ミサイルロックオン!」


「砲撃準備よし!」


「最大戦速!」


「バリア解除します!」


スゥと薄紫色のバリアが大和の周囲から消えていく。

その瞬間

大和の46cm砲が火を噴くと同時に30のミサイルが発射された。

装填がすみ次第次々とミサイルが、46cm砲が火を噴く。

真珠湾攻略作戦の開始だった。




「し、司令大変です!」


二ミッツは自分の寝室に飛び込んできた参謀長に文字通りたたき起こされた。


「なんだ!」


「モンスターです!モンスター戦艦が真珠湾沖に!」


「なんだと!?」


二ミッツは眠気が消し飛んだ。


「何隻だ!?」


「1隻です!」


耳を済ませてみれば爆発音と轟音が轟いている。

そして、慌てて服を着ると総司令室に走った。

そして、総司令室に入るなり怒鳴った。


「レーダーは何を見ていた!」


参謀の1人がは震え上がるようにして


「分かりませんいきなりレーダーにモンスター戦艦が現れたのです」


その参謀の話を聞いてもそれ以上のことは分からなかった。

ただ、明確なことは敵が目と鼻の先にいるということだ。


「直ちに航空機を上げるのだ!機動部隊は…スプルーアンスは何をやっている」


「そ、それが…」


ズズウウン

その時、総司令室の外からひときわ大きな音が聞こえてきた。

それは砲撃の音である。

二ミッツは思わず真珠湾沖が見える高台に走った。


「司令!」


兵達が慌てて追ってくる。

振り続ける雨にいらだちながら高台に立つ直前に夜だから何も見えないのではないかという不安がよぎったがその心配は無用だった。


「おお!」


真珠湾は明るかった。

ただし、味方の空母が燃えているために…

40隻の空母が燃えているのだ。

そして、炎の先にいるのは…


「も、モンスター戦艦」


ミサイルを吐き出し続けている機動戦艦『大和』であった。




一方的だなと有賀は思った。

本当はこんな奇襲などしたくはないがそんなことを言っていれば戦争には勝てない。

それにアメリカがここまでの奇襲を受けたのは機動戦艦のバリアシステムにあった。

バリアが張られている間はレーダーに移らないという完全なステルス化ができるのである。

有賀には詳しいことは分からなかったがそれを説明された時は驚きと同時に半信半疑でもあったが撫子からそれが本当だと効くとよし!やってやるぞと思ったのだった。

事前に真珠湾にある飛行場のデーターは全て座標が入力されてある。

未来からもたらされたものだった。

完全なミサイル攻撃で今やハワイの滑走路は穴だらけになっており使えない状態にあった。

そして、格納庫にもミサイルの雨が降り注ぐのだからたまらない。

大和は北に移動しながらハワイの5つの飛行場の1つ

バーバーズポイントに46cm砲を斉射しミサイルはせっかくアメリカ軍が再建した真珠湾の造船設備を襲った。

46cm砲の砲弾は格納庫を消し飛ばしす。

これは榴弾である。

ズズウウンという音が轟いた。

沖に停泊していたミサイルの1撃を耐え抜いたアイオワ級戦艦からの砲撃だった。

しかし。それは当たる直前で弾き飛ばされた。

バリアである。

その瞬間一瞬だが大和はレーダーから消えたのだがその関係性に気づくものはいなかった。

そして、大和が46cm砲を斉射し、アイオワ級の戦艦が轟音を上げて爆発した。




「くっ攻撃隊は出せないのか!」


二ミッツはその様子を高台から見下ろしながら言った。

通信兵が総司令室と連絡を取りながら


「駄目です。滑走路が穴だらけになっていて飛び立てません!格納庫も次々と吹き飛ばされていきます!」


「なんということだ!」


これで真珠湾は3度の奇襲を受けたことになるのだ。

それも1回は二ミッツが指揮しているときであり今回は2回目だ。

同じ失敗を2度繰り返したのである。

まあ、二ミッツは悪くない。

誰がこの時代に完全にレーダーから消えることの出来る戦艦があると思えるだろう?

しかし、今はそれどころではない。


「カネオの飛行場なら…」


そこならばあのモンスター戦艦の攻撃は届いていないかも知れない。

しかし…


「し、司令!レーダーに反応です!日本艦隊です!戦艦、空母、輸送船団を率いた

大艦隊がこちらに…」


「なんだと!」


二ミッツは悲鳴を上げた。

懐に今モンスターが暴れまわっているのだ。

そんなところに上陸作戦などやらかされたら…


「カネオの飛行場は無事か!?」


「そ、それが…カネオも…」


ミサイルの餌食となっていた。

正確に言えば航空機はあるのだが滑走路が使い物にならない。

無理に飛ぼうとすれば飛ぶ前に死である。


「しかし、ホイラーは無事です。航空隊がすでに離陸してこちらに向かっています」

「よし!」


二ミッツは拳を握り締めた。


「叩き潰せ!モンスターを海の底に…いや、地獄の底に叩き落せ!」




その頃、機動戦艦『大和』でもその敵は捕らえられていた。


「よし!対空ミサイルで迎撃だ!ハリアーも出せ」


有賀が言うとCICからミサイルロックオンの声が上がってくる。


「撃て!」





ホイラー基地航空隊は怒り狂っていた。

その編隊というのはジェット戦闘機のシューティングスターである。

30機がホイラーに置かれていたのだが今それが役に立つ。

ロケット弾を叩き込んでやると920キロの速度で大和に向かっていた。

ところが


「なんだあれは!?」


パイロットの1人が叫んだ瞬間

シューティングスターは大和の対空ミサイルに消し飛ばされた。

運の悪いことに機動戦艦のイージスシステムは30の敵を同時に攻撃できるのである。

シューティングスターのパイロット達は厳しい訓練を受けただけであの世に旅立ってしまった。

そして、ホイラー飛行場にはハリアーが襲い掛かりハワイのアメリカ軍ははあちこちで

大混乱に陥った。


第3段階、それはこれまで隠してきたバリアシステムによる懐からの奇襲による基地壊滅。


そして、最終段階へと進む…


星菜「お姉さますごい…」


撫子「いえ、すごいのは私でなく未来の方々の技術ですよ」


凛「バリアシステムによる完全奇襲。ここまで温存していた切り札を使ったところを見ると恭介も余裕がないことが分かるわね」


エリーゼ「卑怯…」


明「まあ、撫子姉さんがここまで暴れまわったらもう、アメリカ軍は陸から迎え撃つしかないわね」


作者「まるで怪獣のような…ぐふ!」

 ↑

バルカン砲が再び作者を打ち抜く。


星菜「お姉さまを怪獣呼ばわりは許さない…」


撫子「あらあら?次回予告はミッドウェーの最後です。ご意見・感想お待ちしております」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ