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第36話 ハワイ大攻防戦―ハルゼーの涙

紀伊に攻撃が集中している状況であるがその攻撃は全てバリアに阻まれているため

空の戦いはミサイルを持つ未来戦闘機の集団が次第に有利になっていった。

とはいえここにここまでにハリアーが1機と神雷が3機落とされている。

ハリアーのパイロットは脱出したようだが神雷のパイロットの内1人が脱出できずに独立機動艦隊始めての死者も出た。




そして、紀伊以外にも後方に待機する空母群にも敵の雷撃機は殺到するが

制空任務に当たる神雷に阻まれる。

そして、余裕を取り戻した紀伊のイージスシステムが再び稼動すると数が多く有利となっていた戦場も次第にアメリカ軍が押され始め、そして、アメリカ空母もミサイルが降り注ぐようになっていった。

「嘘だ!」

グラマンのパイロット、マイケルは栄誉ある旗艦の空母リンカーンの制空隊だった。

だが、眼前に広がる光景を彼は信じることが出来なかった。

海原を埋め尽くすほどいた空母がいまや火の海とかして燃えているのだ。

突っ込んできた神雷がミサイルを発射する。

それはまっすぐリンカーンを目指していた。

「くっ!」

マイケルは仲間のグラマンと共に

それを打ち落とそうとするが適わずにリンカーンの甲板で爆発が起こり黒煙がもくもくと空に漂う。

そして、その神雷はミサイルを撃ちつくしたようでマイケルの機体の後ろにつき機銃を発射した。

マイケルは怒り狂い

「ふざけるな!イエローモンキーがぁ!」

グラマンの機体を少し上に向けることにより風を受ける面積が増えグラマンは急速に減速した。

マイケルは風防から神雷のパイロットが驚愕の表情を浮かべているのを見て満足した。

そして、2機は激突し燃えながら太平洋の海底へと消えていった、




ミサイルが直撃しハルゼーは参謀に床に押し倒された。

そして、倒れたまま参謀長は言った。

「提督…もはやこれまででは?」

いつもなら何だとと怒鳴るハルゼーだったがさすがの彼もこの状況では怒鳴る気力も湧かなかった。

「生き残った艦は?」

ハルゼーが聞くと兵士の1人が

「我が艦隊は壊滅状態です。リンカーンを含めてよくて中破…ですがほとんどの空母は…」

「なんということだ…」

ハルゼーはがっくりとして参謀長抱きかかえられた。

「提督」

ハルゼーは銃を引き抜くとこめかみに当てようとした。

「提督いけません!」

バシっと参謀長がハルゼーの手を叩いて銃を奪い取った。

「死なせてくれ!」

参謀長は総員退艦の命令をハルゼーの変わりに出すと兵士達と力ずくで連れ出した。

その時リンカーンのわき腹にミサイルが直撃し艦が大きく傾いた。

「うわああああああ!」

兵士達が甲板から次々と海に投げ出されていく。

それはハルゼーも同じで参謀長と共に海に叩きつけられた。

はじめ海に落ちたハルゼーはこのまま沈んで死のうと思ったが苦しくなって死ぬもの狂いで海面に出た瞬間背後からキイイイイイというジェット戦闘機の音が聞こえ慌ててハルゼーは海にもぐりなおした。

しかし、その戦闘機はハルゼーや海面に浮かぶアメリカ兵を狙うのではなく低空から生き残っていた最後の空母に2発のミサイルを発射。

そして、最後まで対空砲火を張り続けていた空母ワシントンは大爆発と共に海中に没した。

生き残った船はもはや駆逐艦だけ…

それ以外は全て沈められてしまった。

戦闘開始からわずか5時間であれだけの空母が破壊されてしまったのだ。

「提督!」

「おお…君も無事だったか…」

参謀長がハルゼーを見つけて泳いできたので彼は力なく言った。

一気に老け込んだように参謀長は思い思わずハルゼーを抱えようとしたほどであったという。

駆逐艦が兵を救助に回っておりハルゼーの方にも1隻の駆逐艦がやってきてロープを投げ込んできた。

「さぁ、提督」

「うむ」

ハルゼーはロープを掴むが1度海にもぐった。

「提督!」

参謀長は慌ててハルゼーを引き上げるがそして、その意味を知った。

ハルゼーの目からは涙が流れていたのだ。

あまりにも悔くて悔しくて出た涙だった。

「提督…いつかきっと…」

と参謀長は涙に気づかない振りをしてハルゼーにロープを巻きつけるのであった。




「敵艦隊はほぼ無力化しました。我々の勝利です!」

紀伊の艦橋で歓声が上がるが日向はまだだと言った。

「急ぐぞ!予定以上に時間がかかった。

輸送船団と合流してミサイルを補充したら山本長官に合流しないと」

すると艦橋でも了解といって皆顔つきが真剣になった。

時間がないのを承知しているのである。

「パイロット達の救助はすんだか?」

古賀はうなずいた。

「完了しています。生きていたパイロットは全て他の艦が」

「よし!」

日向は椅子に座りなおすと

「進路を西に取り50ノットで他の空母と速度をあわせろ!」

紀伊が去っていく。

漂流するアメリカ軍兵士達はそれを複雑な思いで見ていた。


凛「ちょっとやりすぎたかしら?」


明「戦争に情けは無用よ凛。もし、この戦い戦闘機についてるのがミサイルじゃなかったら負けてたかも知れないわね」


撫子「皆様助かればよいのですが…」


星菜「うん」


作者「そうですね…ハルゼー提督もさぞ悔しかったでしょう…」


撫子「次回もハワイ攻防戦です。ご意見・感想お待ちしております」

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